巻き込まれではなかった、その先で…

みん

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11 相変わらずな人と、変わった人

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「お目覚めになったのなら、食事をご用意してありますから……あちらの部屋へ…」

「………」

ー相変わらずな事だー

気を失って倒れてからどれ位経ったかは分からないけど、普通なら、そんな状態から目が覚めたばかりの者に、部屋から移動食事をなんて事は…しないだろう。これもきっと、お姉様の指示だろう。

ー私はまた……これから、あの時と同じように過ごす事に…なるんだろうかー

「……聞こえていないのですか?今直ぐに、移動なさって下さい。」
「………」

正直、本当に体に力が入らなくて…ベッドから下りる事もできそうにない。でも、フライアの言う通りにしなければどうなるのか───
ベッドから下りようと、手にグッと力を入れた。


「フライア、そこで何をしている?それに、向こうの部屋に置いてある物は何だ?」
「え?あ!お……王太子殿下!」
「お兄様?」

お兄様の顔を見てホッと安心した私とは違い、慌てているのはフライア。フライアにとっても、ここにお兄様が来ると言う事は、予想外の事なんだろう。

「ニコル王女殿下が…ブルーナ様のお世話をするようにと…。朝食の準備を…………」
「アレが…朝食?へぇ……お前は経歴が無駄に長いだけの随分と頭の悪い女官なのだな。2日も眠り続けた人間に、歯応えのありそうな物を別室に用意するとはな…本当に……素晴らしい心遣いだな?」
「それ……は………………」
「あの朝食は、今からお前が食べろ。隣の部屋で、全部残さず食べ切る迄、部屋から出る事は許さない。食べ終わったら、今後一切ブルーナに関わるな。」
「そんな……」
「口答えは許さない。これは………王太子としての命令だ。今すぐ、この寝室から出て行け!二度とこの部屋には入って来るな!」

「失礼致しました!」と、フライアは急いで寝室から出て行った。
お兄様は、そのフライアが部屋から出て行く後ろ姿を確認した後、ゆっくりと私の方へと振り向いた。

「ブルーナ、大丈夫か?」

そのお兄様の顔は、とても穏やかなもので、さっきまで怒っていた、ピリピリとした雰囲気はなくなっていた。

「大丈夫です…ありがとうございます。それで…私……2日も眠り続けていたんですね……」
「色々と話す事はあるけど、取り敢えず、何か食べられそうな物はある?」
「あ…私……昔ほど弱くないので…何でもいけそうです。」

以前の私は、少し硬めの物を食べたりするだけでも吐いたりする事があった。病気で寝込んだ時には、水以外の物は全く受け付けなかった。
そんな状態の私を気長に焦らず、ゆっくりと向き合って体を整えてくれたのが……日本での両親だった。
“たまごのおかゆ”を初めて食べた時は、こんなにも温かくて優しい食べ物があるのか─と、泣きながら食べたのを覚えている。そんな私を、母は私の背中を撫でながら、食べて寝てしまうまで、ずっと一緒に居てくれた。

「そうか…なら、取り敢えずはスープとフルーツでも用意させよう。」

お兄様はホッとしたように微笑んだ後、寝室にスープとフルーツを用意するよう女官に指示を出した。

「朝食はゆっくり食べるといい。私は…隣の部屋に用があるから、朝食が終わったら声を掛けてくれ。」と言うと、お兄様も寝室から出て行った。




「おいしい……」

あれから直ぐに用意されたスープは、ポトフみたいなスープだった。入っている野菜は柔らかくて食べやすかった。イーレンでもマトモな食事ができるとは…正直、思わなかった。

ー以前お兄様は、あんなにも強く出る性格ではなかったよねー

以前──15年も経てば、色々と変わってくる事もあるだろう。と言うか、お兄様もお姉様も15年経っても面影は残っているからすぐ誰だか分かったけど……私は大分変わったと思うのに、よくブルーナわたしだと分かったよね?

小南さん…あれから大丈夫だったかな?あれ?小南さん……地面が光ってた事に対しては、何も反応してなかった?それと……清水さんは…どうなった?私は魔力を持っていないけど、魔力や魔法についての勉強だけはさせられたから、あの魔法陣が、この国の描く魔法陣だったと言う事は確かだ。

が聖女とか───

「この国も……もう終わりじゃない?」

あ、そう言えば……シルヴィはどうなった?──って……

「───っ!?」

胸元に手を当てても、そこにある筈の物がなかった。

「うそ!何で!?」

ここに戻って来た時にはあったのに。

「どうしよう…………」

いつも身に着けていた、セオ君の瞳の色と同じ色の石の付いたネックレス。

そのネックレスが、なくなっていた。












******


「───ゔっ…………」
「どうした?私の事は気にせず、早くその朝食を平らげたらどうだ?」

“フライア=ヨルン”

ニコルを崇拝している、ニコルの専属侍女だ。昔の私は、このフライアを止める事もできなかった。

だけど、今は…あの時の私とは…違う。魔力に関して、王太子である私よりもニコルの方が圧倒的に強い。でも今は……私には殿の後ろ盾がある。“ズルい”“卑怯だ”と言われているのは分かっているが………それでも、これ以上ニコルの思い通りにさせる訳にはいかないのだ。

「どうか……お赦しを………」
「何の赦しだ?ソレは、お前が第二王女であるブルーナの為に作らせた朝食なんだろう?赦しを乞う必要は…あるのか?」
「──っ!!」
「早く食べて……ここから出て行け。ニコルにも、ブルーナには手を出すなと伝えろ。」

それからフライアは、吐きそうになるのを我慢するように朝食を食べた後、走るように部屋から出て行った。








❋“隣国のリュウ”……はい。リュウ、出て来ましたw❋

❋エールを頂き、ありがとうございます❋
✧♪•*¨*•.¸¸♫(。˃ ᵕ ˂ *)♫•*¨*•.¸¸♪✧


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