134 / 595
ブラッシュアップ開始。
スージーさんを仲間に。
しおりを挟む
案内された所は住宅街の一角だった。商会の人がその中の一軒のこじんまりした家に入っていく。
「スージーさん、スージーさん」
「はい、お金はありません」
「違いますよ、パトロンの話です」
「はい!」
勢いよくドアが開かれ女の人が出てきた。お兄さんよりちょっと年上でメガネが似合う茶髪でブラウンの瞳の華奢な感じの人だった。
「会長からお手紙です」
「はい!」
女の人は手紙を読むと膝から崩れ落ちて泣き始めた。
「うわーん。私売られちゃうー」
「えーと、ハッセルエンさん、あとお願いできますか?」
「わかりました。案内ありがとうございました」
案内してきた人は逃げるように馬車に乗り帰って行った。
「スージーさんと言ったね。なんて書いてあったんだい?」
「は、はい。契約終了だと書いてあります」
「続きを読んでみなさい」
スージーさんは続きを読む。
「あ、あなた方がパトロンになってくれるんですか?」
「ああ。パトロンというより従業員になって欲しいのだが。もちろん材料費は支給するし、二食食えるようになるぞ」
「はい!お願いします!あ、でも…」
「どうしたんだね?」
「私…借金があって…」
「いくらかね?」
「き、金貨7枚です」
「わかった。その借金買い上げるよ」
「あ、来た…逃げてください…」
コワモテのお兄さん達がやってきた。
「なんだ?おたくらご同業か?」
「違うな。そんな商売はやってない」
「どいてくれ。その女連れてくからよ」
「嫌だと言ったら?」
「どけよ、こら!」
「私はこういう者だ」
お父さんがギルドカードを出す。
「え、Sランク。商業ギルド」
「どうせ契約してないだろう。私がその借金を買い取ろう」
「なん…だと」
「それともうちに潰されたいのかね」
「わかった。金貨10枚だ」
「ふっ。バカにしてるのか?金貨4枚だ」
「バカなこと言うな」
「なんだったら今から商業ギルドいくか?」
「ついていくわけな……い」
お父さんが剣を喉元に突きつけた。お兄さん達も魔法を喚起している。
「おたくら何者だ?」
「僕らの事しらないのか?」
「あんたら酒場にいかないのか?」
お兄さん達がカードを出す。
「す、スサンだと…もしかしてあのスサン三兄弟ですか?」
「巷ではそう呼ばれてるな」
「マジか」
「アニキー。本物みたいですよ。アニキ握手してもらいましょうよ」
「お、おう。握手してくれるなら金貨6枚でいいぞ」
「良いだろう。金貨6枚と握手で手を打とう。証文はあるか?」
「ああ。ここにある」
「よし、まずは金貨6枚だ。あとこれはメシ代にでもしてくれ」
「銀貨3枚もくれるのか?助かる。証文はこれだ」
「ああ。確かに。ロイック、ストラ、リョウ握手してやれ」
「はい」
「わかった」
「はい!」
コワモテのお兄さん達と握手する。お兄さん達はニコニコだった。
「アニキーこれは自慢できますね」
「ああ。今日は良い日だ…じゃあ、そっちの嬢ちゃん。もう借金なんかするんじゃねえぞ」
お兄さん達は手を振って帰って行った。
「あ、ありがとうございました」
「礼は働いて返してもらう。いいね」
「はい!」
「商会本部はルステインにある。明後日までにここを引き払うようにしてくれ。明後日の朝迎えを寄越す」
「はい!ところで私は何を作ればいいのですか?」
「中で話せるかね?」
「はい。どうぞ」
汚く使ってると思ったらかなり片付いた部屋だった。机の上に几帳面に並べられた道具がある。もっとマッドな感じをイメージしていたが、グンヴォルさんはなかなか良い人を紹介してくれたようだ。
「お茶は出せませんがどうぞ」
「かまわないよ」
「さて、これから話すことは守秘義務がある。内緒にしてくれるかな」
「はい!」
お父さんは紙を収納から出してさらさらと何か書いている。
「名前はスージーさんでよかったか?」
「申し遅れましたスージー・カレルと申します。ヒト族とエルフ族のハーフで25歳です」
「わかった。スージーさん、これにサインを。守秘義務の契約だ」
「はい!」
「あ、待ってくれ。内容をちゃんと読まないといけないよ」
「はい、すいません…わかりました」
スージーさんはサインをした。
「光の神ロスハーンの元で契約を。『契約』。じゃあリョウ、頼む」
「はい!」
僕は紙を取り出し絵を描く。まずはこれだ。
「新しい、形の、冷風機。扇風機って言ってる」
「見せてください……なんてこと。従来の式よりかなり少なくできるわ。私のモビーなら魔力瘤の魔力消費も少なくなるかも」
「あと、首振りの、機能も」
「んー。それでもかなり式は少ないわ」
お兄さん達にも見せる。
「これ、面白い商品だね」
「おお、やってみたい」
また絵を描く。
「これ、掃除用具。ゴミを、この先で吸い取るの」
「なるほど……モビーの力で吸い取るのか。待って。これゴミは……あー。あーすれば良いのか……そこそこ式はいるかな?いや。ここを加工すればいいんだ。これ、作っていいんですか?」
「とりあえずルステインに来てからな」
「スージーさん、俺たちにも見せて」
「はい」
「ゴミをこれで吸い取るの?」
「ゴミはこの箱の中にたまるんだな、リョウ、これはすごいな」
「画期的とはこう言うことか」
さらに絵を描く。
「これ暖房機。風の力で、温風を、出す」
「さっきの応用ね。なるほど。これは面白いわ。魔力瘤も少なく済むわ」
「ここで温めて風を送るのか」
「これは売れるぞ」
「リョウ、流石だな」
「まだまだ、いっぱい、あるの。スージーさん、力、貸して?」
「はい!」
「とにかく明後日の朝にはここを引き払ってくれ。これは支度金だ。宿に移るか私たちが宿泊している場所に移るかは決めてないが、不自由はさせないようにするから安心しなさい」
「はい!」
「ではよろしく頼む」
「スージーさん、スージーさん」
「はい、お金はありません」
「違いますよ、パトロンの話です」
「はい!」
勢いよくドアが開かれ女の人が出てきた。お兄さんよりちょっと年上でメガネが似合う茶髪でブラウンの瞳の華奢な感じの人だった。
「会長からお手紙です」
「はい!」
女の人は手紙を読むと膝から崩れ落ちて泣き始めた。
「うわーん。私売られちゃうー」
「えーと、ハッセルエンさん、あとお願いできますか?」
「わかりました。案内ありがとうございました」
案内してきた人は逃げるように馬車に乗り帰って行った。
「スージーさんと言ったね。なんて書いてあったんだい?」
「は、はい。契約終了だと書いてあります」
「続きを読んでみなさい」
スージーさんは続きを読む。
「あ、あなた方がパトロンになってくれるんですか?」
「ああ。パトロンというより従業員になって欲しいのだが。もちろん材料費は支給するし、二食食えるようになるぞ」
「はい!お願いします!あ、でも…」
「どうしたんだね?」
「私…借金があって…」
「いくらかね?」
「き、金貨7枚です」
「わかった。その借金買い上げるよ」
「あ、来た…逃げてください…」
コワモテのお兄さん達がやってきた。
「なんだ?おたくらご同業か?」
「違うな。そんな商売はやってない」
「どいてくれ。その女連れてくからよ」
「嫌だと言ったら?」
「どけよ、こら!」
「私はこういう者だ」
お父さんがギルドカードを出す。
「え、Sランク。商業ギルド」
「どうせ契約してないだろう。私がその借金を買い取ろう」
「なん…だと」
「それともうちに潰されたいのかね」
「わかった。金貨10枚だ」
「ふっ。バカにしてるのか?金貨4枚だ」
「バカなこと言うな」
「なんだったら今から商業ギルドいくか?」
「ついていくわけな……い」
お父さんが剣を喉元に突きつけた。お兄さん達も魔法を喚起している。
「おたくら何者だ?」
「僕らの事しらないのか?」
「あんたら酒場にいかないのか?」
お兄さん達がカードを出す。
「す、スサンだと…もしかしてあのスサン三兄弟ですか?」
「巷ではそう呼ばれてるな」
「マジか」
「アニキー。本物みたいですよ。アニキ握手してもらいましょうよ」
「お、おう。握手してくれるなら金貨6枚でいいぞ」
「良いだろう。金貨6枚と握手で手を打とう。証文はあるか?」
「ああ。ここにある」
「よし、まずは金貨6枚だ。あとこれはメシ代にでもしてくれ」
「銀貨3枚もくれるのか?助かる。証文はこれだ」
「ああ。確かに。ロイック、ストラ、リョウ握手してやれ」
「はい」
「わかった」
「はい!」
コワモテのお兄さん達と握手する。お兄さん達はニコニコだった。
「アニキーこれは自慢できますね」
「ああ。今日は良い日だ…じゃあ、そっちの嬢ちゃん。もう借金なんかするんじゃねえぞ」
お兄さん達は手を振って帰って行った。
「あ、ありがとうございました」
「礼は働いて返してもらう。いいね」
「はい!」
「商会本部はルステインにある。明後日までにここを引き払うようにしてくれ。明後日の朝迎えを寄越す」
「はい!ところで私は何を作ればいいのですか?」
「中で話せるかね?」
「はい。どうぞ」
汚く使ってると思ったらかなり片付いた部屋だった。机の上に几帳面に並べられた道具がある。もっとマッドな感じをイメージしていたが、グンヴォルさんはなかなか良い人を紹介してくれたようだ。
「お茶は出せませんがどうぞ」
「かまわないよ」
「さて、これから話すことは守秘義務がある。内緒にしてくれるかな」
「はい!」
お父さんは紙を収納から出してさらさらと何か書いている。
「名前はスージーさんでよかったか?」
「申し遅れましたスージー・カレルと申します。ヒト族とエルフ族のハーフで25歳です」
「わかった。スージーさん、これにサインを。守秘義務の契約だ」
「はい!」
「あ、待ってくれ。内容をちゃんと読まないといけないよ」
「はい、すいません…わかりました」
スージーさんはサインをした。
「光の神ロスハーンの元で契約を。『契約』。じゃあリョウ、頼む」
「はい!」
僕は紙を取り出し絵を描く。まずはこれだ。
「新しい、形の、冷風機。扇風機って言ってる」
「見せてください……なんてこと。従来の式よりかなり少なくできるわ。私のモビーなら魔力瘤の魔力消費も少なくなるかも」
「あと、首振りの、機能も」
「んー。それでもかなり式は少ないわ」
お兄さん達にも見せる。
「これ、面白い商品だね」
「おお、やってみたい」
また絵を描く。
「これ、掃除用具。ゴミを、この先で吸い取るの」
「なるほど……モビーの力で吸い取るのか。待って。これゴミは……あー。あーすれば良いのか……そこそこ式はいるかな?いや。ここを加工すればいいんだ。これ、作っていいんですか?」
「とりあえずルステインに来てからな」
「スージーさん、俺たちにも見せて」
「はい」
「ゴミをこれで吸い取るの?」
「ゴミはこの箱の中にたまるんだな、リョウ、これはすごいな」
「画期的とはこう言うことか」
さらに絵を描く。
「これ暖房機。風の力で、温風を、出す」
「さっきの応用ね。なるほど。これは面白いわ。魔力瘤も少なく済むわ」
「ここで温めて風を送るのか」
「これは売れるぞ」
「リョウ、流石だな」
「まだまだ、いっぱい、あるの。スージーさん、力、貸して?」
「はい!」
「とにかく明後日の朝にはここを引き払ってくれ。これは支度金だ。宿に移るか私たちが宿泊している場所に移るかは決めてないが、不自由はさせないようにするから安心しなさい」
「はい!」
「ではよろしく頼む」
211
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
Gランク冒険者のレベル無双〜好き勝手に生きていたら各方面から敵認定されました〜
2nd kanta
ファンタジー
愛する可愛い奥様達の為、俺は理不尽と戦います。
人違いで刺された俺は死ぬ間際に、得体の知れない何者かに異世界に飛ばされた。
そこは、テンプレの勇者召喚の場だった。
しかし召喚された俺の腹にはドスが刺さったままだった。
異世界でゆるゆるスローライフ!~小さな波乱とチートを添えて~
イノナかノかワズ
ファンタジー
助けて、刺されて、死亡した主人公。神様に会ったりなんやかんやあったけど、社畜だった前世から一転、ゆるいスローライフを送る……筈であるが、そこは知識チートと能力チートを持った主人公。波乱に巻き込まれたりしそうになるが、そこはのんびり暮らしたいと持っている主人公。波乱に逆らい、世界に名が知れ渡ることはなくなり、知る人ぞ知る感じに収まる。まぁ、それは置いといて、主人公の新たな人生は、温かな家族とのんびりした自然、そしてちょっとした研究生活が彩りを与え、幸せに溢れています。
*話はとてもゆっくりに進みます。また、序盤はややこしい設定が多々あるので、流しても構いません。
*他の小説や漫画、ゲームの影響が見え隠れします。作者の願望も見え隠れします。ご了承下さい。
*頑張って週一で投稿しますが、基本不定期です。
*本作の無断転載、無断翻訳、無断利用を禁止します。
小説家になろうにて先行公開中です。主にそっちを優先して投稿します。
カクヨムにても公開しています。
更新は不定期です。
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる