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51 お約束の…
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「お兄様、“ほどほどに”と言う言葉を知ってますよね!?」
「知っている。」
「お兄様、“溺愛”はお酒と同じで、その加減一つで毒にも薬にもなるの。」
「ヴィー、それ、とっても解り易い喩えだね。」
「お母様………」
俺─セオドア=カルザインが、妹のヴィーと母上から懇懇と言い聞かされているのは……“溺愛”についてだ。勿論、まだ、翠を溺愛してはいない。
『──仲が良いのは、良い事だね!私の日本の両親も仲が良くて、その…私も見てて恥ずかしいな…って思う事もあったけど、見てて嬉しくもなったし、私にもそんな未来があればなぁ─って、思ったりした事もあったから。』
『だって、この世界では政略結婚なんて当たり前の様にあって、私は無能とは言え王族だから、いつかは望まない結婚をさせられるのかな─って。だから、好きな人と結婚できるだけでも幸せだと思うし、愛されて結婚できるなら、更に嬉しい事…じゃない?』
なんて事を翠は言っていたから、これからは遠慮せず気持ちを伝えていって、しっかり分かってもらおう─とは思っている。そう思うと、今迄、父上の母上に対する溺愛ぶりが重過ぎる─としか思わなかったのが、何となく父上の気持ちが解るように……なってしまったのは否定しない。
ー好きだから仕方無いー
そう思うと、もう、どこからどう見ても、翠が可愛くしか見えない。女性にしては背も高く、スラッとした体型で、“ご令嬢”と言うよりは“女騎士”の様な雰囲気のある翠。特に、パルヴァンに来てからは健康的になり、表情も豊かになり、サバサバした感じで、同性からも好かれるタイプなのかもしれないが、俺の目には可愛いとしか見えない。
「兎に角、お兄様も、お母様がどれだけ大変だった──じゃなくて、今でもまだまだ大変なのは知ってるでしょう?愛情表現は大切な事だと思うけど、“ほどほどに”と言う事も大事だからね?色んな意味で、ブルーナ様を大切にしてね!」
ヴィーは、時折魔法陣を使ってパルヴァンにやって来ては、俺に懇懇と言い聞かせて来るのだ。
その横では、旦那であるシリウスが困ったように笑ってヴィーを見つめている。
幸せな事に、俺の周りは恋愛結婚をした人達ばかりだ。俺にもようやく現れた愛しいと思える存在だ。甘やかしてやりたい─と思っても仕方無いと思う。
翠を俺の膝の上に座らせて、腰に腕を回して逃げられないように閉じ込めると、顔を一気に赤らめる翠。本当に可愛い。きっと、父上もそんな母上を見るのが好きなんだろう。本当に───
ー父上の気持ちが解り過ぎるー
ただ、翠は母上とは違って、流されてくれない時もあるから、それはそれで対抗意識が湧き上がり、更に追い込んでしまったりもする。結婚前でこの調子だと結婚したらどうなるのか──
******
「スケスケ────」
自分は8割が日本人だと言う翠には、初夜に着ると言う一般的なナイトドレスはハードルが高いらしく、母上とミヤ様が特注で作ったナイトドレスを着ている。比較的、服の役割を果たしているスケスケらしい。
そう。パルヴァンに来てから1年。ようやく、今日、翠と結婚式を挙げたのだ。そして、初夜を迎えた。
未だに宴会をしているホールでは、お祖父様を筆頭にパルヴァンの騎士やイーレン王国の人達が騒いでいる中、先に抜け出した翠の後を追うように抜け出し、シャワーを浴びてから、翠が待っているだろう夫婦の寝室へとやって来た。
夫婦の寝室の大きいベッドの上で、自身の着ているナイトドレスを見ながら、何かブツブツと呟いている翠。スラッとした長身が故に、無駄に長い足が、ショート丈のナイトドレスから晒されていて──
ー色々とヤバいー
「翠……」
「はいっ!?」
名前を呼べば、俺が来ていた事に気付いていなかったのか、驚いたような反応をしながら返事をした。
「緊張…してる?」
「ゔっ……緊張しない……わけないよね?緊張しかないよね?本当に…スケスケだし……これ…誰得?」
「ん?確実に……俺得だな」
「な───っ!!??」
ボンッ─と、音がしたよな?と言う位、顔が真っ赤になった翠は、俺を煽っているようにしか見えないし、可愛くて愛しくて……もう我慢なんて一瞬たりともできなかった。
初めてだから優しく──なんて言う気持ちも途中からは、そんな余裕すら無くなって、翠が「待って!」とか言っていたような気もするけど……必死にしがみついて来る翠が可愛すぎて………何度も攻め立ててしまった。
スヤスヤと、俺の腕の中で安心しきって寝ている翠は……やっぱり可愛い。
ようやく、翠の全てが俺のものになった喜びと、もっと翠が欲しいと言う思いが湧き上がる。
「翠…これから…覚悟しておいてくれ……」
「………」
スヤスヤと眠っている翠に呟いて、おでこにキスをしてから、翠をギュッと抱きしめなおしてから、俺も寝る為に目を閉じた。
******
「“騎士の嫁のあるある”って……本当にあるんだね…」
「だな。」
「何で……そんなに笑顔なの?」
「ん?だって…翠が可愛いから?」
「ゔ───っ」
新婚初夜から3日目の朝、翠は俺の膝上に座った状態で朝食を取っている。俺に全力で寄り掛かっている。
体が自由に動かせない─とも言う。
グッタリしている翠を見て、申し訳無いやら嬉しいやら……きっと、嬉しいなんて言えば、怒られるだろうけど。
「今日は…どうする?辛かったら寝室に──」
「寝室には行かないから!余計につっ………辛くなるから!うん!そうだ!外に行きたい!庭で……ゆっくり紅茶とか飲みたい!外で!」
ギュッ─と俺の服を握り締めて、涙目で必死に訴えて来る翠は分かっていない。俺を煽ってるだけだと言う事に。勿論、翠の願いだから寝室には行かない。庭のガゼボに紅茶を用意してもらい、体が言うことを聞かない翠は、俺が抱き上げて移動すれば良い。
「それじゃあ、後で庭に行こうか。」
「ありがとう!セオ!」
嬉しそうに笑う翠。
ーガゼボでは2人でゆっくり……できれば良いな?ー
とは、口に出しては言わない。
兎に角、俺は今、とても幸せだ───
❋これにて、本編完結となります。最後迄読んでいただき、ありがとうございました❋
感謝Շ”ਭ ପ(꒪ˊ꒳ˋ꒪)ଓ。ෆ。
「知っている。」
「お兄様、“溺愛”はお酒と同じで、その加減一つで毒にも薬にもなるの。」
「ヴィー、それ、とっても解り易い喩えだね。」
「お母様………」
俺─セオドア=カルザインが、妹のヴィーと母上から懇懇と言い聞かされているのは……“溺愛”についてだ。勿論、まだ、翠を溺愛してはいない。
『──仲が良いのは、良い事だね!私の日本の両親も仲が良くて、その…私も見てて恥ずかしいな…って思う事もあったけど、見てて嬉しくもなったし、私にもそんな未来があればなぁ─って、思ったりした事もあったから。』
『だって、この世界では政略結婚なんて当たり前の様にあって、私は無能とは言え王族だから、いつかは望まない結婚をさせられるのかな─って。だから、好きな人と結婚できるだけでも幸せだと思うし、愛されて結婚できるなら、更に嬉しい事…じゃない?』
なんて事を翠は言っていたから、これからは遠慮せず気持ちを伝えていって、しっかり分かってもらおう─とは思っている。そう思うと、今迄、父上の母上に対する溺愛ぶりが重過ぎる─としか思わなかったのが、何となく父上の気持ちが解るように……なってしまったのは否定しない。
ー好きだから仕方無いー
そう思うと、もう、どこからどう見ても、翠が可愛くしか見えない。女性にしては背も高く、スラッとした体型で、“ご令嬢”と言うよりは“女騎士”の様な雰囲気のある翠。特に、パルヴァンに来てからは健康的になり、表情も豊かになり、サバサバした感じで、同性からも好かれるタイプなのかもしれないが、俺の目には可愛いとしか見えない。
「兎に角、お兄様も、お母様がどれだけ大変だった──じゃなくて、今でもまだまだ大変なのは知ってるでしょう?愛情表現は大切な事だと思うけど、“ほどほどに”と言う事も大事だからね?色んな意味で、ブルーナ様を大切にしてね!」
ヴィーは、時折魔法陣を使ってパルヴァンにやって来ては、俺に懇懇と言い聞かせて来るのだ。
その横では、旦那であるシリウスが困ったように笑ってヴィーを見つめている。
幸せな事に、俺の周りは恋愛結婚をした人達ばかりだ。俺にもようやく現れた愛しいと思える存在だ。甘やかしてやりたい─と思っても仕方無いと思う。
翠を俺の膝の上に座らせて、腰に腕を回して逃げられないように閉じ込めると、顔を一気に赤らめる翠。本当に可愛い。きっと、父上もそんな母上を見るのが好きなんだろう。本当に───
ー父上の気持ちが解り過ぎるー
ただ、翠は母上とは違って、流されてくれない時もあるから、それはそれで対抗意識が湧き上がり、更に追い込んでしまったりもする。結婚前でこの調子だと結婚したらどうなるのか──
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「スケスケ────」
自分は8割が日本人だと言う翠には、初夜に着ると言う一般的なナイトドレスはハードルが高いらしく、母上とミヤ様が特注で作ったナイトドレスを着ている。比較的、服の役割を果たしているスケスケらしい。
そう。パルヴァンに来てから1年。ようやく、今日、翠と結婚式を挙げたのだ。そして、初夜を迎えた。
未だに宴会をしているホールでは、お祖父様を筆頭にパルヴァンの騎士やイーレン王国の人達が騒いでいる中、先に抜け出した翠の後を追うように抜け出し、シャワーを浴びてから、翠が待っているだろう夫婦の寝室へとやって来た。
夫婦の寝室の大きいベッドの上で、自身の着ているナイトドレスを見ながら、何かブツブツと呟いている翠。スラッとした長身が故に、無駄に長い足が、ショート丈のナイトドレスから晒されていて──
ー色々とヤバいー
「翠……」
「はいっ!?」
名前を呼べば、俺が来ていた事に気付いていなかったのか、驚いたような反応をしながら返事をした。
「緊張…してる?」
「ゔっ……緊張しない……わけないよね?緊張しかないよね?本当に…スケスケだし……これ…誰得?」
「ん?確実に……俺得だな」
「な───っ!!??」
ボンッ─と、音がしたよな?と言う位、顔が真っ赤になった翠は、俺を煽っているようにしか見えないし、可愛くて愛しくて……もう我慢なんて一瞬たりともできなかった。
初めてだから優しく──なんて言う気持ちも途中からは、そんな余裕すら無くなって、翠が「待って!」とか言っていたような気もするけど……必死にしがみついて来る翠が可愛すぎて………何度も攻め立ててしまった。
スヤスヤと、俺の腕の中で安心しきって寝ている翠は……やっぱり可愛い。
ようやく、翠の全てが俺のものになった喜びと、もっと翠が欲しいと言う思いが湧き上がる。
「翠…これから…覚悟しておいてくれ……」
「………」
スヤスヤと眠っている翠に呟いて、おでこにキスをしてから、翠をギュッと抱きしめなおしてから、俺も寝る為に目を閉じた。
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「“騎士の嫁のあるある”って……本当にあるんだね…」
「だな。」
「何で……そんなに笑顔なの?」
「ん?だって…翠が可愛いから?」
「ゔ───っ」
新婚初夜から3日目の朝、翠は俺の膝上に座った状態で朝食を取っている。俺に全力で寄り掛かっている。
体が自由に動かせない─とも言う。
グッタリしている翠を見て、申し訳無いやら嬉しいやら……きっと、嬉しいなんて言えば、怒られるだろうけど。
「今日は…どうする?辛かったら寝室に──」
「寝室には行かないから!余計につっ………辛くなるから!うん!そうだ!外に行きたい!庭で……ゆっくり紅茶とか飲みたい!外で!」
ギュッ─と俺の服を握り締めて、涙目で必死に訴えて来る翠は分かっていない。俺を煽ってるだけだと言う事に。勿論、翠の願いだから寝室には行かない。庭のガゼボに紅茶を用意してもらい、体が言うことを聞かない翠は、俺が抱き上げて移動すれば良い。
「それじゃあ、後で庭に行こうか。」
「ありがとう!セオ!」
嬉しそうに笑う翠。
ーガゼボでは2人でゆっくり……できれば良いな?ー
とは、口に出しては言わない。
兎に角、俺は今、とても幸せだ───
❋これにて、本編完結となります。最後迄読んでいただき、ありがとうございました❋
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