巻き込まれ召喚のモブの私だけが還れなかった件について

みん

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第六章ー帰還ー

衝撃的な…

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「私、隣国に行きます。」

エディオル様に会いたいのは勿論の事だけど─

穢れや魔物。それに、リュウの事も気になっていたから。あれから考えて、ミヤさんにも私の気持ちを伝えると、『勿論、私も一緒に行くわよ?』と、言ってくれた。

そして、今、パルヴァン様とシルヴィア様に私の気持ちを伝えに来たのだ。

パルヴァン様は、少し困ったように笑いながら

「ハル殿の事だから、そう言うと思っていた。だが─エディオル殿が居る場所は、決して安全とは言えない場所だ。ハル殿は魔法使いだが、攻撃魔法は一切使えないのだろう?」

「はい。攻撃魔法は使えませんが─防御魔法は誰にも…どんな事が起こっても問題無い位のレベルです。それに、私が攻撃する必要は無いと思うんです。そこには、エディオル様をはじめ、その地の騎士様達が居るから─。」

そう─。私が魔物と対峙する必要は無いんだ。何かあったとしてもそれは騎士様達に任せて、私は、彼等を守れば良いんだ。

「成る程─。可愛らしいリスかと思えば、鋼のリスだったか?」

と、パルヴァン様は優しく笑ってくれた。



他国の事なので、大勢は無理と言う事で、ティモスさんの同行が条件として、パルヴァン様から許可をもらった。









そして、私は、もう一つの決意をしてパルヴァンの森にミヤさんと来ている。


「本当は、ここに戻って来てすぐにでも会いたかったし、ミヤさんにも紹介したかったんですけどね…。」

「まぁ…私も一応、会ってるけどね?」

「そうでしたね。でも、あの時とは違って、本当に─“癒し”なんですよ?」

そう─。隣国に行く前に、レフコースに会うのだ。また…名を交わす事が…できるだろうか?
おそらく、今、私に掛けている結界の魔法を解き、魔力を意識的に飛ばせばレフコースが反応するだろう。私の中に、巫女の魔力が無くとも、一度は繋がっていたから。



目を瞑り深呼吸をして─結界を解除した。
















ピクリッ


『─っ!?』

パルヴァン辺境地から、遠く離れた王都にあるパルヴァン邸のハルの部屋のベットの上で、丸まっていたレフコースの耳が反応する。その次の瞬間には元の大きさに戻り、尻尾をユラリと揺らすと、何も言わずに姿を消した。














ーどれ位で来るかなぁ?ー

フェンリルは、魔獣の中でもレアだと言っていた─と言う事は、きっと王都からパルヴァンここ迄の移動もアッサリやってのけそうだよね…と思っている。と言うか─怒ってたら…どうしよう…。

「ねぇ…ハル。フェンリルって…結構な大きさ…だったよね?」

「はい。2m以上はあったかなぁ?でも、普段はゴールデンレト─────えっ!?」

“普段はゴールデンレトリバー位の大きさで、可愛いんです”

と言おうとして、言えなかった─何故なら─



『────主っ!!!!』



そう叫びながら、空から飛んで来たレフコースが…

本来の大きさになっていたから─しかも、物凄く速い。その速さのまま私に向かって来ている。

ー流石はレアな魔物のフェンリル!来るのが早いね!ー


じゃなくて!!!!


「レフコース!!お…落ち着いて!!私、潰れるからね!?」

はい。力の限り叫びましたよ!!

すると、レフコースは一瞬ビクッと体を震わせた後、スルリと体を小さくさせながら、私に飛び付いてきた。

『主!!』

「ふぁーっ」

「ハル!?」


遠慮無く飛びつかれ、勿論、受け止めきれる筈もなく─盛大に尻餅をつきました。

『主!主─!』

「レフコース…」

私のお腹に、グリグリと擦り付けて来る頭をソッと撫でる。

「レフコース…ごめんね?えっと─怒ってる?」

『…怒ってなど…ない─。我が…我が間違えたから─。もう、主には会えぬと思った。主の世界に還ったと─。』

そう言うと、レフコースはグリグリするのを止めて顔を上げ、私と目を合わせる。

『主?また…ここに戻って来たのか?』

「うん。戻って来たの。それでね。えっと─」

“また、私と名を交わしてくれる?”と訊こうとすると

『主─また、我と…名を交わしてもらえないか?我はまた、主と…名を交わしたい─。駄目か?』

と言いながら、レフコースは首を傾げる。

ーくぅ─っー

久し振りの…久し振りのレフコースの“コテン”を頂きました!

ー駄目だ!落ち着こう!撫で回すのは後だ!ー

「レフコース…それは私のセリフだよ?私が…勝手に繋がりを切った。それなのに、またレフコースと名を交わしたいなんて…本当に自分勝手だって思う。こんなに…弱くて馬鹿な私だけど…また、私の側に居てくれる?」

『勿論!我は─我も主が良い。』

私の大好きなレフコースの、アイスブルーの瞳。

ーあれ?ー

ふと、レフコースに違和感を感じる。でも、ソレが何か分からない。分からない─けど、兎に角、今は名を交わす事が先だなと思い直し、念の為にと周りに結界を張る。





『─あ…雪だ…』

その雪を見て

ー雪…真っ白な…雪ー

まるで…レフコースみたいに真っ白だ─と思った。





「私の名は─春ノ宮はるのみや琴音ことね─。あなたの名は─“ネージュ”─。」


そう告げると、私とレフコース─ネージュ─の足下に魔法陣が浮かび上がり、そこから淡い水色と白色の光が溢れだした。そして、またトクリトクリと、ネージュの魔力が私の中に流れて来るのが分かった。

そして、暫く光に包まれた後、魔法陣が消えるのと同時にその光も消えて─そこに立って居たのは─




「「え─っ????」」


『主?』


コテン─と、首を傾げて私を見つめるネージュ─。




していた─




それだけでも驚きなんだけど─




うん。そこに擬人化して立っていたのは─









それはそれは…とても…とても…










とてもだった─










*ネージュ=フランス語で“雪”。今更ですが、レフコース=ギリシャ語で“白い”と言う意味です*







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