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幼少時代。
お見合いと騒動の開始。
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ミシェ姉さんのお見合いの日になった。お姉さんはエスナが起こす前に起きて柔軟体操をしている。僕はそれに付き合わされる。いつもよりかなり早い時間なのかとても眠い。あくびを噛み殺していたらしっかりしなさい、と怒られる…なんか理不尽だ。
ミシェ姉さんの見合いの為に髪のセットと化粧をする人が来た。前世でいうヘアメイクアーティストだろうか。妖艶な魅力を醸し出すピンクの髪の美人でなんか近寄りがたい感じだ。修行を終えて部屋に戻るとミシェ姉さんが化粧していて、それを見てたら捕まった。
「あら。可愛いわね僕。ちょっとお姉さんにお化粧させて」
いやー!と叫びながら逃げ回る僕はあっという間に捕まって化粧されてしまう。
「リョウ、どうしたの!?うふふふ」
「大丈夫?リョ…ぷふっ。あははは」
声を聞いて慌ててやってきたお母さんとエメイラは僕の顔を見て爆笑している。そしてしばらくそのままでいさせられた。
やっと顔を洗う事ができた僕はお父さん、お兄さん達の方へ逃亡する。ああいう女の人には近寄ってはいけないとしみじみ思った。
そうこうしているうちにミシェ姉さんの戦闘準備はオッケーになった。我が姉ながら綺麗だ。元が良いからなあ…化粧しても映える顔だ。
お父さん、お母さんと一緒に馬車に乗り込んだミシェ姉さんは、見送りにきた僕とお兄さんに向けて親指を立ててみせた。僕達もミシェ姉さんに向かって親指を立てる。馬車は走り出す。今日はミザーリとエメイラが何故かガードとして一緒に行く。お見合い上手く行くと良いなあ、と心からそう思い馬車が見えなくなるまで見送った。
いつものようにお店の人達に挨拶をして店先に出る。僕はいつものように元気に呼び込みをする。今日もお客様が多い。そろそろ終わろうかと思っていたところ、近くに住む老婦人に声をかけられる。
「リョウちゃん、大変だよ」
「どうしたの、おばあちゃん」
「あのね、あなた達の事嗅ぎ回っている人がいるのよ。気をつけてね」
「どんな人?」
「商人風の男よ。でも商人ではないわね。雰囲気がないもの」
「そうなの?気を、つける」
「そうした方が良いわ。あなた小さいのに頑張り屋だからおばあちゃんは応援してるわね」
「ありがと」
そんな風に話を聞いた。僕はとりあえず仕事を終えてドルトの所へ行く。
「ドルトー!いい?」
「なんでしょう坊っちゃま」
「近所の、おばあちゃん、嗅ぎ回って、いる人、いるって」
「どんな男か聞きましたか?」
「商人、男、でも商人、違う」
「そうですか。私の所にもその情報が入っております。気をつけます。坊っちゃま、ありがとうございます」
気になったがあとはドルトがやってくれるだろう。僕はお店から家に戻った。
何時間か経った頃、裏門の外からカダスの声がする。怒っているようだ。
ちょうど戻ってきたストラ兄さんと一緒にカダスのところへ行く。カダスはかなり怒っていた。
「どうしたの?」
「ああ、坊ちゃん達。なんかうちの商会の関係者と名乗るやつが来て、俺に根掘り葉掘り質問してくるから怒ってやったんだ。俺がペラペラ喋る人間と思われたのかと思ったら向っ腹が立ってな」
「カダス、商人、男?」
「そうだ。でも商人かと言われると、うーん。わからないなあ」
「ストラ兄さん、朝、僕、同じ話、近所、おばあちゃん、聞いた」
「そうなのか?俺たちの新しい商売を嗅ぎつけたのかもしれん。リョウ、誰かに聞かれてもペラペラ喋るなよ」
「うん!」
「俺は店の商会員達に伝えてくるから家に入っておけ」
「わかった」
しばらくしてロイック兄さんも帰ってきた。ストラ兄さんと僕と情報を話しあう。
「なるほどな。僕のところにも怪しい男が来た。もしかしたらそいつが嗅ぎ回っているやつかもしれない」
「どうする兄さん?」
「多分新しい商売をどこかで嗅ぎつけたんだろう。父さんが帰ってきてから対策を話し合おう」
「わかった」
「リョウは今日は家から出ないようにな。エメイラもミザーリも出てるから何かあったら大変だ」
「わかった!」
家を出ないと決まった僕は書写を始める。今書写は三冊目だ。だんだん文字が上手くなっている。良いね!
エスナが今日は僕の担当みたいだ。ひたすら今日のミシェ姉さんの綺麗さと美容のお姉さんの魅力について話しかけてくる。少々うっとおしいが結婚に夢みるお年頃なんだろう。
お店の方が騒がしくなる。どうやらお父さん、お母さん、ミシェ姉さんが帰ってきたようだ。先にエメイラが上がってきておかえりを言う。エメイラから今日のお見合いの様子を聞く。うまくいきそうだわ、と言っていた。
ミシェ姉さんが部屋の方に戻ってきた。いきなり抱き上げられて、抱きしめられてぐるぐると回る。
「んふー。いきなり、何?」
「うふふふ。あははは。うふふふ」
「あー。ダメ?」
「違うわよ。うふふふ」
「結婚した?」
「うふふふ。まだよ。うふふふ」
「離してー。辛いー」
「あら。ごめんあそばせ」
ミシェ姉さんは部屋を出て行った。なんだったんだ、全く。とりあえずお母さんに言いつけよう。
「お母さん、ミシェ姉さん、変」
「うふふふ。そうね。私も変なの」
「どうしたの?」
「うふふふ。聞いてね。お姉ちゃん、婚約したの。うふふふ」
「そうか。良かったねー」
「玉の輿よ、玉の輿。母親としてこれほど幸せなときはないわー。うふふふ」
お母さんもずっとうふふふと笑っている。
(お母さんも放っておこう)
食卓に行くと男三人が固まっていた。今日の件を話していた。
ミシェ姉さんの見合いの為に髪のセットと化粧をする人が来た。前世でいうヘアメイクアーティストだろうか。妖艶な魅力を醸し出すピンクの髪の美人でなんか近寄りがたい感じだ。修行を終えて部屋に戻るとミシェ姉さんが化粧していて、それを見てたら捕まった。
「あら。可愛いわね僕。ちょっとお姉さんにお化粧させて」
いやー!と叫びながら逃げ回る僕はあっという間に捕まって化粧されてしまう。
「リョウ、どうしたの!?うふふふ」
「大丈夫?リョ…ぷふっ。あははは」
声を聞いて慌ててやってきたお母さんとエメイラは僕の顔を見て爆笑している。そしてしばらくそのままでいさせられた。
やっと顔を洗う事ができた僕はお父さん、お兄さん達の方へ逃亡する。ああいう女の人には近寄ってはいけないとしみじみ思った。
そうこうしているうちにミシェ姉さんの戦闘準備はオッケーになった。我が姉ながら綺麗だ。元が良いからなあ…化粧しても映える顔だ。
お父さん、お母さんと一緒に馬車に乗り込んだミシェ姉さんは、見送りにきた僕とお兄さんに向けて親指を立ててみせた。僕達もミシェ姉さんに向かって親指を立てる。馬車は走り出す。今日はミザーリとエメイラが何故かガードとして一緒に行く。お見合い上手く行くと良いなあ、と心からそう思い馬車が見えなくなるまで見送った。
いつものようにお店の人達に挨拶をして店先に出る。僕はいつものように元気に呼び込みをする。今日もお客様が多い。そろそろ終わろうかと思っていたところ、近くに住む老婦人に声をかけられる。
「リョウちゃん、大変だよ」
「どうしたの、おばあちゃん」
「あのね、あなた達の事嗅ぎ回っている人がいるのよ。気をつけてね」
「どんな人?」
「商人風の男よ。でも商人ではないわね。雰囲気がないもの」
「そうなの?気を、つける」
「そうした方が良いわ。あなた小さいのに頑張り屋だからおばあちゃんは応援してるわね」
「ありがと」
そんな風に話を聞いた。僕はとりあえず仕事を終えてドルトの所へ行く。
「ドルトー!いい?」
「なんでしょう坊っちゃま」
「近所の、おばあちゃん、嗅ぎ回って、いる人、いるって」
「どんな男か聞きましたか?」
「商人、男、でも商人、違う」
「そうですか。私の所にもその情報が入っております。気をつけます。坊っちゃま、ありがとうございます」
気になったがあとはドルトがやってくれるだろう。僕はお店から家に戻った。
何時間か経った頃、裏門の外からカダスの声がする。怒っているようだ。
ちょうど戻ってきたストラ兄さんと一緒にカダスのところへ行く。カダスはかなり怒っていた。
「どうしたの?」
「ああ、坊ちゃん達。なんかうちの商会の関係者と名乗るやつが来て、俺に根掘り葉掘り質問してくるから怒ってやったんだ。俺がペラペラ喋る人間と思われたのかと思ったら向っ腹が立ってな」
「カダス、商人、男?」
「そうだ。でも商人かと言われると、うーん。わからないなあ」
「ストラ兄さん、朝、僕、同じ話、近所、おばあちゃん、聞いた」
「そうなのか?俺たちの新しい商売を嗅ぎつけたのかもしれん。リョウ、誰かに聞かれてもペラペラ喋るなよ」
「うん!」
「俺は店の商会員達に伝えてくるから家に入っておけ」
「わかった」
しばらくしてロイック兄さんも帰ってきた。ストラ兄さんと僕と情報を話しあう。
「なるほどな。僕のところにも怪しい男が来た。もしかしたらそいつが嗅ぎ回っているやつかもしれない」
「どうする兄さん?」
「多分新しい商売をどこかで嗅ぎつけたんだろう。父さんが帰ってきてから対策を話し合おう」
「わかった」
「リョウは今日は家から出ないようにな。エメイラもミザーリも出てるから何かあったら大変だ」
「わかった!」
家を出ないと決まった僕は書写を始める。今書写は三冊目だ。だんだん文字が上手くなっている。良いね!
エスナが今日は僕の担当みたいだ。ひたすら今日のミシェ姉さんの綺麗さと美容のお姉さんの魅力について話しかけてくる。少々うっとおしいが結婚に夢みるお年頃なんだろう。
お店の方が騒がしくなる。どうやらお父さん、お母さん、ミシェ姉さんが帰ってきたようだ。先にエメイラが上がってきておかえりを言う。エメイラから今日のお見合いの様子を聞く。うまくいきそうだわ、と言っていた。
ミシェ姉さんが部屋の方に戻ってきた。いきなり抱き上げられて、抱きしめられてぐるぐると回る。
「んふー。いきなり、何?」
「うふふふ。あははは。うふふふ」
「あー。ダメ?」
「違うわよ。うふふふ」
「結婚した?」
「うふふふ。まだよ。うふふふ」
「離してー。辛いー」
「あら。ごめんあそばせ」
ミシェ姉さんは部屋を出て行った。なんだったんだ、全く。とりあえずお母さんに言いつけよう。
「お母さん、ミシェ姉さん、変」
「うふふふ。そうね。私も変なの」
「どうしたの?」
「うふふふ。聞いてね。お姉ちゃん、婚約したの。うふふふ」
「そうか。良かったねー」
「玉の輿よ、玉の輿。母親としてこれほど幸せなときはないわー。うふふふ」
お母さんもずっとうふふふと笑っている。
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