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第四章ー未来へー
心の隙
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「モンテルアーノ様!」
シェイラが発動させた魔法が、一瞬のうちにモンテルアーノ様を包み込む。
その魔法─魔力は聖女の魔力とは思えないような、嫌な感じのねっとりと絡みつくようなものだった。とても気持ち悪い魔力だ。ひょっとしたら、コレが禁忌とされている“魅了”の魔法なのかもしれない。
まとわりついていた魔力が無くなると、モンテルアーノ様の肩越しに、シェイラがこちらへと近付いて来るのが見えた。
シェイラはそのまま私達の側迄来ると、モンテルアーノ様の腕を絡め取り、その触れている所からまた、嫌な感じの魔力がモンテルアーノ様に絡み始めた。
モンテルアーノ様の魔具はネックレスタイプの物で、服の下に隠れている為確認はできないけど、おそらく、さっきのシェイラからの魔法を防いだと同時に壊れただろう。なら、今、シェイラが発動させている魔法は防ぎようがない。モンテルアーノ様もまた……聖女の魅了にやられてしまうかもしれない。
枷を外されて魔力は戻ってきたけど、いまいち魔力の流れが安定していない。このまま魔法を使っても、ちゃんと発動するのかは…微妙なところだし、狙いが外れてモンテルアーノ様に当たったら…。
それに、悔しいけど、私の魔法では、シェイラには……勝てないだろう。
「オードリック様。私達の邪魔をするこの女─ナディア先生を排除して下さい。」
儚げに微笑むその顔は、ローゼ=ルードモントその者の顔だった。その彼女に、“可哀想に…”と憐れんでいたのだ。
でも、今は違う。同じ顔でも、その顔は何とも怖ろしいものに見える。他人を壊して操り、他人を簡単に貶める。
「──排除?」
「ええ。どんなやり方でも良いですよ?」
「分かった───」
と、モンテルアーノ様は、シェイラを見つめたままニッコリ微笑む。その笑顔を見て、胸がツキン─と痛みを覚えたのは……今更だ。
私だって、素直にやられるつもりはない──けど。
ビリビリと、肌が痛くなるような殺気を感じて、思わず目をギュッと瞑る。
「──っ!い─────っ!!なっ!?」
シェイラの叫び声が響き、慌てて目を開けると、モンテルアーノ様がシェイラを床に押し付けて腕を捻り上げていた。
「え?あっ…と……え?」
ー一体…何が起こったの?ー
キョトン─と2人の様子を窺っていると、モンテルアーノ様がシェイラを押さえ込んだまま私へと視線を向ける。
「一発目の魔法は、魔具がギリギリ防いでくれた。そのせいで壊れてしまったようだけど。それから、直接触れられてからも、何か俺に魔法を掛けていたようだけど……それは、ただ単に、気持ち悪い何かがまとわりついているなぁ─ぐらいにしか感じなかった。あまりの気持ち悪さに、この女を剣で切り裂いてやろうか─とさえ思ってしまった。」
「え………?切り……裂く?」
「それでも、コレは女だし聖女だから、我慢はしたが……」
シェイラが掛けていただろ魔法は、かなり強い魔力が使われていたのに。普通なら、直ぐに影響が出てもおかしくないレベルのものだったのに。
「──どう……して……い────っ!!」
“どうして?”と、顔を上げて口を開こうとしたシェイラを、モンテルアーノ様は更に力を入れて床に押し付けた。もう、“女だから”とか“聖女だから”なんて事は頭にないのかもしれない。
「“どうして?”─か?理由は簡単だ。俺の心の隙に入れるのはナディアだけだからだ。お前が入れるような隙は無い。微塵も無い。喩え、お前が俺に“魅了”を掛けようとも無駄だ。ナディアが居る限り、お前の魅了に掛かる事はない。」
「なっ!!??」
ーそんな恥ずかしい事を、自信たっぷりに宣言しないでもらいたい!───けど……少し嬉しいな─なんて……思ってる自分が……悔しい!ー
「くっ──照れてるナディアは可愛いけど、その顔はまた後でしてもらえると助かる。」
「はい?助かる?何がですか??」
「色々と──だ。」
何とも場違いなやり取りで、緊張し過ぎていた気持ちが少し落ち着いてきた。
「──っ…な…で……何で、どうして、私の思い通りにならないの!?欲しかった彼もあの女を選んで……オードリック様も…ナディアなんか──いっ!!!」
「ナディアなんかとは何だ?優秀な魔道士な上にツンデレの可愛いナディアに、お前が勝るモノなど何も無いからな?それに……“欲しかった彼”とは、一体誰の事だ?第三王子の事か?」
そうだ…モンテルアーノ様には分からないだろう。
その“彼”とは、アドリーヌの元婚約者の事だ。彼は、アドリーヌを殺めた後、自殺した。
「兎に角、禁忌とされる魔法を使用した証拠は得られたから、お前を拘束する。」
と、少しだけ、ほんの少し、力を緩めた瞬間だった。
「思い通りにならないなら、いっその事、心を壊してやるわ!」
どこにそんな力があったのか──
シェイラがモンテルアーノ様の腕を払い除け、透かさず魔法を発動させた。
それはとても大きくて強いもので、とうてい私なんかのレベルでは防ぎきれないものだ。
「ナディア!」と叫びながら、私の体を引き寄せるのはモンテルアーノ様。
そして───
「アディー!」と叫びながら部屋へと駆け込んで来たのは──
ダレルさんだった。
❋感想やエールを頂き、ありがとうございます❋
☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
シェイラが発動させた魔法が、一瞬のうちにモンテルアーノ様を包み込む。
その魔法─魔力は聖女の魔力とは思えないような、嫌な感じのねっとりと絡みつくようなものだった。とても気持ち悪い魔力だ。ひょっとしたら、コレが禁忌とされている“魅了”の魔法なのかもしれない。
まとわりついていた魔力が無くなると、モンテルアーノ様の肩越しに、シェイラがこちらへと近付いて来るのが見えた。
シェイラはそのまま私達の側迄来ると、モンテルアーノ様の腕を絡め取り、その触れている所からまた、嫌な感じの魔力がモンテルアーノ様に絡み始めた。
モンテルアーノ様の魔具はネックレスタイプの物で、服の下に隠れている為確認はできないけど、おそらく、さっきのシェイラからの魔法を防いだと同時に壊れただろう。なら、今、シェイラが発動させている魔法は防ぎようがない。モンテルアーノ様もまた……聖女の魅了にやられてしまうかもしれない。
枷を外されて魔力は戻ってきたけど、いまいち魔力の流れが安定していない。このまま魔法を使っても、ちゃんと発動するのかは…微妙なところだし、狙いが外れてモンテルアーノ様に当たったら…。
それに、悔しいけど、私の魔法では、シェイラには……勝てないだろう。
「オードリック様。私達の邪魔をするこの女─ナディア先生を排除して下さい。」
儚げに微笑むその顔は、ローゼ=ルードモントその者の顔だった。その彼女に、“可哀想に…”と憐れんでいたのだ。
でも、今は違う。同じ顔でも、その顔は何とも怖ろしいものに見える。他人を壊して操り、他人を簡単に貶める。
「──排除?」
「ええ。どんなやり方でも良いですよ?」
「分かった───」
と、モンテルアーノ様は、シェイラを見つめたままニッコリ微笑む。その笑顔を見て、胸がツキン─と痛みを覚えたのは……今更だ。
私だって、素直にやられるつもりはない──けど。
ビリビリと、肌が痛くなるような殺気を感じて、思わず目をギュッと瞑る。
「──っ!い─────っ!!なっ!?」
シェイラの叫び声が響き、慌てて目を開けると、モンテルアーノ様がシェイラを床に押し付けて腕を捻り上げていた。
「え?あっ…と……え?」
ー一体…何が起こったの?ー
キョトン─と2人の様子を窺っていると、モンテルアーノ様がシェイラを押さえ込んだまま私へと視線を向ける。
「一発目の魔法は、魔具がギリギリ防いでくれた。そのせいで壊れてしまったようだけど。それから、直接触れられてからも、何か俺に魔法を掛けていたようだけど……それは、ただ単に、気持ち悪い何かがまとわりついているなぁ─ぐらいにしか感じなかった。あまりの気持ち悪さに、この女を剣で切り裂いてやろうか─とさえ思ってしまった。」
「え………?切り……裂く?」
「それでも、コレは女だし聖女だから、我慢はしたが……」
シェイラが掛けていただろ魔法は、かなり強い魔力が使われていたのに。普通なら、直ぐに影響が出てもおかしくないレベルのものだったのに。
「──どう……して……い────っ!!」
“どうして?”と、顔を上げて口を開こうとしたシェイラを、モンテルアーノ様は更に力を入れて床に押し付けた。もう、“女だから”とか“聖女だから”なんて事は頭にないのかもしれない。
「“どうして?”─か?理由は簡単だ。俺の心の隙に入れるのはナディアだけだからだ。お前が入れるような隙は無い。微塵も無い。喩え、お前が俺に“魅了”を掛けようとも無駄だ。ナディアが居る限り、お前の魅了に掛かる事はない。」
「なっ!!??」
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「はい?助かる?何がですか??」
「色々と──だ。」
何とも場違いなやり取りで、緊張し過ぎていた気持ちが少し落ち着いてきた。
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そうだ…モンテルアーノ様には分からないだろう。
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「兎に角、禁忌とされる魔法を使用した証拠は得られたから、お前を拘束する。」
と、少しだけ、ほんの少し、力を緩めた瞬間だった。
「思い通りにならないなら、いっその事、心を壊してやるわ!」
どこにそんな力があったのか──
シェイラがモンテルアーノ様の腕を払い除け、透かさず魔法を発動させた。
それはとても大きくて強いもので、とうてい私なんかのレベルでは防ぎきれないものだ。
「ナディア!」と叫びながら、私の体を引き寄せるのはモンテルアーノ様。
そして───
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