55 / 98
第二章
空腹《ニクス side》
しおりを挟む
「す、すみません……!お願いします!見逃してください!」
『まだここで捕まる訳には……!』と懇願し、学園長は頭を下げる。
なりふり構わずといった様子で頼み込んでくる彼に、僕は一切心を動かされなかった。
隣に立つリディアはちょっと複雑そうだが、事が事だけに『はい、いいですよ』とはならない。
ただただ、気の毒そうに学園長を見つめているだけ。
「魔王に力を貸している者の願いなど、聞くつもりはない。諦めろ」
「そ、そこを何とかお願いします……!」
尚も食い下がってくる学園長に、僕は思わず溜め息を零す。
『これが大人のすることか』と思うと、あまりにも情けなくて。
仮にも、学園を管理する一族の長だろう?
何故、ここまで落ちぶれてしまったんだ?
『それでは、先祖に顔向け出来ないぞ』と呆れながら、魔術を使用した。
どうせなら、リディアの残した魔法の残骸────もとい氷を利用しようと思って。
『せっかく、妹が頑張ったんだから』と口角を上げ、僕は全て冷気に変える。
おかげで、学園長の足元は真っ白だ。
『やっぱり、冷気は重たいな』と思いつつ、上手くコントロールしていると、学園長が風魔法を展開する。
そして、何とか冷気をこちら側へ押しやろうとするものの……先程の転移魔法で魔力を使い果たしたのか、風は直ぐに止んだ。
かと思えば、ものの数秒でバタンと倒れる。
「老体に寒さは堪えるようだな」
青白くなった学園長の顔色を見て、僕は肩を竦めた。
と同時に、温度を正常へ戻す。
このままでは、凍死してしまうため。
一応、リディアに火炎魔法を使ってもらうか?
いや、季節はもう夏だし、放っておいても大丈夫だろう。勝手に温かくなる。
そもそも口と頭さえ動けば他はどうでもいいため、そこまで世話してやる義理はなかった。
冷酷に学園長を突き放す僕の傍で、レーヴェン殿下は蔓を生成した。
かと思えば、スルスルとソレを伸ばし、学園長の頬を軽く突く。
が、ピクリともしない。
完全に気を失ったとみて、間違いないだろう。
「思ったより、呆気なかったね」
抵抗らしい抵抗がなかったことに、レーヴェン殿下は苦笑を漏らした。
『もっと苦戦するかと思ったんだけど』と述べつつ、学園長を縛り上げる。
あっという間に蔓でグルグル巻きにされた学園長を前に、僕は小さく肩を竦めた。
「リディアがずっと粘って、相手を消耗させてくれていましたからね」
「ご自慢の“空間支配”なんて、もうほぼ使い切っていたもんなぁ」
「辛うじて保っていた空間も、リエート様に切り裂かれていましたし」
『あの時点で相手方はほぼ詰んでいたでしょ』と零し、特待生は立ち上がる。
リエートの手を引いて。
どうやら、『光の乙女』の能力である程度回復出来たようだ。
先程より、明らかに顔色がいい。
使用時間も僅かだったから、そこまで酷い反動じゃなかったんだろう。
まあ、なんにせよ動ける状態になってくれて良かった。
────学園長と違って、あっちは機動性も兼ね備えているようだから。
いつの間にか天井にへばり付いていた黒髪の男を見上げ、僕は『くくくっ……!』と低く笑う。
恐らく、冷気から逃れるため本能的に上へ避難したんだろうが……あまりにも不格好すぎた。
『これなら、楽に倒せそうだな』と考える中、アガレスは
「飯……飯……飯……」
と、譫言のように呟く。
リディアを凝視した状態で。
つまり、奴は僕の妹を食材認定しているのだ。
『こいつ……!』と眉を顰める僕の前で、アガレスはこちらへ手を伸ばす。
標的は言うまでもなく、リディアで……
「あまり調子に乗るな、魔王の犬風情が」
僕は怒りに任せて、氷結魔法を放った。
向かってくる手を、指を、腕を凍らせ、全力でねじ伏せに掛かる。
『僕の妹には、指一本触れさせない』と決意しながら。
「ぐっ……!」
氷で覆われた右腕を見つめ、アガレスは眉を顰めた。
かと思えば────氷を噛み砕く。いや、食べると言った方が正しいかもしれない。
「おいおい……!こいつ、正気かよ!?下手したら、自分の腕まで食いちぎるかもしれないのに!」
「……成長前って、こんなに知能低いんだ」
ギョッとするリエートとドン引きしている特待生に、僕は思わず共感してしまう。
だって、こんな暴挙に出た敵は初めて見たから。
『そんなに空腹だったのか?』と頭を捻る中、レーヴェン殿下は蔓でアガレスの手足を拘束する。
が、意図も簡単に引きちぎられてしまう。
単なる植物とはいえ、かなり魔法で強化している筈なのに。
「なんつー馬鹿力だよ」
「お前も大概だけどな」
呆れたように肩を竦めるリエートに、僕は思わず言い返す。
だって、こいつも同じことをやってのけそうだったから。
『お、俺はもうちょい苦戦するって!』と弁解(?)するリエートをスルーし、僕は氷の矢を放つ。
が、あっさり避けられてしまう。
やっぱり、やりづらいな……。
獣に近い身のこなしだから動きを読めないし、飛行可能であるが故に行動範囲も広い。
捉え切るのは、難しそうだ。
『ちょっと趣向を変えるか』と画策していると、アガレスが顔を上げる。
どうやら、氷は粗方食べ終わったらしい。
若干皮膚の剥がれた右腕を前に、僕は少しばかり頬を引き攣らせた。
「本当に空腹なんだな」
「仕上げ段階に至るまで、ずっと絶食状態だったみたいですからね。飢えていても、おかしくありません」
床に落ちていた研究資料を手に取り、特待生は『ほら』と見せてくる。
促されるまま文章を読み進めていくと、そこには確かに『まだ絶食する必要あり』やら『絶食終了まであと〇日』やら書かれていた。
なるほど。魔族は最初に食べた生贄から、魔力量や属性などを引き継ぐ習性があるのか。
魔物とは、えらい違いだな。
『物凄く手間が掛かりそうだ』と辟易し、僕は資料を一瞥する。
「まあ、なんにせよ────これで終わりだ」
こちらへ……というかリディアへ突進してきたアガレスを見据え、僕はパチンッと指を鳴らした。
刹那────奴の体は内側から、凍っていく。
先程、食べた氷を一旦冷気に変えて再度固めたのだが……上手くいったようだな。
この手の魔術はあまり使わないため内心不安だったものの、無事成功して安堵する。
『このまま、心臓まで凍らせよう』と考える中、アガレスはガクンと膝をついた。
恐らく、凍傷の影響で上手く体を動かせなくなったのだろう。
立っているのもままならない程度には。
「め、し……」
体の痛みよりも空腹が勝っているのか、アガレスは尚も食事を要求する。
────と、ここでリディアがポケットを漁り始めた。
「リディア?」
突然の行動に驚き、僕は思わず声を掛ける。
が、リディアは聞こえていないようで一生懸命何かを探していた。
かと思えば、
「あった!」
と、表情を明るくする。
その手には、包装されたチョコが。
おい、待て。まさか────
嫌な予感を覚え、僕は直ぐさまリディアの手を引っ張った。
「やめておけ」
咎めるような声色でリディアを制止すると、彼女は眉尻を下げる。
凄く申し訳なさそうに。
でも、こちらを見つめるタンザナイトの瞳は真っ直ぐだった。
「お願いします、お兄様」
「絶対にダメだ。第一、あいつの主食は人間だろ」
「それは試してみないと、分かりませんわ。それに────飢えたまま、死んでいくなんてあまりにも可哀想です。せめて、最後にちょっとだけ満たしてあげたいと思うのはそんなにいけないことですか?」
人類の敵である四天王にまで心を砕くリディアに、僕は口を噤む。
ここで『ダメだ』と言い張るのは簡単だ。
強硬に反対すれば、なんだかんだ彼女は諦めてくれるだろう。
でも、きっと悔いは残る。
一生ソレを抱えて生きていく彼女を思うと、胸が張り裂けそうだ。
くそっ……僕も大概甘いな。
『こういう甘やかし方はしたくないんだが』と苛立ちつつ、僕はアガレスへ近づく。
────リディアの手を引いて。
「チッ……!このお人好しめ、恩を仇で返されても知らないからな」
『まだここで捕まる訳には……!』と懇願し、学園長は頭を下げる。
なりふり構わずといった様子で頼み込んでくる彼に、僕は一切心を動かされなかった。
隣に立つリディアはちょっと複雑そうだが、事が事だけに『はい、いいですよ』とはならない。
ただただ、気の毒そうに学園長を見つめているだけ。
「魔王に力を貸している者の願いなど、聞くつもりはない。諦めろ」
「そ、そこを何とかお願いします……!」
尚も食い下がってくる学園長に、僕は思わず溜め息を零す。
『これが大人のすることか』と思うと、あまりにも情けなくて。
仮にも、学園を管理する一族の長だろう?
何故、ここまで落ちぶれてしまったんだ?
『それでは、先祖に顔向け出来ないぞ』と呆れながら、魔術を使用した。
どうせなら、リディアの残した魔法の残骸────もとい氷を利用しようと思って。
『せっかく、妹が頑張ったんだから』と口角を上げ、僕は全て冷気に変える。
おかげで、学園長の足元は真っ白だ。
『やっぱり、冷気は重たいな』と思いつつ、上手くコントロールしていると、学園長が風魔法を展開する。
そして、何とか冷気をこちら側へ押しやろうとするものの……先程の転移魔法で魔力を使い果たしたのか、風は直ぐに止んだ。
かと思えば、ものの数秒でバタンと倒れる。
「老体に寒さは堪えるようだな」
青白くなった学園長の顔色を見て、僕は肩を竦めた。
と同時に、温度を正常へ戻す。
このままでは、凍死してしまうため。
一応、リディアに火炎魔法を使ってもらうか?
いや、季節はもう夏だし、放っておいても大丈夫だろう。勝手に温かくなる。
そもそも口と頭さえ動けば他はどうでもいいため、そこまで世話してやる義理はなかった。
冷酷に学園長を突き放す僕の傍で、レーヴェン殿下は蔓を生成した。
かと思えば、スルスルとソレを伸ばし、学園長の頬を軽く突く。
が、ピクリともしない。
完全に気を失ったとみて、間違いないだろう。
「思ったより、呆気なかったね」
抵抗らしい抵抗がなかったことに、レーヴェン殿下は苦笑を漏らした。
『もっと苦戦するかと思ったんだけど』と述べつつ、学園長を縛り上げる。
あっという間に蔓でグルグル巻きにされた学園長を前に、僕は小さく肩を竦めた。
「リディアがずっと粘って、相手を消耗させてくれていましたからね」
「ご自慢の“空間支配”なんて、もうほぼ使い切っていたもんなぁ」
「辛うじて保っていた空間も、リエート様に切り裂かれていましたし」
『あの時点で相手方はほぼ詰んでいたでしょ』と零し、特待生は立ち上がる。
リエートの手を引いて。
どうやら、『光の乙女』の能力である程度回復出来たようだ。
先程より、明らかに顔色がいい。
使用時間も僅かだったから、そこまで酷い反動じゃなかったんだろう。
まあ、なんにせよ動ける状態になってくれて良かった。
────学園長と違って、あっちは機動性も兼ね備えているようだから。
いつの間にか天井にへばり付いていた黒髪の男を見上げ、僕は『くくくっ……!』と低く笑う。
恐らく、冷気から逃れるため本能的に上へ避難したんだろうが……あまりにも不格好すぎた。
『これなら、楽に倒せそうだな』と考える中、アガレスは
「飯……飯……飯……」
と、譫言のように呟く。
リディアを凝視した状態で。
つまり、奴は僕の妹を食材認定しているのだ。
『こいつ……!』と眉を顰める僕の前で、アガレスはこちらへ手を伸ばす。
標的は言うまでもなく、リディアで……
「あまり調子に乗るな、魔王の犬風情が」
僕は怒りに任せて、氷結魔法を放った。
向かってくる手を、指を、腕を凍らせ、全力でねじ伏せに掛かる。
『僕の妹には、指一本触れさせない』と決意しながら。
「ぐっ……!」
氷で覆われた右腕を見つめ、アガレスは眉を顰めた。
かと思えば────氷を噛み砕く。いや、食べると言った方が正しいかもしれない。
「おいおい……!こいつ、正気かよ!?下手したら、自分の腕まで食いちぎるかもしれないのに!」
「……成長前って、こんなに知能低いんだ」
ギョッとするリエートとドン引きしている特待生に、僕は思わず共感してしまう。
だって、こんな暴挙に出た敵は初めて見たから。
『そんなに空腹だったのか?』と頭を捻る中、レーヴェン殿下は蔓でアガレスの手足を拘束する。
が、意図も簡単に引きちぎられてしまう。
単なる植物とはいえ、かなり魔法で強化している筈なのに。
「なんつー馬鹿力だよ」
「お前も大概だけどな」
呆れたように肩を竦めるリエートに、僕は思わず言い返す。
だって、こいつも同じことをやってのけそうだったから。
『お、俺はもうちょい苦戦するって!』と弁解(?)するリエートをスルーし、僕は氷の矢を放つ。
が、あっさり避けられてしまう。
やっぱり、やりづらいな……。
獣に近い身のこなしだから動きを読めないし、飛行可能であるが故に行動範囲も広い。
捉え切るのは、難しそうだ。
『ちょっと趣向を変えるか』と画策していると、アガレスが顔を上げる。
どうやら、氷は粗方食べ終わったらしい。
若干皮膚の剥がれた右腕を前に、僕は少しばかり頬を引き攣らせた。
「本当に空腹なんだな」
「仕上げ段階に至るまで、ずっと絶食状態だったみたいですからね。飢えていても、おかしくありません」
床に落ちていた研究資料を手に取り、特待生は『ほら』と見せてくる。
促されるまま文章を読み進めていくと、そこには確かに『まだ絶食する必要あり』やら『絶食終了まであと〇日』やら書かれていた。
なるほど。魔族は最初に食べた生贄から、魔力量や属性などを引き継ぐ習性があるのか。
魔物とは、えらい違いだな。
『物凄く手間が掛かりそうだ』と辟易し、僕は資料を一瞥する。
「まあ、なんにせよ────これで終わりだ」
こちらへ……というかリディアへ突進してきたアガレスを見据え、僕はパチンッと指を鳴らした。
刹那────奴の体は内側から、凍っていく。
先程、食べた氷を一旦冷気に変えて再度固めたのだが……上手くいったようだな。
この手の魔術はあまり使わないため内心不安だったものの、無事成功して安堵する。
『このまま、心臓まで凍らせよう』と考える中、アガレスはガクンと膝をついた。
恐らく、凍傷の影響で上手く体を動かせなくなったのだろう。
立っているのもままならない程度には。
「め、し……」
体の痛みよりも空腹が勝っているのか、アガレスは尚も食事を要求する。
────と、ここでリディアがポケットを漁り始めた。
「リディア?」
突然の行動に驚き、僕は思わず声を掛ける。
が、リディアは聞こえていないようで一生懸命何かを探していた。
かと思えば、
「あった!」
と、表情を明るくする。
その手には、包装されたチョコが。
おい、待て。まさか────
嫌な予感を覚え、僕は直ぐさまリディアの手を引っ張った。
「やめておけ」
咎めるような声色でリディアを制止すると、彼女は眉尻を下げる。
凄く申し訳なさそうに。
でも、こちらを見つめるタンザナイトの瞳は真っ直ぐだった。
「お願いします、お兄様」
「絶対にダメだ。第一、あいつの主食は人間だろ」
「それは試してみないと、分かりませんわ。それに────飢えたまま、死んでいくなんてあまりにも可哀想です。せめて、最後にちょっとだけ満たしてあげたいと思うのはそんなにいけないことですか?」
人類の敵である四天王にまで心を砕くリディアに、僕は口を噤む。
ここで『ダメだ』と言い張るのは簡単だ。
強硬に反対すれば、なんだかんだ彼女は諦めてくれるだろう。
でも、きっと悔いは残る。
一生ソレを抱えて生きていく彼女を思うと、胸が張り裂けそうだ。
くそっ……僕も大概甘いな。
『こういう甘やかし方はしたくないんだが』と苛立ちつつ、僕はアガレスへ近づく。
────リディアの手を引いて。
「チッ……!このお人好しめ、恩を仇で返されても知らないからな」
78
あなたにおすすめの小説
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
盲目王子の策略から逃げ切るのは、至難の業かもしれない
当麻月菜
恋愛
生まれた時から雪花の紋章を持つノアは、王族と結婚しなければいけない運命だった。
だがしかし、攫われるようにお城の一室で向き合った王太子は、ノアに向けてこう言った。
「はっ、誰がこんな醜女を妻にするか」
こっちだって、初対面でいきなり自分を醜女呼ばわりする男なんて願い下げだ!!
───ということで、この茶番は終わりにな……らなかった。
「ならば、私がこのお嬢さんと結婚したいです」
そう言ってノアを求めたのは、盲目の為に王位継承権を剥奪されたもう一人の王子様だった。
ただ、この王子の見た目の美しさと薄幸さと善人キャラに騙されてはいけない。
彼は相当な策士で、ノアに無自覚ながらぞっこん惚れていた。
一目惚れした少女を絶対に逃さないと決めた盲目王子と、キノコをこよなく愛する魔力ゼロ少女の恋の攻防戦。
※但し、他人から見たら無自覚にイチャイチャしているだけ。
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
【完結】溺愛?執着?転生悪役令嬢は皇太子から逃げ出したい~絶世の美女の悪役令嬢はオカメを被るが、独占しやすくて皇太子にとって好都合な模様~
うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
平安のお姫様が悪役令嬢イザベルへと転生した。平安の記憶を思い出したとき、彼女は絶望することになる。
絶世の美女と言われた切れ長の細い目、ふっくらとした頬、豊かな黒髪……いわゆるオカメ顔ではなくなり、目鼻立ちがハッキリとし、ふくよかな頬はなくなり、金の髪がうねるというオニのような見た目(西洋美女)になっていたからだ。
今世での絶世の美女でも、美意識は平安。どうにか、この顔を見られない方法をイザベルは考え……、それは『オカメ』を装備することだった。
オカメ狂の悪役令嬢イザベルと、
婚約解消をしたくない溺愛・執着・イザベル至上主義の皇太子ルイスのオカメラブコメディー。
※執着溺愛皇太子と平安乙女のオカメな悪役令嬢とのラブコメです。
※主人公のイザベルの思考と話す言葉の口調が違います。分かりにくかったら、すみません。
※途中からダブルヒロインになります。
イラストはMasquer様に描いて頂きました。
婚約破棄を望む伯爵令嬢と逃がしたくない宰相閣下との攻防戦~最短で破棄したいので、悪役令嬢乗っ取ります~
甘寧
恋愛
この世界が前世で読んだ事のある小説『恋の花紡』だと気付いたリリー・エーヴェルト。
その瞬間から婚約破棄を望んでいるが、宰相を務める美麗秀麗な婚約者ルーファス・クライナートはそれを受け入れてくれない。
そんな折、気がついた。
「悪役令嬢になればいいじゃない?」
悪役令嬢になれば断罪は必然だが、幸運な事に原作では処刑されない事になってる。
貴族社会に思い残すことも無いし、断罪後は僻地でのんびり暮らすのもよかろう。
よしっ、悪役令嬢乗っ取ろう。
これで万事解決。
……て思ってたのに、あれ?何で貴方が断罪されてるの?
※全12話で完結です。
モブが乙女ゲームの世界に生まれてどうするの?【完結】
いつき
恋愛
リアラは貧しい男爵家に生まれた容姿も普通の女の子だった。
陰険な意地悪をする義母と義妹が来てから家族仲も悪くなり実の父にも煙たがられる日々
だが、彼女は気にも止めず使用人扱いされても挫ける事は無い
何故なら彼女は前世の記憶が有るからだ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる