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第1章
豚様様
しおりを挟む「サリー、牛のチーズを買っていく?デイヴたちのお土産を買うときに一緒に買おうか」
「そうですね。お土産用にはヤギと牛のチーズを2個ずつと豚のチーズ1つを2セットにしましょう。各公爵家にお渡しできるように。
クルーディス公爵家とベルジャン公爵家に認めてもらえたら、きっとまた売上が伸びますもの。ただ、豚のチーズは宣伝しないでって言っておきましょうね」
フレッド様がお土産品を聞いてくれたので、公爵家へのプレゼントを選ぶ。
だって王家からのお墨付きに加え、公爵家からも認められているなんてこんな評判が得られるに越したことはない。
「ははっ。さすがサリー。売り込みは忘れないね。
でも今言ったのはサリーの分だよ。サリーはフレッシュなのが好きだったよね?アイシャにも一緒のを用意しておこう」
フレッド様が冷静にそう言われるので私は顔が熱くなってしまう。
なんだかいつでも売上の事ばかり考えているがめつい女のようで恥ずかしい。
「申し訳ございません。
そうですね。私はカビが生えたのはまだ美味しさがわからないようで……フレッシュなのでお願いします」
私たちが今日ここに来たのは領地の様子を見るのを兼ねてお土産を買う為。
実は明日はアイシャとデイヴの婚約披露パーティーなのだ。
彼らが正式に婚約をしたのは約2か月前なのだが、ようやくお披露目式をする。
公爵家同士の婚約という事で、公表する時には準備が整っていたらしいのだが、どうも私が公の場に出るのを遠慮しているのを気にして、遅めにしてくれていたよう。
そんなこと気にしてくれるなんてなんていい友達……
そんな彼らにお土産を渡そうとここまで来たのだ。
ここに来るまでに色々な場所で豚を見かけた。
牛やヤギは山で飼われているものも多く、道から見えるのは豚が多いそう。特に飼育量を5倍に増やしてからは特に豚を見ることが多くなったとフレッド様から聞いた。
豚の飼育数を増やしたことで思いもかけないいいこともあった。元々ナシェルカの領地では野菜の廃棄が問題になっていた。だからこそ野菜で糸を染め、少しでも廃棄数を減らしていたのですが、それで使える量は微々たるものだった。だって、染めるのに量はそこまでたくさん必要にはならないのだから。
でも今回豚の飼育量を増やしたことでその廃棄する予定だった野菜を餌に回すことができた。もちろんヤギにもあげられるのだが、意外に繊細なヤギはなんでも食べられるわけではない。その点豚は私たちが食べられるものはほとんどなんでも食べることができる。ながーい腸でしっかりと消化できるんだそう。そのため、野菜の廃棄にも悩むことが無くなった。
ただし、生産者さんが教えてくれたのは食べるえさによって肉の味が変わるということ。
そんな繊細なものだなんてすごいと感心してしまった。
だから野菜農家さんと畜産の飼育担当さんと直に話して頂き、その仕組みも作ることができた。
その中で感心したのはこんな機会を折角頂いたのだからと、各生産者ごとに食べさせる野菜を変えてみて、味の違いを楽しんでみるんだそう。なんだかその探求心にこちらまでワクワクしてしまう。
そしてそうすることで、廃棄する野菜をほとんどなくすこともできたのだ。
本当に豚様々ですね。
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