どうやら私はバッドエンドに辿りつくようです。

夏目

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第三章 嫌われた王子様と呪われた乞食

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 ガラガラと全てが壊れていく音がする。
 夢だが現実だか分からないものが見える。
 絨毯の赤。むせかえるような花の匂い。護衛の兵が命令されて頭を下げて部屋を出ていく。
 王座に腰かけるのは、国王陛下――フィリップ兄様だった。
 彼は冷然とリストを見下ろしている。
 敬礼をしても、眉一つ動かさない。

「カルディアを殺した方がいいと、宰相から進言されている」

 視界が歪む。宰相。リストの父親だ。

「アレが産む子供はすべからく化物だ。それも、ユリウスなんて目じゃない。神話や童話に出てくる本物の化物の類だ」
「……呪われている、とでも言いたいのか」

 リストの声はとても低かった。聴き取れないと思ったほどだ。

「まるで、イーストン辺境伯の言葉だ」
「馬鹿馬鹿しい、と思うか? だが、いくら産ませてもそうだ。お前の兄――クロードに原因があるのかもしれないが。確かめることはできない。他に愛妾でも抱えてみてはと言ったが、拒否された」

 リストは安心したような、傷付いたような表情を一瞬浮かべた。

「どうしてそんなことをわざわざ俺に告げる」
「どうしてだと思う」
「陛下、俺はなぞかけをしに来たわけでない」

 口を尖らせ、国王陛下はむくれた。

「察しが悪い。近衛を下がらせているのだから、そういう話だと分かるだろうに」
「残念ながら、俺は察しの悪い男だ。簡潔に言ってくれ」
「クロードの代わりに、お前がカルディアの夫になってやるといい」
「何を」

 国王陛下は値踏みするようにリストを見つめた。

「馬鹿なことを言うな」
「皆まで言わせないでくれ。クロードが政治的に不要になったんだ。国外追放か、……まあ、ごろつきが襲ったでも、使用人の蜂起でもいいかと思っているんだが、カルディアが巻き込まれるのはかわいそうだろう」
「兄上を、どうして」

 リストが思い浮かぶ限り、クロードが何かを仕損じたことはなかったのだろう。歯噛みするような表情を浮かべた。

「クロードは何でも器用にこなし過ぎた。サガルが使えない今、クロードを擁立しようとする動きが加速している。全く、面倒なことだが、対処しなくては」
「兄上を宰相をするという話だったはずだ」

 今更何を言うのか。リストは気焔を上げる。
 彼はクロードのことを慕っていたし、クロードもまたリストを可愛がっていた。
 それなのに、陛下は意図も容易く人の命を断とうとしていた。猫でも処分するように。

「どれだけ王族を殺せば気が済む? お前の目には同じ血が流れるものが化物にでも見えるのか」
「化物を産んだのはカルディアだろう」

 淡々と陛下は言った。

「処分を任せられるこちらの身にもなって欲しいものだがな。清族に回すのもなかなか骨が折れる。ユリウスなど、半ば勘付いている」
「カルディアを殺したら」

 拳を握り、リストが燃えるような瞳で王座を睨みつけた。

「お前を俺が殺す」
「不遜だなぁ、お前は」
「どうして俺にこの話を打ち明けた?」
「義理の弟になるんだ。企み事も共有しておかないといけないだろう?」
「お前がそこまでお優しいとは知らなかった」
「知らなかったのか?」

 そう言って、陛下は表情を変えずに言い切った。

「おれは家族には甘い男だよ」



 時間が進んだ。時計の針が早回りして、リストがいた場所にクロードがいた。彼の姿を見て、涙が出てきた。喋るたびに、嗚咽がこぼれそうになる。
 優しく、思いやるような声だった。

「フィリップ、寝ていないのか」
「政策課題について官僚達と話し合って一日を過ごした」
「なんだ、案外上手くやっていたのか。律法家達ばかり侍らせているものだから、彼らのことは邪険にしているものかと思った」
「平民上がりの官僚達は、優秀だ」
「情がわいたのか」
「違う。だが、貴族どもを重用する理由が分からなくなった」

 兄様とクロードの関係など、気にしたことがなかった。
 彼らはまるで仲のいい友達のような気やすさだった。
 あるいは仲のいい兄弟のような。

「貴族とは責任の担保だろう。危険で滑稽で愚かな人間が出た時、一族が己の身をもって贖う。平民の中に優秀な人材がいるように、貴族の中にも優秀な人間がいる。ならば、貴族の方を使うべきだ。尊き血筋というのは、利用価値がある」
「貴族ばかりを重用すれば平民達の士気に関わる。有能な人間は無気力になり、野心を喪う。しかし、今更だと笑うか? そのような問答に、今の今まで気が付かなかったことを暗愚だと、罵るか?」
「多角的な視点を持てないところは軽蔑している。お前は一つことに固執すると他の事を忘れるところがあるからな。一つを認める癖に、他を蔑ろにするのは違う。だが、そこまで責められることだとも思えないな。ある程度のことは体験しなくては分からない。経験しなければ分からないものがあるのは事実だ。身になるかは、その人間次第だが」
「……王に対して不遜が過ぎるとは思わないのか」
「いいや。諫言にも少しは耳を傾けてくれ」

 からりと、クロードが笑った。

「元より耳障りの良いことばかり囁かれるのではないが」
「だが、本心を全て曝け出すこともないだろう。トヴァイス・イーストンが宰相をしてくれれば良かったのだろうが」
「……その話はしたくない」
「はは、自分でも流石にあの男を逃した自覚があるのか」
「うるさい」

 クロードは親愛の情を国王に向けていた。陛下自身もそう嫌ではなさそうだった。眠たい子猫のように、王座で体を縮こまらせる。

「トヴァイス・イーストンはどうして宰相を断った? 報酬は十分約束したというのに」
「報酬で動くような男ではないと知らなかったのか。あいつは自分が思うただ唯一に対してのみへりくだり、傅く」
「女神カルディアのことか?」
「違う。枢機卿であることがあいつの中核を担うものか。信仰心ではなく矜持があるからこそ、あの男が宰相に相応しいと思ったのでは?」
「あの男は単純に、優秀だろう。賄賂を許さず、不正もしない。清廉潔白が服を着て歩いているようだ」
「だからこそ、傲岸不遜でもあるのだがな。あいつほど理想的な領主もいないだろう。公平で、寛容で、自分にも他人にも厳しく、節制を尊ぶがそれと同時に華美を好む」
「トヴァイス・イーストンの話はいい」

 んと相槌をうってクロードが真面目な顔をした。

「では何の話を? 蠍王への対応か、蘭花の民への課税か、それともまた別の問題が? ゾイデックについての対応だけは他に回してくれ。ノア・ゾイデックは俺に対して異常にあたりが強い」
「違う。カルディアの子供のことだ」
「俺の子でもあるが?」
「お前の母から何度も何度も、魔獣と交わり子を成した淫女だと言われているがな。何をどうしたらお前の子供が化物になるんだ」
「……」

 だんまりを決め込んだクロードに大袈裟なくらい陛下はため息をこぼす。

「お前が淫らな悪徳に興じていないというのならば、アレはなんだ」
「さあな。色々な医者や清族に見せたがとんと分からず仕舞いだ」
「分からないままでいいと思っているのか? 度し難い。王族は多ければ多いほどいいだろう?」

 その王族を殺し回ったのは誰だとでも言わんばかりの表情をクロードは浮かべた。

「リストも怪訝にしていた。……というか、あいつは元々カルディアを狙っていたんだ。これ幸いと、お前達の破局を望んでいる」
「……そうかもしれないな」
「兄として我慢ならないと思わないのか。カルディアは今や人妻、お前の妻だろう」
「兄弟喧嘩を誘発しようとしているのか? ……お前のやり口は知っている。残念ながら、リストはともかく俺はそれに乗る気はない」

 王座に近寄って、クロードは陛下を見下ろした。

「見え透いたことはやめろ」
「リストは乗るかもしれないのに? あいつは、カルディアに対して異常なまでの執着があるからな」
「それはお前も同じだろう、フィリップ。家族への執着が人一倍強い。……お前の中で、カルディアは家族なんだな」
「ハァ?」

 眉間に皺を寄せて、陛下がクロードを睨みつけた。

「当たり前だろう」
「カルディアは永遠にお前に嫌われていると思っているがな」
「妾の子だから、そう思うのは当然だ」
「そうやって正妻だ、妾だと区別するから誤解されるんだ」
「区別は必要だろう……。リストは、ギスラン・ロイスターを殺した」

 どこからか、変な声が聞こえた。
 私を呼ぶ声だと思う。それに、神様みたいな楽器の音がする。
 目の前のことに集中しようと耳をそばだてた。
 クロードと陛下の声だけを理解しようとする。

「状況証拠で判断していたら法の概念が揺らぐな」
「怪しきものは罰せず? だが十中八九そうだろう。ギスラン・ロイスターは排他的な人間だったし、リストには隙があった。どちらか片方が死んでいたとしたら、残った方が殺しているだろ」
「マァ、だろうな」

 集中したいのに、ちっとも言葉が頭の中に入ってこない。
 本当に変な声が聞こえるのだ。いや、聞こえるのだろうか。目の前にある光景が瞬きするたびに何か違うものと混ざる。
 それは安普請の部屋で娼婦じみた行為をしているものだったり、頭に剣を振り落とされ、何度も何度も痛みに喘ぎ悲鳴をあげているものだったり、あるいは、火が服に燃え移って肌を焼く臭いを嗅ぐ、そんなとんでもないことばかりだった。

「だが、俺が殺されることはない。弟は兄には勝てないものだろう?」

 陛下は腹を抱えて笑った。その姿を、クロードは愉快そうに見ている……。


 瞬きをすると、また違う景色が見えた。
 誰だろう? リストに似ても似つかない男が演説をしている。
 彼はリストと名乗り、集まった貧民達の歓声を受けていた。
 真っ赤に染めた髪は、日にあたるととてもじゃないが見ていられないほどくすんで見える。けれど、薄暗い部屋の中では色の違いはわからなかった。真正面で絵を描いていた画家は軍服を着た男というそれ一点だけで絵の中の男を美貌に仕立て上げる始末だ。
 声の通りも悪いのに。けれど、誰もが彼をリストとして扱った。手を見れば、働くものの手だと分かっただろうに。
 革命の火種が付けられたように、ハリボテの王族の事実に熱狂している。
 ほら、やっぱり階級なんてなんでもないじゃないか。
 馬鹿らしい、昔からの因習に従う意味なんてない。そもそも、彼らが持っている富は僕達のものじゃないか。
 奪って、我が物顔でいるのはいつだって奴らで、私たちは被害者じゃないか。
 ならば、拳を振り上げてもいいはずだ。
 ならば、少しぐらい良い思いをしたっていいはずだ。
 貴族の乗る車の前に飛び出して、因縁をつけた男がいた。彼は貴族を引き摺り出すと、顔の形が分からなくなるまで殴り続けた。
 警邏が捕まえると男はげらげら笑いながら血に濡れた拳を見せつけた。
 狂人めと罵りながら、警邏隊が男の頭を押さえる。その姿を、市民達はじっとりと湿った瞳で見つめている……。



「フィガロ」
「陛下」
「肖像画を見ていたのか」

 真っ白なローブに銀の刺繍。太ももからくるぶしまで描かれた藤の花。額には聖痕があり、それを隠すように金の髪が揺れる。
 こくりと頷いたフィガロは清貧で、なんとも言えない艶があった。
 彼が見ているのは歴代の王の肖像画だった。父王様の次にフィリップ兄様が並ぶ。

「王笏と王冠を抱いて、何だか偉そうだろう? 何か立派なことを成したわけでもないのに」
「……王とはそのようなものでは。権利とは、砂の上の城のようなものだ」
「そうだね。それに、地位や名誉なんかもそうだ。すぐに有耶無耶になって、残酷に打ち捨てられる」
「……どうして、兄弟同士を殺し合わせようとする?」

 双子の従者がフィガロの側に寄ってきた。彼らは目を伏せ、家具のように動かない。

「どうして、それは疑問を浮かべることか? 古来から、人殺しは見世物になっていた。今も変わらず、娯楽に過ぎない」
「非人道的な行いだ」
「だが、お前には何も出来ないだろう。人を助けたり、救ったり、そういうのは聖人崩れには過ぎた行いだ」

 フィリップ兄様は肖像画を熱心に見つめた。彼とそっくりな顔が不気味なほど正鵠に描かれている。

「そもそも、誰かが助けたところで止められるようなものでもない。クロードは誤解している。殺し合いは自分達の感情で決まるものじゃない。時流だ。人を殺さなくてはなったらリストはあっという間だ」

 フィガロが眉を寄せる。そんな姿を見て、兄様は上機嫌に喉を鳴らした。

「どうした。お前にはいい話だろう? カルディアはお前にやるよ、バルカス公爵。同じ腹から産まれた兄妹同士睦み合うといい」

 笑っている。笑っている。
 ……どうして?



 クロードは母親の懇願を無視していた。縋り付く彼女の瞳には涙が浮かんでいる。
 宰相とは、政略結婚だった。愛はなく、だが矜持はあった。
 だからこそ、狂った。王妃と逢瀬を重ねる夫に幻滅した。
 子供達のためにどうして我慢が出来ないのか。性欲に塗れた猿以下の男……。
 王が気を変えればいつだって失脚する曖昧な立場が、彼女には耐えられなかった。それを何度訴えようと、愛に狂った夫は何も取り合おうとしない。腹の子のことは考えず、毎夜享楽に溺れる……。
 子が死んだまま産まれてきたのは、どんな因果だったのか。
 狂った彼女のために、子が用意された。赤髪赤目の子供だ。彼女はどこの子かと、問うことはなかった。

 本当に自分の子だと思っていたからだ。

「クロード、どうか、カルディアとは別れてちょうだい」

 クロードは眼差し一つを彼女に注いだまま、口を開かない。

「カルディアはあなたを不幸にする。わたくしにはそれが分かるの」

 首を振って、クロードは応えた。

「クロード!」

 縋り付く彼女を振り払い、クロードは去っていく。啜り泣く女の声だけが聞こえている。



「王大人、どうしてこんな恐ろしいことに加担するってことになったんです?」

 王都の裏通りにあるランファ達が店を出す通りの一角に、薬師崩れの店がある。
 非合法な媚薬や避妊薬の置かれたその店は娼館に通う男や勤める娼婦達に大人気なようだ。人の姿が絶えず、闊達な声が響く。
 大旦那たる蘭王は仮面を外しながらあぁと低い声を出した。この男はこんなに低い声が出せたのだと驚いた。まるで別人の声だ。

「まあ、成り行きだ」
「成り行きだなんて……」
「気に病むな。上手くいけば儲けものとでも思っていればいい」
「……王族の失脚に手を貸すだなんて、どんな報復があるか」

 蘭王の側には使用人らしき男がいて揉み手をしながら、蘭王を見上げた。ひゅっと、喉を鳴らして慌てて頭を下げる。
 男は顔を見たらしかった。蘭王の、素顔を。

「怖いのならば今のうちに祖国に帰る準備をしておけ。俺は一向に構わん。荒事が好きな奴を後釜に据えるだけだ」
「王大人、そんな酷いことを言わないで下さい。俺とアンタの仲じゃないですか。お側にはいます。いますがね、ただ、心配なものは心配なんですよ」
「そう心配するな。王族とはいえ、訳アリだ」
「……そうなんですかい?」

 ひそひそと二人が話し合う。笑い合って、金を数えるような仕草をする。また二人は笑い、そしてーー時間が経った。何日も、下手をすると何週間も経った。
 蘭王は焦って、店の中のものを薙ぎ倒しながら逃げた。既に使用人は殺されていて、次は彼の番だった。
 彼は何度も命乞いをした。けれど、誰も彼の懇願に耳を傾けることはしなかった。
 最悪の結果だ。リストは俺を覚えていやがった。復讐の機会を狙ってやがったんだ! 醜く吠えて、息汚く逃げる。こうなれば何人と娶った妻達も関係ない。
 いい女ばかりで、蘭王は彼女達に庇われながら逃げた。路地裏の先を抜ければファミ河に着く。そこに逃げ込めばこっちのものだ。
 蘭王は走って、走って、走って。
 目の前に真っ赤な髪の男を見た。
 そして彼は頭を撃ち抜かれて死んだ。



「――ディア、カルディア!」

 名前を呼ばれてまぶたを開ける。
 頭が数十回振られた後みたいに気持ち悪い。
 体を起き上がらせると、つうと唇に何かが滴り落ちてくる。
 拳で拭うと、粘度があって、何度拭っても唇が濡れている感覚があった。
 あれと思って拳を広げる。
 血が、べっとりと指にくっついていた。

「カルディア、良かった」

 そう言いながら、リストが私の鼻の下を袖で拭った。
 そこで自分が鼻血を流していたことを知った。

「あ、あ……」
「落ち着け。どこか痛い場所は?」
「い、痛い?」

 吐き気が込み上げてきて、えずく。
 あれ、今まで何をしていたのだったか。……ザルゴ公爵と会って、フィリップ兄様に会った? クロードの声がして……。

「落ち着け。落ち着け……」

 優しい声と背中を撫でる手の温度。そのおかげで今まで見ていたのが幻覚だと理解できてきた。
 顔を上げると、屋敷は既に半壊しており、空に浮かぶ目玉はなくなっていた。
 そのかわり、ガラスでも割ったように空にヒビが入っていた。ぽろぽろと、空が欠けていく。

「大丈夫だ、カルディア。大丈夫だから」

 世界が終わっていく。その姿を保てなくなっていく。そんなふうに見えた。





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