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第1章
お茶会へ
しおりを挟むって、こんな悠長にお話している時間はあまりないの。
今日はこれからベルジャン邸でお義母様とベルジャン公爵夫妻、クルーディス公爵夫妻、ナシェルカ公爵夫妻、アイシャ、デイヴ、フレッドと私のお茶会。
料理や飲み物はもちろんダニーさんにお願いしてるから、みんな楽しみにしてる。
「フレッド、行きましょう。お茶会に遅れちゃうわ」
「あぁ!でもその前にサリー、愛してるよ」
私の両頬を優しく手で包み、口付けを落とすフレッド。
最近は慣れるほどにこういった事を隙あらばしてくる。
だから私も変わることにしたの。
言葉にしなければ伝わらない。そして伝わらなければ人は自分の思うように解釈してしまい、すれ違うことがある。それならば言葉にしなければ。
だから熱い頬を隠し、フレッドを見つめてこういうの。
「フレッド、私も愛してる。これからもずっと、愛してるわ。
あなたと出会えて本当に良かった。私を見つけてくれてありがとう」
私がそう言うとフレッドが目を大きく開き、顔を真っ赤にしている。
きっと私がこんなことを言うだなんて思わなかったのだろう。
だって突然の変化に私も追いついていなかった。ようやく私も変わろうと思えるほど、この状況が整理できたの。
だから言葉にすることができた。
いつだって思っていたフレッドへの想いを。
フレッドが口にしてくれる前から、私の心はフレッドにあった。
政略結婚だとは分かっていても寂しくなってしまう想いを口にすることも出来なかったけど、それでもフレッドにいつか振りむいてほしいと願っていた。
それが思わぬ形で願いがかなったのなら、私だって変わらなくちゃ。
「あぁ、ダメだ……
ぼくがサリーを照れさせたいのに、どうあってもサリーには敵わない……」
そういうフレッドの顔はいたずらが失敗した子どもみたいなのに、とても幸せそう。
私だってフレッドの照れてしまう顔が大好き。
だから私に敵ってもらっては困っちゃうの。
だってこの顔を見たくて、これからもフレッドに愛の言葉を囁くのだから。
フレッドの後から両親も祝いの言葉をかけてくれ、皆で一緒にベルジャン邸へ移動する。
父はフレッドの変化に未だ慣れないらしく、「外では節度ある行動を!!」となんだか面白くなさそうに注意するけれど隣の母に「あら、いいじゃない。愛されてるとみんなに分かってもらっている方が変なちょっかいもなくっていいわ」と諫められてしまうと、ぶすっとしたまま窓の外を見つめていた。
アイシャとデイヴには先ほど学校でまた後でと挨拶をしていたので現地集合だ。
明日から結婚式前日まで領地の改善箇所に二人で行き、対策を練る。
結婚式の後は1か月程、旅行に出かけるのでそれまでにできることはしておきたいのだ。
フレッドは私への見栄の為だけでなく、あの後も変わらず領地のことを必死にやってくれている。
そのおかげもあり、ダニーさんがやっている店も最近では客が入りきらないほど込み合ってきたので、新しい店舗を作る予定だ。
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