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第1章
王妃とのお茶会
しおりを挟むそしてつい先日は王妃様とお二人でお茶をさせていただいた。王室からのお手紙が邸に届き、トムが確認したところ宛名は私で、お茶会への招待だった。
何事かと思ったが、一足先に私の卒業のお祝いのお言葉を頂いた。
「サリーさん、そろそろ卒業ね。少し気が早いけれどおめでとう。それが終わったら遂に結婚ね。あなたが娘になってくれるのが待ち遠しかったわ」
今は公爵になったとはいえ、元は伯爵の娘。そんな私でも王妃様はとても温かく迎えてくれる。
こんな方が国母であることが臣下としての誇りでもある。
「王妃様、お祝いのお言葉ありがとうございます。私も王妃様の義娘になれること、大変光栄であり、とても嬉しく思います…」
「サリーさん、そろそろ母と呼んでくれてもいいんじゃなくて?ぜひそうして欲しいの」
前から母と呼んで欲しいとお願いされていたが結婚するまでは周りの目もあり、待って欲しいとお願いしていた。
正直なところ、一度婚約破棄された身。もしこれが、フレッド様の心変わりでまた婚約破棄されてしまったら……そしてそんな女が王妃様のことを母などと呼んでいたなどの事実があれば、もう社交界のいい笑い物でしかない…そう思うと怖い想いもあった。
でもフレッド様を見ていても、王妃様を見ていても、もうそんなことは起こらないと思う。
だから……
「はい…お義母様……これからもどうぞよろしくお願いします……」
なんだか照れ臭く、微笑みながらそう言います。
「あぁぁ…なんて可愛いのかしら…
こちらこそよろしくね。これはフレッドがベタ惚れだったのも頷けるわね」
うんうんとお義母様が頷いていらっしゃいますが……
ベタ惚れされた思い出はありません…
婚約の申し出も政略的な内容。その後もフレッド様は私との関係を深めるよりもはるかに積極的に領地経営に勤しんでいらっしゃった。
でも私がそんなことありませんなんていうのもおかしな話…
私がなんと返していいのか困ったような顔をしていたのだろう。
少し眉間の間を詰め、驚いたような顔でお義母様が口を開く。
「え?フレッドはサリーちゃんの前ではどんな様子なの?」
そう聞かれると、私は思っているフレッド様の様子を思い浮かべ、その内容を口に出すことにした。
「フレッド様はいつも理性的で、領地経営を頑張ってくださっています。」
「あぁ………フレッドったらまだ猫かぶってるのね… 」
猫?誰の猫??
どういうことかお義母様に尋ねようとした時、ドアがこんこんとノックされる音がする。
「失礼します。母上そろそろサリーを返してもらってもいいですか」
その音にお義母様が答えると、ドアが開き、そこからフレッド様の姿が見える。
噂のフレッド様がお迎えに来てくださったようだ。
フレッド様は私がお茶会などに行くと、こうして仕事の時間を割いて迎えに来てくれる。
そのことにはとても感謝しているし、いつも嬉しく思ってもいるけれど、今日はお義母様に先程の言葉の意味を聞きたかったから、お迎えはいらないかもだなんて思ってしまう。
「あらフレッド、まだ話が終わっていないのよ。あなたも少しそこにかけなさい」
「いや、私は「いいからお座りなさい」」
有無を言わさぬというような王妃様の空気。
なにか見えない攻防が行われていたようで、フレッド様が渋々と私の隣の椅子に腰掛ける。
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