むかしむかしあるところに

あやの しのぶ

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宝箱にはいっていたのは?(一つだけ読めば次に進めます)

寝坊した小人

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 宝箱にいたのはパンをくわえた小人でした。
「遅刻するー‼︎」
 宝箱が空いたと同時に、小人はぴょーんと出ていき、大急ぎで出かけました。

「やばい、やばい、やばい‼︎ パーティーに遅刻する‼︎」
 小人は宝箱の中で寝てたら、友だちの魔神の誕生パーティーの日でした。
「一年も寝てたなんて、そんなことある?」

 小人は水をためて呪文を唱えます。
「ちちんぷいぷい、魔神のところへ飛んでいけ」
 小人はちゃぷんと水に入ります。

 ちゃぽん
 小人は、魔神のいる洞穴近くの泉に瞬間移動しました。
「ぷはっ。あっ、魔神のプレゼントを準備してねえ‼︎」
 小人の頭を抱え、顔は真っ青です。

「今から用意するか」
 ポンッ
 小人はどこからともなくつるはしを取り出して、泉からでて洞穴の壁を削ります。
 カンカンカン カンカンカン
 コロコロロ
 たくさんのカラフルな石が壁から取れました。

「よーし! せっかくだからとっておきのプレゼントを作るぞ!」
 小人は元気よく言います。

 コンコンコン くるるんるん
「これをこうしてっと」
 小人は小さな手で大きな大きな石をまとめました。
 そこへ、誰かがやってきました。

「やあ小人くん」
 話しかけてきたのは剣と盾をもつおばけでした。
「んあ?勇者じゃん。相変わらずその姿か」
 なんとおばけは勇者でした。
「この姿も慣れてきたよ。ところで小人くん何してるの?」
「起きたら今日だったから、魔神へのプレゼント作りしてた」
 小人は勇者に聞かれたので、気まずそうに答えました。
 すると、勇者は笑いました。
「アッハッハッハ! きみも相変わらずだね。僕が生きてたらこの笑い声だけできみを吹き飛ばすところだったよ」
「へぇへぇ、オイラは昔みたいにオマエに吹き飛ばされないからラッキーだ」
 勇者と小人はとても仲良くお話をしました。

 トンカントン トンカントン
「やっとできた!」
 小人は大きな大きな首飾りを作りました。

 小人と勇者は洞穴の中へ進みます。
 洞穴の一番奥には古びた瓶がありました。
「そろそろ魔神くんの家も変えてやりたいな」
「じゃあ早く自分にかかっている呪いを解けよ」
「魔神くんにはもう少しこの瓶で過ごしてもらおう!」
 勇者は元気に答えてから瓶をこすりました。
 もくもくもくもく
 煙と一緒に出てきた魔神は言いました。
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