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第1章
部門を分ける
しおりを挟むそして同時進行で今行っているのが部門を分けるというもの。
今までは家族ごとで事業を行い、その従業員だけで飼育から加工、販売まで全てを行っていた。
でもそうすると、なかなか手が回らないのだそう。
だから今まで通り飼育する部門と、新しく、育った牛、ヤギや豚を加工する部門にわけている最中なのだ。また、加工部門に関しては肉などへの加工と乳製品への加工の2部門にわけている。
私たちも畜産部門をメインで扱ったことがなく、どのようにすればやりやすいのかが分からない。だから領民の方に話を聞きながら一つずつ進めていこうとしている。
そして私も知らなかったのだが、この領地には豚の乳で作られたチーズが存在する。
でも多くは取れないため、ほとんど生産者たちの口にしか入らない幻のチーズと言われている。
たまたまフレッド様が訪問していた時に出来上がったものがあり、フレッド様が召し上がられ、その虜になってしまった。もちろん帰る際に私にもということでもらってきてくれたのだが、今まで食べたチーズとは風味も何もかも違って、ものすごく美味しい……これはぜひ食べられるようにしてほしい!!
でも豚からとれる乳はあまり多くはないようで、それならばと一気に豚の飼育数を5倍にする計画を立て、そこから作られたチーズは高級品として売り出すことにしている。
それと同じくヤギのチーズも作られている。
ヤギのミルクは癖があるため、飲む人を選ぶ。
私もヤギのミルクは搾りたてを頂いたが……なかなか強い癖の味に驚いてしまった。でも栄養があると言われて何度か飲んでいると美味しく飲めるようになった。それでも未だにヤギにチーズは食べることが出来ない。あの癖のある味が口の中に広がるのが耐えられない……でも父はお酒と一緒にヤギのチーズを食べるのが好きらしく、ここで頂いて行って、美味しく食べている。
そして、国王陛下と王妃様にその話をした際、自分たちもどうしても食べてみたいと言われ、土産として渡した。
そしたらその味に驚き、うっとりとしながら完食していた。特に豚のチーズ。まだ量産もできていないのに王室御用達になってしまったので、さらに買いにくくなってしまったとか。これからはそれも見越して生産・流通を計画していかなければならない。
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