【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~【長編】

暖夢 由

文字の大きさ
55 / 166
第1章

豚様様

しおりを挟む

「サリー、牛のチーズを買っていく?デイヴたちのお土産を買うときに一緒に買おうか」


「そうですね。お土産用にはヤギと牛のチーズを2個ずつと豚のチーズ1つを2セットにしましょう。各公爵家にお渡しできるように。
クルーディス公爵家とベルジャン公爵家に認めてもらえたら、きっとまた売上が伸びますもの。ただ、豚のチーズは宣伝しないでって言っておきましょうね」


フレッド様がお土産品を聞いてくれたので、公爵家へのプレゼントを選ぶ。
だって王家からのお墨付きに加え、公爵家からも認められているなんてこんな評判が得られるに越したことはない。


「ははっ。さすがサリー。売り込みは忘れないね。
でも今言ったのはサリーの分だよ。サリーはフレッシュなのが好きだったよね?アイシャにも一緒のを用意しておこう」


フレッド様が冷静にそう言われるので私は顔が熱くなってしまう。
なんだかいつでも売上の事ばかり考えているがめつい女のようで恥ずかしい。


「申し訳ございません。
そうですね。私はカビが生えたのはまだ美味しさがわからないようで……フレッシュなのでお願いします」


私たちが今日ここに来たのは領地の様子を見るのを兼ねてお土産を買う為。
実は明日はアイシャとデイヴの婚約披露パーティーなのだ。


彼らが正式に婚約をしたのは約2か月前なのだが、ようやくお披露目式をする。
公爵家同士の婚約という事で、公表する時には準備が整っていたらしいのだが、どうも私が公の場に出るのを遠慮しているのを気にして、遅めにしてくれていたよう。
そんなこと気にしてくれるなんてなんていい友達……


そんな彼らにお土産を渡そうとここまで来たのだ。


ここに来るまでに色々な場所で豚を見かけた。
牛やヤギは山で飼われているものも多く、道から見えるのは豚が多いそう。特に飼育量を5倍に増やしてからは特に豚を見ることが多くなったとフレッド様から聞いた。


豚の飼育数を増やしたことで思いもかけないいいこともあった。元々ナシェルカの領地では野菜の廃棄が問題になっていた。だからこそ野菜で糸を染め、少しでも廃棄数を減らしていたのですが、それで使える量は微々たるものだった。だって、染めるのに量はそこまでたくさん必要にはならないのだから。


でも今回豚の飼育量を増やしたことでその廃棄する予定だった野菜を餌に回すことができた。もちろんヤギにもあげられるのだが、意外に繊細なヤギはなんでも食べられるわけではない。その点豚は私たちが食べられるものはほとんどなんでも食べることができる。ながーい腸でしっかりと消化できるんだそう。そのため、野菜の廃棄にも悩むことが無くなった。


ただし、生産者さんが教えてくれたのは食べるえさによって肉の味が変わるということ。
そんな繊細なものだなんてすごいと感心してしまった。

だから野菜農家さんと畜産の飼育担当さんと直に話して頂き、その仕組みも作ることができた。
その中で感心したのはこんな機会を折角頂いたのだからと、各生産者ごとに食べさせる野菜を変えてみて、味の違いを楽しんでみるんだそう。なんだかその探求心にこちらまでワクワクしてしまう。
そしてそうすることで、廃棄する野菜をほとんどなくすこともできたのだ。


本当に豚様々ですね。
しおりを挟む
感想 63

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。 そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、 あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。 じゃあ、気楽にいきますか。 *『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。

悪役だから仕方がないなんて言わせない!

音無砂月
恋愛
マリア・フォン・オレスト オレスト国の第一王女として生まれた。 王女として政略結婚の為嫁いだのは隣国、シスタミナ帝国 政略結婚でも多少の期待をして嫁いだが夫には既に思い合う人が居た。 見下され、邪険にされ続けるマリアの運命は・・・・・。

良いものは全部ヒトのもの

猫枕
恋愛
会うたびにミリアム容姿のことを貶しまくる婚約者のクロード。 ある日我慢の限界に達したミリアムはクロードを顔面グーパンして婚約破棄となる。 翌日からは学園でブスゴリラと渾名されるようになる。 一人っ子のミリアムは婿養子を探さなければならない。 『またすぐ別の婚約者候補が現れて、私の顔を見た瞬間にがっかりされるんだろうな』 憂鬱な気分のミリアムに両親は無理に結婚しなくても好きに生きていい、と言う。 自分の望む人生のあり方を模索しはじめるミリアムであったが。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

謹んで、婚約破棄をお受けいたします。

パリパリかぷちーの
恋愛
きつい目つきと素直でない性格から『悪役令嬢』と噂される公爵令嬢マーブル。彼女は、王太子ジュリアンの婚約者であったが、王子の新たな恋人である男爵令嬢クララの策略により、夜会の場で大勢の貴族たちの前で婚約を破棄されてしまう。

【完結】女王と婚約破棄して義妹を選んだ公爵には、痛い目を見てもらいます。女王の私は田舎でのんびりするので、よろしくお願いしますね。

五月ふう
恋愛
「シアラ。お前とは婚約破棄させてもらう。」 オークリィ公爵がシアラ女王に婚約破棄を要求したのは、結婚式の一週間前のことだった。 シアラからオークリィを奪ったのは、妹のボニー。彼女はシアラが苦しんでいる姿を見て、楽しそうに笑う。 ここは南の小国ルカドル国。シアラは御年25歳。 彼女には前世の記憶があった。 (どうなってるのよ?!)   ルカドル国は現在、崩壊の危機にある。女王にも関わらず、彼女に使える使用人は二人だけ。賃金が払えないからと、他のものは皆解雇されていた。 (貧乏女王に転生するなんて、、、。) 婚約破棄された女王シアラは、頭を抱えた。前世で散々な目にあった彼女は、今回こそは幸せになりたいと強く望んでいる。 (ひどすぎるよ、、、神様。金髪碧眼の、誰からも愛されるお姫様に転生させてって言ったじゃないですか、、、。) 幸せになれなかった前世の分を取り返すため、女王シアラは全力でのんびりしようと心に決めた。 最低な元婚約者も、継妹も知ったこっちゃない。 (もう婚約破棄なんてされずに、幸せに過ごすんだーー。)

【完結】優雅に踊ってくださいまし

きつね
恋愛
とある国のとある夜会で起きた事件。 この国の王子ジルベルトは、大切な夜会で長年の婚約者クリスティーナに婚約の破棄を叫んだ。傍らに愛らしい少女シエナを置いて…。 完璧令嬢として多くの子息と令嬢に慕われてきたクリスティーナ。周囲はクリスティーナが泣き崩れるのでは無いかと心配した。 が、そんな心配はどこ吹く風。クリスティーナは淑女の仮面を脱ぎ捨て、全力の反撃をする事にした。 -ーさぁ、わたくしを楽しませて下さいな。 #よくある婚約破棄のよくある話。ただし御令嬢はめっちゃ喋ります。言いたい放題です。1話目はほぼ説明回。 #鬱展開が無いため、過激さはありません。 #ひたすら主人公(と周囲)が楽しみながら仕返しするお話です。きっつーいのをお求めの方には合わないかも知れません。

処理中です...