after the rain

ノデミチ

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23. そして、花火の日に…

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 何事もなく日々は過ぎ。
 今日は、無事、終業式だ。

 通知表と夏休みの課題を受け取った俺達は、夏休みをどう過ごすか、友達同士、色んなグループが出来て語り合ってる。

 週末の河川敷での花火大会は勿論の事、クラスのみんなで「れじゃすぱ」へ行こう、と言う楽しみな企画で盛り上がっていた。

 こういう時、盛り上げると言うか、音頭をとってまとめるのは、クラス1のイケメンで副委員長の櫻井慎吾。クラスカーストの上位にいる陽キャ男子。

「結局、行くのは?」
「女子は、前村絵里エリー、まどかに深月、原囿ハラちゃん河島博美ひろみ宮本ムッちゃんもよね?あら?金井フミカは?」
「モチ、行くわよ」

 クラスの綺麗所がほぼ参加する状況。
 男子のテンションは爆上がりだ。

「マジかぁー!俺、どうしても外せない用事が…、チクショー‼︎」
 これが、カースト上位の寺脇や田中ならば、女子の落胆も大きかったんだろうけど。
 血涙流して悔しがってるのがモブ◯号とでも言うべき横山佑司という、典型的なチャラ男。特徴と言えば、その軽い口調と態度、そしてめげずに話し掛ける強靭なメンタル、ついでに茶髪。

「で、男子は櫻井寺脇テラ田中ダイサク、柳谷に西村ニコ、得田に下山シモっち渡辺ナベ山南ヤマちゃん三嶋ゴン亀沢カメだっけ?」

 まぁ、頷いてみせる。

陽介ゴン宮本ムサシは珍しいな」
「…あんなに誘われちゃね」

 三嶋は多少、不本意そうだ。
 多分、宮本ムサシの水着姿をも一度拝ませろ!的な圧がかかったんだろうな。この際、2人のイチャ付きを見せられたとしても…。

「それでも、よくムサシが参加する気になったな」
練習部活も無いみたいだし、何より『口説き落とせ』って圧かけたの柳谷だろ?」
 サムズアップする笑顔の柳谷と、不本意な表情のままの三嶋。
「まぁ、これがクラスの友情って事で」

 違うぞ。

「ホントにムッちゃんも行く訳?」
「陽介に誘われて、拒む理由は私には無いな」
「水着姿を披露しても」
「それも陽介が呑んだのだろ?ならば拒む理由は無い。流石に彼女のあられもない姿を見せたがる彼氏だとは、思いたくはないからな。その辺、ブンちゃんも同じであろ?」

 宮本ムサシに話題振られた金井カナブンも頷き返す。
「そうね。彼氏ユキヤに『ココまでなら』くらいのお伺いはたてるからね」

 すると柳谷が…。

「おい、亀沢カメ陽介ゴン‼︎ お前ら、ちゃんと『ビキニはOK』って言ったんだろうな」

 待て待て。必死過ぎないか?

「どうだろ」
「乞うご期待、かなぁ?」
 笑う俺達。

「くくっ、カメェ!ゴーン‼︎ 俺達のささやかな希望夢とロマンを壊すんじゃねぇー!」

 知らんがな。

「いや、の様な口振は辞めてくれ」
西村ニコぉ!おま、裏切り者ぉ‼︎」

 男子処か、女子からも笑いが起きる。
 柳谷の、血涙流す程のストレートスケベ根性丸出しな叫びを、女子も笑い飛ばせるのだから、コレ、大したキャラだと思うよ。

 モブでも、陽キャはやっぱ、お得だよね。

 ☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 週末、土曜日~花火大会の日。
 浴衣の着付けもあって、アタシ文香は一旦自宅に帰り、アタシ達は現地集合の形をとってた。

 女性トラックドライバーってガサツな男勝りみたいなイメージあるかもだけど、アタシの母ママは普通に着物の着付けも出来る。

 偶々、この週末に珍しくママが休みで、でも前日長距離を走ったママは、「花火楽しんでらっしゃい」とアタシを送り出し、外泊そのままユキヤんちをも許してくれた。

 だから、超ゴキゲンな日になる筈だったんだ。

 …元カレアイツに会うまで…。

「ほう。ご機嫌そうだなぁ。今から花火デートかい?」
「一橋先輩。そう言えば、ユキヤ彼氏にちょっかい出したって聞きましたね。それに、ユキヤのバイクにも悪さしかけたって聞いてますけど」

 神社の参道。
 夏祭りでも無い週末の夕方は、思ったより人通りが少なくて。

「あんな、取り柄もない隠キャと比べてほしくなくてね。お前も俺の方が、ずっといいだろうからな」
「冗談!ユキヤの方が、素敵なの‼︎ アンタなんかよりはるかにね!」
「そんな事は、言わせねーよ!もう一度、ちゃんと仕込んでやるよ」

 下駄では、走る処か…。
 アタシは直ぐに、腕掴まれてしまう。

「離して!」
「うるせぇ!」

 腕、振り解けた?
 そう思うのも束の間、アタシは強く押されて参道の茂み奥に倒れ込んでしまった。

「こういう時、浴衣は便利だなぁ、おい」
「いやぁー!」

 肩を押さえられ、裾をまくられ下着パンティが露出してしまう。

「白かよ。デートなんだろ?もう少し色っぽいヤツ履けよ、くくく」
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