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未伝心twin 編茶乃
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終業式の日。今日は先生方も忙しくなるために、全ての活動が休みになる。音楽に精通している学校のために、1日練習が休みとなると困る生徒も多いもので。近所の遮音室のある施設は全て埋まっている。私は音楽家の家系であるため、家に帰ればそういった施設が準備されている。いつもは交代に行なっている練習も、この日は蓮乃と一緒に行っていた。
私は蓮乃との演奏が好きだ。互いを理解しているからこそ奏でられる音がある。その音が私は何よりも好きで、親の演奏よりも、有名なお偉いの演奏よりも好きだ。誰が何と言おうと私の最高の音が出せるのはこの瞬間のみである。だから毎年、この日が楽しみで仕方なかった。お母様に追い詰められても、私を探しに来てくれたのは蓮乃だった。精神的に限界の私を助けてくれるのは、いつも蓮乃だった。
だから、そんな蓮乃が、私との練習より優先することがあるなんて思ってなかった。
「…蓮乃?」
「おぅ」
「どこ行くの?」
「ちょっと用事があって。今日は練習部屋1人で使って良いぞ」
「えっ」
「じゃあな」
「待っ…」
蓮乃は笑顔を浮かべて、さっさと行ってしまった。私は衝撃に押し流されて、「待って」の一言も言い切れなかった。言ったところで、呼び止める言葉なんて何一つ思い浮かばなかったのだけど。
静かな絶望が私を支配する。蓮乃に頼り切った私の精神は、脆く儚く崩れていく。知らない蓮乃が、怖かった。音楽よりも大事な私の弟。
気付いたら、私の足は蓮乃の後を追っていた。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
追いかけた先で辿り着いたのは、かつて私が逃げ込んだ霜月神社。そこで蓮乃は、夕音ちゃんに呼び止められていた。そのまま2人で神社の中に入り、ベンチに腰掛けて話をしているのが見えた。もしかして、2人は恋人関係にあるのだろうか。だから私には秘密で会いに来たのだろうか。しかもクリスマス直前である。私と共に音楽一筋だと思っていたのに、いつの間に接近したのだろうか。
少し切ない気分になっていると、「あれ?編茶乃?」と声を掛けられた。振り返ると、蓮乃がきょとんとした顔を浮かべている。そういえば見つかった時の言い訳を考えていなかった。慌てて何かを言おうと口を開くが、何も出てこない。そんな私の状態に気付いたのか、蓮乃が呆れ顔でにやりと笑う。
「まぁ用事も終わったし、帰るか」
「えっ?いいの?あ、そっか。明日も会うの?」
「は?明日?何で」
「え、だって…付き合ってるんじゃ…」
「そんなわけないだろ!?」
「そ、そっか」
何となくホッとした気分になる。私は蓮乃の隣に並んで、帰路を歩み始めた。
「全く…ほら、早く行くぞ。何弾くか考えておけよ」
「! うん!」
なんだかんだ言って、私の演奏に付き合ってくれるらしい。やはり今日は、楽しみにしてた通りの良い日になりそうだ。
私は蓮乃との演奏が好きだ。互いを理解しているからこそ奏でられる音がある。その音が私は何よりも好きで、親の演奏よりも、有名なお偉いの演奏よりも好きだ。誰が何と言おうと私の最高の音が出せるのはこの瞬間のみである。だから毎年、この日が楽しみで仕方なかった。お母様に追い詰められても、私を探しに来てくれたのは蓮乃だった。精神的に限界の私を助けてくれるのは、いつも蓮乃だった。
だから、そんな蓮乃が、私との練習より優先することがあるなんて思ってなかった。
「…蓮乃?」
「おぅ」
「どこ行くの?」
「ちょっと用事があって。今日は練習部屋1人で使って良いぞ」
「えっ」
「じゃあな」
「待っ…」
蓮乃は笑顔を浮かべて、さっさと行ってしまった。私は衝撃に押し流されて、「待って」の一言も言い切れなかった。言ったところで、呼び止める言葉なんて何一つ思い浮かばなかったのだけど。
静かな絶望が私を支配する。蓮乃に頼り切った私の精神は、脆く儚く崩れていく。知らない蓮乃が、怖かった。音楽よりも大事な私の弟。
気付いたら、私の足は蓮乃の後を追っていた。
~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~
追いかけた先で辿り着いたのは、かつて私が逃げ込んだ霜月神社。そこで蓮乃は、夕音ちゃんに呼び止められていた。そのまま2人で神社の中に入り、ベンチに腰掛けて話をしているのが見えた。もしかして、2人は恋人関係にあるのだろうか。だから私には秘密で会いに来たのだろうか。しかもクリスマス直前である。私と共に音楽一筋だと思っていたのに、いつの間に接近したのだろうか。
少し切ない気分になっていると、「あれ?編茶乃?」と声を掛けられた。振り返ると、蓮乃がきょとんとした顔を浮かべている。そういえば見つかった時の言い訳を考えていなかった。慌てて何かを言おうと口を開くが、何も出てこない。そんな私の状態に気付いたのか、蓮乃が呆れ顔でにやりと笑う。
「まぁ用事も終わったし、帰るか」
「えっ?いいの?あ、そっか。明日も会うの?」
「は?明日?何で」
「え、だって…付き合ってるんじゃ…」
「そんなわけないだろ!?」
「そ、そっか」
何となくホッとした気分になる。私は蓮乃の隣に並んで、帰路を歩み始めた。
「全く…ほら、早く行くぞ。何弾くか考えておけよ」
「! うん!」
なんだかんだ言って、私の演奏に付き合ってくれるらしい。やはり今日は、楽しみにしてた通りの良い日になりそうだ。
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