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第2章ー魔道士ー
王太子と側近
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ルシエント邸で過ごし始めて2ヶ月。
学園の新年度が始まる迄、後2週間。
ここ迄、本当にあっと言う間だった。
貴族の名前や関係性は難無く覚えられ、貴族のマナーやルールに関しても、ルシエント様やゼルフィーさんからはお墨付きをもらえた。
それからは、学園に於いてのカリキュラムの確認に追われながら、聖女の扱いや警護についての確認や王族─第三王子の扱いの確認と、するべき事がたくさんあった。
ー正直、暮らす場所がルシエント邸で良かったー
と思える程、ルシエント様と過ごす時間が……不本意ではあるが…とてつもなく長いものとなった。そのお陰か、「君」と呼ばれていたのが、「ナディア」と呼び捨てになった。まぁ、これは、私は平民であり助手でもあるから、おかしい事ではない。
「私の事も、“オスニエル”と呼んでもらっても良いよ?」と言われたが、そこは「結構です」と、丁重にお断りした。平民の助手でしかない私が、ルシエント様を名前で呼ぼうものなら……それこそルシエント様を狙う令嬢達に何をされるか……二度目の人生は、細くであっても長生きしたい。
兎に角、2週間前に王都に移って来ているリゼットも忙しいらしく、お互い時間の都合が合わず、また落ち着いたらお茶でもしようね─と手紙でやりとりするのがやっとの事だった。
今日は、ルシエント様は朝から登城して公務をしていて、私もそれに合わせて登城し、図書館で魔術や魔法に関しての書物を読みあさっている。
地下のフロアへの立ち入りの許可証の発行には時間が掛かるようで、まだ許可証はもらえていないから、一般公開されている書物だけしか読む事はできないが、それでも、田舎の図書館よりも遥かに沢山の本があり、新しい発見もある。その発見が楽しくて、ついつい時間を忘れて本に集中してしまうのだ。
「うーん……これなら…できる…かな?」
「どんな魔法?」
「んー…風魔法で───って?」
誰だ?と思い顔を上げると──
左サイドで一纏めにした黒い髪の毛をサラリと垂らした、金色の瞳をしたイケメンが微笑んで私を見ていた。
「───っ!?おう────っ!?」
ついつい叫びそうになった声を、自分の手で押さえて飲み込むと、そんな私を見て、そのイケメンは更に笑みを深めた。
黒髪はそれ程珍しい訳ではないが、比較的高位貴族に見られる色だ。ただ、黒髪と金眼の組み合わせは…滅多に無い。その組み合わせの色を持つのは──
“リュカ=モランドル”
このモランドル王国の王太子だ。
次代国王の座に就くのに相応しい者と言われ、尚且つ、滅多に居ないとされる氷属性。
そんな、私とは生きる世界が真反対な位置に居る人が目の前で微笑んでいて──その後ろでルシエント様が笑っている。
ー犯人はルシエント様か!ー
ジトリ─とした目でルシエント様を見遣ると、これまた王太子殿下の後ろにいた、もう1人のイケメンが軽く目を見開いた後、ゆるゆると笑いだした。
一体、これはどう言う状況なのか──
「──ルシエント様、説明を……宜しくお願いします。」
「はいはい。それじゃあ…移動するから、付いて来てくれるかな?」
ルシエント様──ではなく、王太子殿下にそう言われれば断れる筈もなく、私は開いていた本を閉じた。
*王太子の執務室*
「女嫌いのオスニエルが、助手の事をあまりにも褒めるもんだから、どんな子なんだろうと気になってたんだ。そうしたら、今日は城に居ると聞いてね。丁度良いかと思って会いに来たんだ。」
と、ニッコリ微笑むのは王太子殿下。
ー何が“丁度良い”のか…教えていただきたいー
と言う疑問も飲み込んだ。
「それに、学園では弟であるアルビーがお世話になるから、挨拶も兼ねて……ね。」
「そう…ですか。それは…わざわざありがとうございます。でも……生徒なのでお世話をするのは、当たり前の事ですから…。」
ーだから、わざわざ挨拶なんてモノも要らないんですー
「それと、こっちは─オードリック=モンテルアーノ。私達3人は、謂わば幼馴染みで、オードリックも私と同じで、リュカの側近なんだ。」
“オードリック=モンテルアーノ”
王太子殿下の側近─近衛騎士であり、第二騎士団の副団長。その上、王太子殿下とは従兄弟だった筈だ。王太子殿下─王族によくある黒い髪に、紫色の瞳のイケメン。
確か、王太子殿下には婚約者が居るけど、ルシエント様とモンテルアーノ様には居ない。
こんな優良物件を、令嬢達が放っておく筈もなく…。
この2人は王都で最も人気のある2人なのだ。
ー本当に勘弁して欲しいー
そんな人達との交流なんて、私は全く望んではいない。
「オードリック=モンテルアーノだ。宜しく。」
「ご挨拶、ありがとうございます。魔道士のナディアです。宜しくお願いします。」
ー“よろしく”なんて…したくないけどー
と言う言葉も飲み込みました。
学園の新年度が始まる迄、後2週間。
ここ迄、本当にあっと言う間だった。
貴族の名前や関係性は難無く覚えられ、貴族のマナーやルールに関しても、ルシエント様やゼルフィーさんからはお墨付きをもらえた。
それからは、学園に於いてのカリキュラムの確認に追われながら、聖女の扱いや警護についての確認や王族─第三王子の扱いの確認と、するべき事がたくさんあった。
ー正直、暮らす場所がルシエント邸で良かったー
と思える程、ルシエント様と過ごす時間が……不本意ではあるが…とてつもなく長いものとなった。そのお陰か、「君」と呼ばれていたのが、「ナディア」と呼び捨てになった。まぁ、これは、私は平民であり助手でもあるから、おかしい事ではない。
「私の事も、“オスニエル”と呼んでもらっても良いよ?」と言われたが、そこは「結構です」と、丁重にお断りした。平民の助手でしかない私が、ルシエント様を名前で呼ぼうものなら……それこそルシエント様を狙う令嬢達に何をされるか……二度目の人生は、細くであっても長生きしたい。
兎に角、2週間前に王都に移って来ているリゼットも忙しいらしく、お互い時間の都合が合わず、また落ち着いたらお茶でもしようね─と手紙でやりとりするのがやっとの事だった。
今日は、ルシエント様は朝から登城して公務をしていて、私もそれに合わせて登城し、図書館で魔術や魔法に関しての書物を読みあさっている。
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「うーん……これなら…できる…かな?」
「どんな魔法?」
「んー…風魔法で───って?」
誰だ?と思い顔を上げると──
左サイドで一纏めにした黒い髪の毛をサラリと垂らした、金色の瞳をしたイケメンが微笑んで私を見ていた。
「───っ!?おう────っ!?」
ついつい叫びそうになった声を、自分の手で押さえて飲み込むと、そんな私を見て、そのイケメンは更に笑みを深めた。
黒髪はそれ程珍しい訳ではないが、比較的高位貴族に見られる色だ。ただ、黒髪と金眼の組み合わせは…滅多に無い。その組み合わせの色を持つのは──
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このモランドル王国の王太子だ。
次代国王の座に就くのに相応しい者と言われ、尚且つ、滅多に居ないとされる氷属性。
そんな、私とは生きる世界が真反対な位置に居る人が目の前で微笑んでいて──その後ろでルシエント様が笑っている。
ー犯人はルシエント様か!ー
ジトリ─とした目でルシエント様を見遣ると、これまた王太子殿下の後ろにいた、もう1人のイケメンが軽く目を見開いた後、ゆるゆると笑いだした。
一体、これはどう言う状況なのか──
「──ルシエント様、説明を……宜しくお願いします。」
「はいはい。それじゃあ…移動するから、付いて来てくれるかな?」
ルシエント様──ではなく、王太子殿下にそう言われれば断れる筈もなく、私は開いていた本を閉じた。
*王太子の執務室*
「女嫌いのオスニエルが、助手の事をあまりにも褒めるもんだから、どんな子なんだろうと気になってたんだ。そうしたら、今日は城に居ると聞いてね。丁度良いかと思って会いに来たんだ。」
と、ニッコリ微笑むのは王太子殿下。
ー何が“丁度良い”のか…教えていただきたいー
と言う疑問も飲み込んだ。
「それに、学園では弟であるアルビーがお世話になるから、挨拶も兼ねて……ね。」
「そう…ですか。それは…わざわざありがとうございます。でも……生徒なのでお世話をするのは、当たり前の事ですから…。」
ーだから、わざわざ挨拶なんてモノも要らないんですー
「それと、こっちは─オードリック=モンテルアーノ。私達3人は、謂わば幼馴染みで、オードリックも私と同じで、リュカの側近なんだ。」
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王太子殿下の側近─近衛騎士であり、第二騎士団の副団長。その上、王太子殿下とは従兄弟だった筈だ。王太子殿下─王族によくある黒い髪に、紫色の瞳のイケメン。
確か、王太子殿下には婚約者が居るけど、ルシエント様とモンテルアーノ様には居ない。
こんな優良物件を、令嬢達が放っておく筈もなく…。
この2人は王都で最も人気のある2人なのだ。
ー本当に勘弁して欲しいー
そんな人達との交流なんて、私は全く望んではいない。
「オードリック=モンテルアーノだ。宜しく。」
「ご挨拶、ありがとうございます。魔道士のナディアです。宜しくお願いします。」
ー“よろしく”なんて…したくないけどー
と言う言葉も飲み込みました。
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