上 下
54 / 166
第1章

部門を分ける

しおりを挟む

そして同時進行で今行っているのが部門を分けるというもの。


今までは家族ごとで事業を行い、その従業員だけで飼育から加工、販売まで全てを行っていた。
でもそうすると、なかなか手が回らないのだそう。


だから今まで通り飼育する部門と、新しく、育った牛、ヤギや豚を加工する部門にわけている最中なのだ。また、加工部門に関しては肉などへの加工と乳製品への加工の2部門にわけている。
私たちも畜産部門をメインで扱ったことがなく、どのようにすればやりやすいのかが分からない。だから領民の方に話を聞きながら一つずつ進めていこうとしている。

そして私も知らなかったのだが、この領地には豚の乳で作られたチーズが存在する。
でも多くは取れないため、ほとんど生産者たちの口にしか入らない幻のチーズと言われている。


たまたまフレッド様が訪問していた時に出来上がったものがあり、フレッド様が召し上がられ、その虜になってしまった。もちろん帰る際に私にもということでもらってきてくれたのだが、今まで食べたチーズとは風味も何もかも違って、ものすごく美味しい……これはぜひ食べられるようにしてほしい!!


でも豚からとれる乳はあまり多くはないようで、それならばと一気に豚の飼育数を5倍にする計画を立て、そこから作られたチーズは高級品として売り出すことにしている。


それと同じくヤギのチーズも作られている。
ヤギのミルクは癖があるため、飲む人を選ぶ。
私もヤギのミルクは搾りたてを頂いたが……なかなか強い癖の味に驚いてしまった。でも栄養があると言われて何度か飲んでいると美味しく飲めるようになった。それでも未だにヤギにチーズは食べることが出来ない。あの癖のある味が口の中に広がるのが耐えられない……でも父はお酒と一緒にヤギのチーズを食べるのが好きらしく、ここで頂いて行って、美味しく食べている。


そして、国王陛下と王妃様にその話をした際、自分たちもどうしても食べてみたいと言われ、土産として渡した。
そしたらその味に驚き、うっとりとしながら完食していた。特に豚のチーズ。まだ量産もできていないのに王室御用達になってしまったので、さらに買いにくくなってしまったとか。これからはそれも見越して生産・流通を計画していかなければならない。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

貴方達から離れたら思った以上に幸せです!

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:190,309pt お気に入り:12,205

【第一章完結】半竜皇女〜父は竜人族の皇帝でした!?〜

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:113pt お気に入り:697

最愛の人を奪われました

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,373pt お気に入り:622

転生した愛し子は幸せを知る

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:923pt お気に入り:3,842

貴方といると、お茶が不味い

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,803pt お気に入り:6,808

毒花令嬢の逆襲 ~良い子のふりはもうやめました~

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:107,239pt お気に入り:3,085

処理中です...