王道学園のモブ

四季織

文字の大きさ
22 / 28

第21話 文化祭ミスコン1

しおりを挟む
 そして、文化祭ラスト。
 夕暮れの中、ミスコンが始まった。なんでも、今年からの出し物らしい。

 そうだよな。
 ゲームでは、ミスターコンだったんだ。
 攻略対象者の煌びやかなスチル絵もあったのに。
 なんでミスコンに変わってるんだろう?


 グラウンドに花道を作って、大型スクリーンや音響も凝っていて、すごい本格的だ。
 プロに設営を頼んだらしい。さすがに金がかかってる。
 
 名前を告げられた出場者が、順番にスポットライトを浴びて、ランウェイに登場する。

 なんと、ウェディングドレスだ。
 後ろや横のスクリーンに出場者たちのアップが映し出される。


「生徒会の企画だって」
「はぁ、どおりで派手だね」
「どういう順番なんだろな?」

 俺達は、加賀谷の出番を待つ。

 俺達のクラス代表は、投票で加賀谷に選ばれた。
 加賀谷はすごく不服そうだったけど、見た目より男らしいから、選ばれたからには全力を尽くすと言っていた。
 全力って、女装なんだけどね。


 ヒールに転びそうだったり、運動部の逞しい体にドレスが似合ってなかったり。
 笑いや歓声が上がって、なかなかに盛り上がっている。


「あれ?!」

 すごい美少女が登場した。
 淡い茶色のふわふわした髪に、大きな瞳と赤く小さな唇。
 メイクを差し引いても、可愛い綺麗な顔立ちって言うのがよく分かる。

 軽快な音楽と裏腹に、辺りはざわついて「誰?」「すごい美少女」って、口々に言い合ってるのが聞こえてくる。


 けど。
 俺は知ってる。

 これは、カツラと瓶底眼鏡を取った主人公、渋谷あおいの真の姿なんだ。


 渋谷の名前が紹介されて、どよめきが起こる。

「うっそだろ?!」
「あれ、渋谷?!」

 それらをゆっくりと見渡して、反応に満足した顔で、渋谷あおいは悠然とランウェイを歩き始めた。

 まるで、物語のヒロインだ、王女様だ。
 いや、主人公だから、間違いはないんだけど。


 でも、主人公は、敢えて容貌を隠していたはずなんだ。
 幼い頃から天使みたいだったけど、男らしい性格をからかわれるのが、ずっとコンプレックスだったんだ。
 でも、持ち前の明るさと強さで乗り越えていく。
 そういうところに、攻略対象者達も惹かれていく筈だったのに。


 あんな、自慢げな顔で。
 自分を見せびらかすように歩いていくのは、違うんじゃないか?


「あんなに可愛かったんだね」
「もったいない、なんで隠してたんだろう」
「あれなら、全然いいよね」

 周りが、主人公を認めていく。
 それは、終盤、主人公が愛する人と結ばれたときの周囲の声だ。

しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。

とうふ
BL
題名そのままです。 クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

モブらしいので目立たないよう逃げ続けます

餅粉
BL
ある日目覚めると見慣れた天井に違和感を覚えた。そしてどうやら僕ばモブという存存在らしい。多分僕には前世の記憶らしきものがあると思う。 まぁ、モブはモブらしく目立たないようにしよう。 モブというものはあまりわからないがでも目立っていい存在ではないということだけはわかる。そう、目立たぬよう……目立たぬよう………。 「アルウィン、君が好きだ」 「え、お断りします」 「……王子命令だ、私と付き合えアルウィン」 目立たぬように過ごすつもりが何故か第二王子に執着されています。 ざまぁ要素あるかも………しれませんね

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?

書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。 それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。 友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!! なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。 7/28 一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

処理中です...