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謁見の朝。
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謁見の朝が来た。昨日の夜兄弟で色々話し合って決めたことがいくつかある。朝お父さんにお兄さん達が伝えてくれるとの事だ。
僕とデボンさんは近衛騎士団と侍従さんが来るのを待っている。そこにレウフォ叔父さんが現れた。
「レウフォ叔父さん!」
「ああ。先触れだ。まもなくお迎えが到着します。ご準備の上お待ちください」
「はい!」
「ありがとうございます」
5分もしないうちにお迎えが到着した。レウフォ叔父さんは馬に乗る。侍従が馬車から出てきて恭しく礼をする。
「リョウエスト・スサン様、デボン・トレーゼ様お迎えに上がりました。馬車にお乗り下さい」
「はい!」
「ありがとうございます」
馬車に乗せられて伯爵のタウンハウスを出る。大通りに出てしばらくすると城が見える。あれがコリント城か。石造りで堅牢な建物。何本もの青い尖塔がたっていて美しい。しばし放心した。
「リョウエスト様、リョウエスト様は兵士を一人倒したと聞いてますが本当ですか」
「あー。はい」
「やはり話は真実であったのですね。私、あなたのファンでお会いしたかったです。今回の大役頂けて本当に良かったです」
「ありがとう、ございます?」
どうやら侍従さんはガチファンらしく城までずっと質問責めにあった。まあ緊張感は解けたな。城門は誰何されることもなく通り抜け、城の入り口はスルー。横にある通用門に馬車は到着した。近衛騎士団の皆さんとはここでお別れだ。
「リョウ、頑張れよ」
「レウフォ叔父さんありがとう」
レウフォ叔父さんは親指を立てて去って行った。かっこいい。
侍従さんと城の中に入る。何本かの角をまがりドアを開けると厨房となっていた。かなりの広さだ。一斉に『おはようございます』と声がする。厨房の皆さんが朝食の準備をしながら待っていたようだ。
「おはよう、ございます!」
「おはようございます」
フィグさんが僕のところに来て握手する。あ、アスハ隊長だ!久しぶり。
「アスハ隊長!」
「しばらくぶり。元気そうで何よりだ」
「アスハ隊長、紹介してくれへんか?」
「ああ。こちらにいるのがイタヌだ。王国料理ギルド本部長だ」
「イタヌです。マジスからよう聞いてます。今日は丸一日よろしく頼むわ」
「はい!」
「王国契約官です。デボン・トレーゼ様でございますか?」
「はい」
「早速ですが契約の内容をお知らせ致します。これからのワイン作りは全てリョウエストさんの指示でお願い致します。勝手に動くと契約の不履行となります。お気をつけ下さい」
「わかりました」
「契約書にサインをお願いします」
「はい」
「確かに。光の神ロスハーンの名のもとに契約致します。『契約』。はい。結構でございます」
「ご要望通りブドウは仕込んであります。あとはお願いします」
フィグさんありがとう。肝っ玉母さんみたいで頼りになるわー。葡萄の味を見る。砂糖は足さずに済みそうだ。
「はい。デボンさん。こちらのコップの葡萄と水、経年変化5日」
「経年変化5日。よしやるぞ」
「よし」
「イタヌさん、アスハ隊長、これを葡萄と、混ぜる。葡萄の甘味が、足りない、砂糖をいれる」
手でかき回す。もう慣れたものだ。
「デボンさん。錬金釜。経年、変化8日」
葡萄を釜に入れる。
「経年変化8日。よし。やるぞ」
いい感じに発酵したな。
「抽出、ワイン液。樽の中」
「わかった。抽出、ワイン液」
ワインがワイン樽に入る。どれ味見。うん。アルコールになってる。
「ちょいまち。味見させてくれへん?」
「私も」
「どうぞ」
イタヌさんとアスハさんは味わう。
「これはアルコールの味がしっかりでとる」
「うん。お酒って感じだね」
「ここから、熟成、入る、大丈夫?」
「ええで」
「大丈夫だ」
「デボンさん、熟成、経年、変化、2年で」
僕は魔力ポーションを渡しながら言う。
「了解。魔力ポーション飲むわ。いくぞ、経年、変化2年。熟成しろ……よし、いくぞ」
樽が動き始める。樽がガタゴト言う。イタヌさん、アスハ隊長、僕はじっと見つめる。30分ほどで熟成は終わった。
「イタヌさん、アスハ隊長、味見を」
「ワインや。ワインやけど全然ちがう。まろやかでどっしりとした味や。アルコール度も高いなこれ」
「うん。美味い。これは王国の主要産業になるな」
「大丈夫?」
「文句なしや。デボンさん、レポート提出お願いするで。これ終わったら精査するからな。今日は国家錬金術師の連中も来てるからその意見も聞かなあかんねん」
「どうぞ」
「おおきに。ほなリョウエストはん、パン行こか」
「はーい!小麦粉、塩、砂糖、ぬるま湯、十人前お願いします!」
「「「はい」」」
「デボンさん、酵母液また、作って。この葡萄と水、5日、経年、変化」
「わかった。5日、経年変化、よし、いくぞ」
「抽出。お願いします」
「抽出、よし、いくぞ」
「ありがとう、デボンさん、お疲れ様」
「おう」
「あと四十人前、つくります!手の空いた人、粉と塩、砂糖、ぬるま湯お願いします」
「「「はい」」」
「フィグさんも、作る方、回って」
「はい」
「用意できた?」
「「「はい」」」
「水配る。僕の、真似して、作って、みて」
「「「はい」」」
ボウルに粉に酵母液、塩砂糖を混ぜてからぬるま湯を入れてまとめる。
「ここで半刻、置く。濡れた布巾、をかけて、待つ。あけちゃだめ」
しばらく待つ。半刻が待ち遠しい。
「半刻経ちました」
「はい、あけて。膨らんで、ない人いる?」
「いないです」
「そしたら、板の上で、叩きつける」
僕は板の上でパン生地を叩きつける。かなりやってもういいかと思った。
「よし、やめて。こっち来て」
全員が来る。全員来なくていいよ。
「この大きさに、する。丸める。いい?」
「「「「はい」」」」
「なるべく、同じ、大きさ」
「「「はい」」」
「できたら、上に布巾を、かけて、半刻待つ」
半刻が長い。疲れた。
「経ちました」
「お疲れ様。あとは焼く」
「あとはお任せください」
「お願いします」
熟練のパン焼き職人が待っていた。『収納』から焼けたサンプルを出して見せる。彼は頷いてパンを焼き始めた。
僕とデボンさんは近衛騎士団と侍従さんが来るのを待っている。そこにレウフォ叔父さんが現れた。
「レウフォ叔父さん!」
「ああ。先触れだ。まもなくお迎えが到着します。ご準備の上お待ちください」
「はい!」
「ありがとうございます」
5分もしないうちにお迎えが到着した。レウフォ叔父さんは馬に乗る。侍従が馬車から出てきて恭しく礼をする。
「リョウエスト・スサン様、デボン・トレーゼ様お迎えに上がりました。馬車にお乗り下さい」
「はい!」
「ありがとうございます」
馬車に乗せられて伯爵のタウンハウスを出る。大通りに出てしばらくすると城が見える。あれがコリント城か。石造りで堅牢な建物。何本もの青い尖塔がたっていて美しい。しばし放心した。
「リョウエスト様、リョウエスト様は兵士を一人倒したと聞いてますが本当ですか」
「あー。はい」
「やはり話は真実であったのですね。私、あなたのファンでお会いしたかったです。今回の大役頂けて本当に良かったです」
「ありがとう、ございます?」
どうやら侍従さんはガチファンらしく城までずっと質問責めにあった。まあ緊張感は解けたな。城門は誰何されることもなく通り抜け、城の入り口はスルー。横にある通用門に馬車は到着した。近衛騎士団の皆さんとはここでお別れだ。
「リョウ、頑張れよ」
「レウフォ叔父さんありがとう」
レウフォ叔父さんは親指を立てて去って行った。かっこいい。
侍従さんと城の中に入る。何本かの角をまがりドアを開けると厨房となっていた。かなりの広さだ。一斉に『おはようございます』と声がする。厨房の皆さんが朝食の準備をしながら待っていたようだ。
「おはよう、ございます!」
「おはようございます」
フィグさんが僕のところに来て握手する。あ、アスハ隊長だ!久しぶり。
「アスハ隊長!」
「しばらくぶり。元気そうで何よりだ」
「アスハ隊長、紹介してくれへんか?」
「ああ。こちらにいるのがイタヌだ。王国料理ギルド本部長だ」
「イタヌです。マジスからよう聞いてます。今日は丸一日よろしく頼むわ」
「はい!」
「王国契約官です。デボン・トレーゼ様でございますか?」
「はい」
「早速ですが契約の内容をお知らせ致します。これからのワイン作りは全てリョウエストさんの指示でお願い致します。勝手に動くと契約の不履行となります。お気をつけ下さい」
「わかりました」
「契約書にサインをお願いします」
「はい」
「確かに。光の神ロスハーンの名のもとに契約致します。『契約』。はい。結構でございます」
「ご要望通りブドウは仕込んであります。あとはお願いします」
フィグさんありがとう。肝っ玉母さんみたいで頼りになるわー。葡萄の味を見る。砂糖は足さずに済みそうだ。
「はい。デボンさん。こちらのコップの葡萄と水、経年変化5日」
「経年変化5日。よしやるぞ」
「よし」
「イタヌさん、アスハ隊長、これを葡萄と、混ぜる。葡萄の甘味が、足りない、砂糖をいれる」
手でかき回す。もう慣れたものだ。
「デボンさん。錬金釜。経年、変化8日」
葡萄を釜に入れる。
「経年変化8日。よし。やるぞ」
いい感じに発酵したな。
「抽出、ワイン液。樽の中」
「わかった。抽出、ワイン液」
ワインがワイン樽に入る。どれ味見。うん。アルコールになってる。
「ちょいまち。味見させてくれへん?」
「私も」
「どうぞ」
イタヌさんとアスハさんは味わう。
「これはアルコールの味がしっかりでとる」
「うん。お酒って感じだね」
「ここから、熟成、入る、大丈夫?」
「ええで」
「大丈夫だ」
「デボンさん、熟成、経年、変化、2年で」
僕は魔力ポーションを渡しながら言う。
「了解。魔力ポーション飲むわ。いくぞ、経年、変化2年。熟成しろ……よし、いくぞ」
樽が動き始める。樽がガタゴト言う。イタヌさん、アスハ隊長、僕はじっと見つめる。30分ほどで熟成は終わった。
「イタヌさん、アスハ隊長、味見を」
「ワインや。ワインやけど全然ちがう。まろやかでどっしりとした味や。アルコール度も高いなこれ」
「うん。美味い。これは王国の主要産業になるな」
「大丈夫?」
「文句なしや。デボンさん、レポート提出お願いするで。これ終わったら精査するからな。今日は国家錬金術師の連中も来てるからその意見も聞かなあかんねん」
「どうぞ」
「おおきに。ほなリョウエストはん、パン行こか」
「はーい!小麦粉、塩、砂糖、ぬるま湯、十人前お願いします!」
「「「はい」」」
「デボンさん、酵母液また、作って。この葡萄と水、5日、経年、変化」
「わかった。5日、経年変化、よし、いくぞ」
「抽出。お願いします」
「抽出、よし、いくぞ」
「ありがとう、デボンさん、お疲れ様」
「おう」
「あと四十人前、つくります!手の空いた人、粉と塩、砂糖、ぬるま湯お願いします」
「「「はい」」」
「フィグさんも、作る方、回って」
「はい」
「用意できた?」
「「「はい」」」
「水配る。僕の、真似して、作って、みて」
「「「はい」」」
ボウルに粉に酵母液、塩砂糖を混ぜてからぬるま湯を入れてまとめる。
「ここで半刻、置く。濡れた布巾、をかけて、待つ。あけちゃだめ」
しばらく待つ。半刻が待ち遠しい。
「半刻経ちました」
「はい、あけて。膨らんで、ない人いる?」
「いないです」
「そしたら、板の上で、叩きつける」
僕は板の上でパン生地を叩きつける。かなりやってもういいかと思った。
「よし、やめて。こっち来て」
全員が来る。全員来なくていいよ。
「この大きさに、する。丸める。いい?」
「「「「はい」」」」
「なるべく、同じ、大きさ」
「「「はい」」」
「できたら、上に布巾を、かけて、半刻待つ」
半刻が長い。疲れた。
「経ちました」
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