僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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旅立つ者。

料理革命。

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 今日はずっと練習してきた料理を披露する日だ。僕はフィグさんと最終打ち合わせをして工房アトリエを出る。今日はミザーリに加えエメイラが何故かくっついてきた。何品も作るので段取りに不安が残る。だがその気持ちを払拭するように今日は、僕を後押ししてくれる物がある。それは僕の馬車の初お目見えである。天使とフォークとナイフをモチーフに彫刻が施され、背面にはどでかく紋章が取り付けられた『キッチンエンジェル』号だ。名前はエメイラが付けた。特に家族の反対もなかったのでこの名前になった。普段は2頭立てだが、長距離移動では4頭立てになる仕様で、最大6人乗り、新型サスペンション搭載の最新式馬車だ。なお、座席を外すと下には各種キッチン用品が収納されており野営時や急に料理をしなければならない時に対応可能である。
 ご機嫌でシートに座り左右にエメイラとミザーリを乗せて街を走り出す。料理ギルドまで道行く人々は馬車に釘付けだった。

 料理ギルドであえてSSランクカードを出す。僕の事を知ってる受付さんだが、ノリが良く「ははーっ」とやってくれた。特設キッチンAに入るとギルド長マジスさんがいたが、ついでに料理ギルド本部長でマジスさんの兄のイタヌさんと料理取締部隊隊長のアスハさんが待っていた。

「待っとったで。言われた材料は揃っとる。楽しみにしてるで」
「今日はどんなもん作るか、楽しみにしてるで」
「リョウエストさんの意図を理解できるようにがんばります」

 さて、行こうかフィグさん。

「リョウチキン、スサンオウトールに続く第三弾。油多めに焼く、言ってた。これを止める。料理方法は揚げる、いう名前に変えたい」
「揚げるか。聞いた事ないが発明者が名付ける権利があるわ。これからは揚げるという名前に変更や」
「わかったで。揚げるやな」
「これが第一の、革命レボリューション。色んな具材を、揚げるスサン揚げと、リョウエスト揚げを、見て」
「スサン揚げ?」
「リョウエスト揚げ?」
「スサン揚げは、細かく、したパンを、付けて揚げる!フィグさん。基本ソースを」
「了解」
「まずは野菜、肉、チーズを一口大に」

 ピーマン、じゃがいも、かぼちゃ、なす、玉ねぎ、鶏肉、豚肉、チーズを準備。小麦粉、卵、水を混ぜたバッター液につけ、細かく刻んだパンをまぶして油の中へイン。

「そして、揚げる。野菜は、温度低め、肉は温度高め」

 ビートを刻んで油がぶくぶく言う。

「ソースできました!」
「揚がった、そばから、揚げていく。この網があれば、便利」

 錬金術で加工した網の上に揚がったものを載せていく。油が程よく消え、食べどきだ。

「はい、どうぞ!」
「これ、全部がスサン揚げ?」
「具材はまだ、山ほどある。このスタイルが、スサン揚げ」
「なるほど。エストンもリョウエビもスサン揚げなんやな」
「そう。二つは、特に美味しい、から名前つけた。食べて?」

 3人は色々なものを試している。

「うまいわ。野菜が揚げるとうまい」
「このソースとよう合うわ。
「ほくほくしてる」
 
 どうだ?反応は良いぞ。

「スサン揚げや。まさしくこのスタイルがスサン揚げやな」
「スサン揚げ、良いと思うで」
「賛成だ。このスタイルで登録はありだと思う」
「ありがと。じゃあ次はリョウエスト揚げ。さっきのが太陽、これは月。イタヌさん、えび、イカ用意、ありがと」
「ああ。ワイバーン便で生きたまま持ってきてん。最高やで」

 えびとイカ、ナス、さつまいも、ごぼう、かぼちゃ、玉ねぎを食べやすい大きさに切る。天ぷら粉をつくり、ルマーニをベースで天つゆを作る。

「これは小麦粉に、卵、水を溶いて、揚げる」

 ちょうど良い硬さにした衣にくぐらせ油にインする。パチパチと揚げ油がビートを刻む。良い感じになったところで揚げる。

「これで、リョウエスト揚げ、完成。これも具材が、まだまだある。ルマーニベースの、ソースを、つけて食べて」
「頂くわ。なんや、同じ揚げるでも全く表情が違うわ」
「サクサクした外側から中の具材が出てきてすごいハーモニーや」
「このルマーニのソースが絶妙な旨さだ」

 どう?美味しいでしょ。

「リョウエスト揚げや。まさしく。名前負けしてへん。どうや兄貴」
「あ、ああ。感動で何も喋れんかった。これがリョウエスト揚げなんやな」
「我が部隊ももっと増員が必要かもしれん」
「どう?」
「両方採用や」
「同じく」
「同じく」
「ストーク!書類、作って」
「かしこまりました」
「エメイラと、ミザーリの、分もあるよ」
「食べる食べる」
「主よ、ありがとう」

 次いくぞ。

「次の革命レボリューションは、ルマーニ、料理。まずは味を、知ってもらう」
「えびの殻を剥いて…茹でて出す…だと。そのままのルマーニを付けて食べろちゅうことか」
「こんなん料理ちゃうやん」
「まあ、自信があるからそうやるんだろ。イタヌ、たべてみよう」

 それぞれがエビにルマーニを付けて食べる。

「なんなん?これだけで美味いわ」
「くう…これで料理が完成してる…だと」
「信じられないほどうまい」
「わかった?これがルマーニの力」









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