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第1章
フレッド様のお顔は真っ赤っか
しおりを挟む「今ね、ちょうどサリーさんとあなたのお話をしていたところだったのよ。
婚約を申し込む前から急にナシェルカ領の財力について調べ始め、パーティーの前には突然エスコートする女性は自分で連れてくると言い出したのよね。
でもパーティーの後にはなぜか落ち込んでいて、どうしたのかと聞くとエスコートもなしに帰してしまったと落ち込んでいたの。
そしてその1時間後にはナシェルカ領は伯爵位でいるべきではないと言い、そのために自分がナシェルカ伯爵のご令嬢と婚約を「わぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!母上、やめてください!」あらどうして?事実を伝えようとしただけなのに」
お義母様はにこにこと笑顔でそのようにお話されていますが、とても焦っているように見えるフレッド様のお顔は真っ赤っか。
このように焦っている顔も、赤い顔も初めて見た。
私はただただ、そのお二人の様子に目を瞬かせてしまう。
そうして見ているとフレッド様がそろりと私の方を向く。
「サリー、、その……出来ればこの話は2人の時にしたいのだけれど…」
「え?あ、そうなのですね。畏まりました」
私の選択肢としてはこの言葉以外になにがあったのだろう。
それでもにこにこ笑顔のお義母様に向かってフレッド様が退席の許可を取る。
「そういうことなので、母上…今日は失礼してもよろしいでしょうか…」
「あら?せっかく楽しいところだったのに残念ね。まぁ今日は許して上げましょう。
サリーさん、もしも今日話したことの意味が、わからないことがあるようなら私とまた2人でお茶をしましょうね。いえ、アナベルとライラとアイシャも呼んで皆でお話することにしましょうね。
せっかくだから私としてはわからないままの方が嬉しいわね」
「母上!!!!それでは失礼いたします。行こう、サリー」
「え?あの…それではお義母様、本日はありがとうございました。失礼いたします。」
にこにこのお義母様に手をひらひらと振られながら、私は意味がわからないまま強制退場させられてしまった。
そして、馬車に乗り込むが、フレッド様は少し不貞腐れたような顔のまま黙っている…
そんなに聞いてはいけないことだったのだろうか。それともお義母様が話した内容はお母様が思っただけであって、事実ではないことだから怒っているとか。あ、きっとそう。そうに違いない。話しの流れ上、私に怒っているわけではないと思うから、とりあえず黙っていることにする。
そうして、黙ったまま我が家の前で馬車が止まる。
フレッド様は黙ったまま馬車を降り、私に手を差し出すため、私はその手を取り、馬車をおりるが、この空気はなんだか嫌…
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