僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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神の修行。

初めての恋人。

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「そうだ半神デミゴッドだ。君は神力の治療を2回も受けているから身体に神の力がかなり残ってしまっていて半神デミゴッドになっている。地上に戻る為には一旦神力を除き人間に戻らないといけない。そして神力を自然に抜かないと身体に影響がでるから時間がかかる。それに聖痕スティグマの問題もある。あれを消すのも時間が要るのだ」
「どれくらいですか?」
「神力抜きと痕消しで地上だと約三年だな」
「俺、三年も寝たきりになるのか。みんな心配するだろうな」
「ならないですわ」
「君らが神界と呼ぶこの世界の時間は非常にゆっくりと流れるのだ。出なければ並行世界の処理はできないからな。さらに修練の場という時間がもっとゆっくり流れる場所にとどまってもらうから合計3秒半くらいの時間が地上で流れるだけだ」
「それならいいか」
「うむ。早速修練の場に移動しよう」

 創造神様が指を鳴らすと場面が切り替わる。いる所は道場のようだ。

「おお。ここは道場?」
「修行好きの下級神がいるの。彼が道場にしているだけよ」
「ここは自由に風景を設定できるのだ」
「なるほど」
「ここでのんびり暮らせば良い。三年はあっという間に過ぎよう」
「わかりました」
「とりあえず鈴本君のままではいけないから、リョウエストの精神を主にしておく。君は今からリョウエストだ」
「はい」
「さて、リーリシアと募る話もあるだろう。私は3年後にここに戻ってくるとしよう。あ、忘れておった。ここで管理神として働く場合の条件じゃ。地球の単位で換算すると週三休、八時間労働で残業なし。年2回長期休暇があり、有休35日だ。ただし、有事の際は休みが取れない場合もあるから注意して欲しい」
「めっちゃホワイトだ」
「それではな」

 創造神が消えた。

「行っちゃったなぁ」
「行っちゃいましたね」
「それでどうしたらいい?」
「えーと。えーと」

 リーリシアさんは俯いている。僕の為に色々考えてくれている。僕は愛おしいと思った。さっきは創造神様の勢いで思わず返事してしまったけど、ちゃんと口に出して伝えよう。

「リーリシアさん、僕は君が好きだ」
「あっ……私も好きです」
「えーと、これからよろしくお願いします」
「はい!」

 リーリシアさんが僕の腕の中に飛び込んでくる。しばらくリーリシアさんの感触を確かめる。目が合い、顔が近づく。それは触れるほど近づいて…僕達はキスをした。
 何度も何度も口づけを交わす。そしてまた抱き合い、キスをする。僕はほとんど女性経験がない……がっつきすぎかな?

「リーリシアさん」
「リーリシアと呼んで」
「わかった。僕もリョウで良い」
「リョウ……」
「リーリシア……」

 僕達はまた見つめ合い…キスをした。それは次第に激しいものとなり僕達は夢中でキスを繰り返した。このままではどうにかなってしまいそうになり、理性で押し留めて顔を離した。粗い息をしていた。

「リーリシア、僕はあまり女性経験がない。僕はがっつきすぎかい?」
「ふふ。私もその…経験がなくて」
「僕は自分を制御できなさそうだ」
「私も」

 リーリシアが手を振ると道場が寝室に変わる。ふふふっとお互い笑い合い、そしてまた顔を近づけるとキスをする。キスはまた激しくなり、どちらからともなく横になり、愛撫しあい……。



 
 その日僕たちは恋人になった。




 衣ずれの音がする。リーリシアが寝返りを打った音だ。抱き寄せると確かな体温を感じる。ああ、男になったのだなと思い僕は嬉しくなった。
 リーリシアが愛おしくてたまらない。昨日は何度も身体を交わし合った。リーリシアが寝ぼけて抱きついてくる。お胸が僕の胸に当たる。

 僕、これ触っていたんだよな。改めて見ると…興奮していたから触れたんだろう。朝から触る勇気はないぞ。リーリシアのおっぱい美しいもの。
 しばらくなすがままになる。そうしているとリーリシアの瞼が動く。少しずつ目が開いてくる。僕は寝たふりをする。リーリシアは起きたのであろう。僕の頬にキスをする感触があり、その後僕の口が塞がれた。目を開けるとリーリシアと目が合う。リーリシアは慌てて顔を離した。

「おはよう」

 リーリシアは慌てて

「お、おはよう」

 と言った。うん。可愛い。

「コーヒー飲む?」

 お、コーヒーあるのか。うちの商会には無かったからなあ。

「飲む飲む!」
「うふふ。ちょっと待ってね」
 
 リーリシアは手を軽く振った。コーヒーが出てくる。一口飲む。うん、うまい。

「うまいな」
「そうでしょ。これ地球で私が一番美味しいと思ったコーヒーだもの」
「え?この世界コーヒーはないの?」
「コーヒーの木は創造したけど誰もコーヒーを作ろうと考えなくてね」
「そうなのか」
「この修練の場では自分の思った料理が出てくるの。あなたでもできるように設定してあるからやってみて」
「わかった」

 僕は大好きなザッハトルテをイメージして手を振った。皿に乗ったザッハトルテが出てきた。フォーク付きだ。

「うわぁ。初めて見たわこのケーキ」
「うん。ザッハトルテって言うんだ」

 リーリシアはフォークで一口掬うと口に入れた。僕もフォークで刺して口に。おぉ。美味いな。

「美味しいわ。こんな素敵なケーキ、今まで食べた事はないわ」
「良かった。これ、僕の大好物なのね」
「このケーキ、供物ででないかしら」
「ないの?」
「チョコレート、誰も作ってくれないの」
「あちゃー。なんとかこの星…何だっけ?」
「ユーリシアよ。まだ言ってなかったわね」
「うん。ユーリシアで探してみるよ」
「お願いね」
「さて、今日はリーリシアは仕事は?」
「ええ。もう少しで始まるわ」
「がんばってきて。僕は…何しようかな。そうだ!いつものように修行しよう」
「うふふ。がんばってね」

 リーリシアとキスをして別れる。なんか専業主夫の気持ちになった。
 

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