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悔しい……。
自分の努力だけでなく、婚約者まで奪われて。
いつかバチが当たればいいとさえ思った。
二人の結婚式は、本当にすぐに開かれた。
私が結婚式のときに着たいと話していた有名職人の作るドレスを着て、勝ち誇った笑みを浮かべる姉を、私はどこか冷めた目で見つめていた。
両親は最初こそ驚いたが、家同士を繋ぐための結婚ということもあり、両親としてはエリックが私を選ぼうがキャシーを選ぼうがどちらでも良かったようだ。
そこがまた腹立たしい。
二人が幸せそうに笑う姿を、私は歯を食いしばって見守った。
「おめでとう。幸せになってね」
だなんて、心にもない言葉を贈って。
はぁーあ。くだらない。
二人が結婚パーティーのあと、私はつまらない気持ちで式場の外を歩いていた。
そのとき、どこからともなく男性のヒソヒソと話す声が聞こえてくる。
私の元婚約者であり、姉のキャシーのお相手のエリックだ。どうやら彼の兄と話しているようだ。けれど、どうも怪しげな様子だ。
そう感じた私は、思わず息を潜めて二人の様子をうかがった。
「エリック、結婚おめでとう」
「ありがとう。上手くいった。いや、性格は妹のカレンの方がマシだったが、姉のキャシーは公爵家の長女だ。いずれ公爵家の莫大な資産を相続することを考えたら、キャシーに乗り換えて正解だな」
「お前のその性格には関心するよ。金に目がないとはいえ、よくやるよな」
思わず息を呑んだ。
つまりエリックがキャシーを選んだのは、エリックがキャシーを愛してしまったからではない。
彼は、跡継ぎであるキャシーの相続する、公爵家の資産が目的だったのだ。
つまり、彼が愛しているのは、キャシーではなく、跡継ぎであるキャシーの相続資産ということだ。
今までのキャシーへの不満を思えば、そんな残念な人間と結婚してしまったことにざまぁと思う気持ちがなくはない。
けれど、わざとに私から婚約者を奪ったキャシーだけでなく、あからさまに金目当てのエリックに嫌悪感が増した。
「ま、キャシーは美人だし、いずれ親を消して、妹を追い出せたら万々歳だよな。焦らず慎重に頑張るよ。ハハハハハ!」
何より、そんな決定的な言葉を耳にして、に冷や汗をかいた。
何がなんでもエリックの思惑通りにならないようにしなければ……!
キャシーやエリックに良い思いをさせてたまるか!
私の中に強くメラメラと強い闘志がわき上がった。
自分の努力だけでなく、婚約者まで奪われて。
いつかバチが当たればいいとさえ思った。
二人の結婚式は、本当にすぐに開かれた。
私が結婚式のときに着たいと話していた有名職人の作るドレスを着て、勝ち誇った笑みを浮かべる姉を、私はどこか冷めた目で見つめていた。
両親は最初こそ驚いたが、家同士を繋ぐための結婚ということもあり、両親としてはエリックが私を選ぼうがキャシーを選ぼうがどちらでも良かったようだ。
そこがまた腹立たしい。
二人が幸せそうに笑う姿を、私は歯を食いしばって見守った。
「おめでとう。幸せになってね」
だなんて、心にもない言葉を贈って。
はぁーあ。くだらない。
二人が結婚パーティーのあと、私はつまらない気持ちで式場の外を歩いていた。
そのとき、どこからともなく男性のヒソヒソと話す声が聞こえてくる。
私の元婚約者であり、姉のキャシーのお相手のエリックだ。どうやら彼の兄と話しているようだ。けれど、どうも怪しげな様子だ。
そう感じた私は、思わず息を潜めて二人の様子をうかがった。
「エリック、結婚おめでとう」
「ありがとう。上手くいった。いや、性格は妹のカレンの方がマシだったが、姉のキャシーは公爵家の長女だ。いずれ公爵家の莫大な資産を相続することを考えたら、キャシーに乗り換えて正解だな」
「お前のその性格には関心するよ。金に目がないとはいえ、よくやるよな」
思わず息を呑んだ。
つまりエリックがキャシーを選んだのは、エリックがキャシーを愛してしまったからではない。
彼は、跡継ぎであるキャシーの相続する、公爵家の資産が目的だったのだ。
つまり、彼が愛しているのは、キャシーではなく、跡継ぎであるキャシーの相続資産ということだ。
今までのキャシーへの不満を思えば、そんな残念な人間と結婚してしまったことにざまぁと思う気持ちがなくはない。
けれど、わざとに私から婚約者を奪ったキャシーだけでなく、あからさまに金目当てのエリックに嫌悪感が増した。
「ま、キャシーは美人だし、いずれ親を消して、妹を追い出せたら万々歳だよな。焦らず慎重に頑張るよ。ハハハハハ!」
何より、そんな決定的な言葉を耳にして、に冷や汗をかいた。
何がなんでもエリックの思惑通りにならないようにしなければ……!
キャシーやエリックに良い思いをさせてたまるか!
私の中に強くメラメラと強い闘志がわき上がった。
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