王道学園のモブ

四季織

文字の大きさ
21 / 28

第20話 文化祭が始まる

しおりを挟む
 そう。
 俺は、先輩が好きなんだと思う。
 いつからかっていうと、はっきり覚えていない。
 
 でも、4月の部活紹介で、先輩がキャーキャー言われてるのにモヤモヤしたから、その時にはもう気にはなってたんだと思う。

「俺は……こんな、普通だし取り柄もないし、先輩は人気者だしカッコいいし」

『俺はゲームに関係ない平凡モブだけど、先輩は攻略対象者だから』

 釣り合うはずがない。それは言えないけど。



 夏休み以降、副会長と双子庶務はきちんと仕事しているらしい。
 仕事が楽になったと先輩が喜んでいたから、本当に良かったと思う。


「え? ミスコン?」
「クラスから一人、代表を出すんだって」
「生徒会の発案らしいよ」

「静かにしろ」

 怒られた。


 今、俺は、交通安全委員の活動で、みんなで反射板をつけたベストを着て、校門前で立っている。
 毎年のことだろうに、ジロジロ見られるのはなんなんだ。

 その帰り、風紀委員長と副委員長に出会った。

 まだ、俺への嫌がらせ犯、特にレイプ首謀者は捕まっていない。
 毎回お詫びを言われるので、恐縮して「そんなことないです」ってわたわたしたら、手にしていたチラシを床にばら撒いてしまった。

 どんくさくて嫌になる。

 風紀委員長達にも、チラシを集めてもらった。
 申し訳ない。
 
 副委員長はチラシをじっと見ていたかと思うと、「1枚くれないか?」と言う。
 漫研に描いてもらった力作らしいんだけど。
 へぇ、なんか意外。

「好きなのか? その美少女戦士ポメリン。似合わないな」

 俺が言えなかったことを、風紀委員長が言っていた。
 剛毅だな。



 そして、文化祭、当日。
 俺は、斎木先輩と一緒に校内を回っていた。
 ゲームであったなぁ、主人公が、先輩に手を繋いでもらって回ってたっけ。


「結構すごいな」

 俺達の展示は、ダンボールで作った大型恐竜の模型だ。
 天井まで届く大きさで、クラスにこういうの好きなやつがいて、なかなかの力作になったと思う。

「小坂はどの辺りを担当したんだ?」
「えっと。これです」

 俺は下にある、緑に塗られた不揃いなシダを示す。
 最初は、大型恐竜も手伝っていたんだ。
 だけど、尻尾を壊してしまって、製作リーダーから「頼むから触らないでくれ」と言われてしまったんだ。

 それを聞いて、先輩の顔が笑いを堪えるように歪んでいた。
 笑っていいんですよ!


 3-Sクラスは、執事喫茶をやる。
 主人公が攻略対象者から、姫扱いされてきゅんきゅんくるイベントだ。

「出番はいつですか」
「……午後から」
「照れてます?」

 耳が赤くなってた。
 もう! 可愛いな!


しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

【完結】我が兄は生徒会長である!

tomoe97
BL
冷徹•無表情•無愛想だけど眉目秀麗、成績優秀、運動神経まで抜群(噂)の学園一の美男子こと生徒会長・葉山凌。 名門私立、全寮制男子校の生徒会長というだけあって色んな意味で生徒から一目も二目も置かれる存在。 そんな彼には「推し」がいる。 それは風紀委員長の神城修哉。彼は誰にでも人当たりがよく、仕事も早い。喧嘩の現場を抑えることもあるので腕っぷしもつよい。 実は生徒会長・葉山凌はコミュ症でビジュアルと家柄、風格だけでここまで上り詰めた、エセカリスマ。実際はメソメソ泣いてばかりなので、本物のカリスマに憧れている。 終始彼の弟である生徒会補佐の観察記録調で語る、推し活と片思いの間で揺れる青春恋模様。 本編完結。番外編(after story)でその後の話や過去話などを描いてます。 (番外編、after storyで生徒会補佐✖️転校生有。可愛い美少年✖️高身長爽やか男子の話です)

クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。

とうふ
BL
題名そのままです。 クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。

メインキャラ達の様子がおかしい件について

白鳩 唯斗
BL
 前世で遊んでいた乙女ゲームの世界に転生した。  サポートキャラとして、攻略対象キャラたちと過ごしていたフィンレーだが・・・・・・。  どうも攻略対象キャラ達の様子がおかしい。  ヒロインが登場しても、興味を示されないのだ。  世界を救うためにも、僕としては皆さん仲良くされて欲しいのですが・・・。  どうして僕の周りにメインキャラ達が集まるんですかっ!!  主人公が老若男女問わず好かれる話です。  登場キャラは全員闇を抱えています。  精神的に重めの描写、残酷な描写などがあります。  BL作品ですが、舞台が乙女ゲームなので、女性キャラも登場します。  恋愛というよりも、執着や依存といった重めの感情を主人公が向けられる作品となっております。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

悪役令息シャルル様はドSな家から脱出したい

椿
BL
ドSな両親から生まれ、使用人がほぼ全員ドMなせいで、本人に特殊な嗜好はないにも関わらずSの振る舞いが発作のように出てしまう(不本意)シャルル。 その悪癖を正しく自覚し、学園でも息を潜めるように過ごしていた彼だが、ひょんなことからみんなのアイドルことミシェル(ドM)に懐かれてしまい、ついつい出てしまう暴言に周囲からの勘違いは加速。婚約者である王子の二コラにも「甘えるな」と冷たく突き放され、「このままなら婚約を破棄する」と言われてしまって……。 婚約破棄は…それだけは困る!!王子との、ニコラとの結婚だけが、俺があのドSな実家から安全に抜け出すことができる唯一の希望なのに!! 婚約破棄、もとい安全な家出計画の破綻を回避するために、SとかMとかに囲まれてる悪役令息(勘違い)受けが頑張る話。 攻めズ ノーマルなクール王子 ドMぶりっ子 ドS従者 × Sムーブに悩むツッコミぼっち受け 作者はSMについて無知です。温かい目で見てください。

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い

八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。  11/21 登場人物まとめを追加しました。 【第7回BL小説大賞エントリー中】 山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。 この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。 東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。 風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。 しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。 ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。 おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!? そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。 何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから! ※11/12に10話加筆しています。

聞いてた話と何か違う!

きのこのこのこ
BL
春、新しい出会いに胸が高鳴る中、千紘はすべてを思い出した。俺様生徒会長、腹黒副会長、チャラ男会計にワンコな書記、庶務は双子の愉快な生徒会メンバーと送るドキドキな日常――前世で大人気だったBLゲームを。そしてそのゲームの舞台こそ、千紘が今日入学した名門鷹耀学院であった。 生徒会メンバーは変態ばかり!?ゲームには登場しない人気グループ!? 聞いてた話と何か違うんですけど! ※主人公総受けで過激な描写もありますが、固定カプで着地します。 他のサイトにも投稿しています。

私の庇護欲を掻き立てるのです

まめ
BL
ぼんやりとした受けが、よく分からないうちに攻めに囲われていく話。

処理中です...