アイドル候補生の初めてもらったテレビの企画が「天才アイドルは異世界で勇者になれるのか」だった件

静内燕

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フィテアトル編

新たな3神官の1人

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 そして──

「──ぐっ」

 リルカに攻撃が命中し、リルカの体が吹き飛ぶ。
 カラブロは彼女に接近し、前に立ち追撃を防ぐ、そして向かってくる光線状の攻撃をガードして感じる。

 この強さ、さっきまでの雑兵ではないと……

 その人物は他の雑兵と全く違うオーラを持ちながら目の前に立っていた。

「そうか、お前がいるんだったな」

 カラブロはその人物を思い出す、軍服を着た72師団のトップのヨーゼフ・ハインリッヒ。
 壮年で筋肉質の体型腕や額からは歴戦の傷が浮かび上がっており、それが経験深い軍人であることを物語っていた。

 自分も雑兵たちを100人近く相手をしていてそれなりに魔力を消費している。

「遊びは終わりだ、いくぞ!!」

 ヨーゼフがそう宣言してカラブロに槍を向ける、カラブロが戦いを覚悟したその時。
 本部の方から大きな爆発音が響き渡る。

 全員が本部の建物に視線を向ける、すると頂上にかつて敵として戦ったあの人物がいた。

「ヨーゼフ、お前の相手はこの俺だ!!」

「信じていました、お兄様!!」

 リルカは驚いて叫ぶ。
 ミリートだった。
 すでに戦えるくらいにまで体力は回復し、それを手紙でカラブロとリルカに知らせた。
 しかしすぐにはリルカ達には合わせず別働隊として行動させていた。
 もし2人の潜入がばれてもその時はカラブロとリルカをおとりにして彼一人で情報だけでも手に入れるつもりだったからであった。

 しかし結果としてそのようなことは無く2人はこうしてここにいた。
 もちろんミリートも潜入に成功、さらに書類関係に部屋まで潜入し、証拠の書類を差し押さえるとその事実をカラブロの持っている手紙に転送し、その事実を知った2人はこの施設の破壊を開始し今に至った。

「重要な証拠はすべて差し押さえてある」

 そう叫び、彼が魔力を駆使して一気にミリートに接近彼もミリートに戦う意思があることを察し戦闘の準備をする、そして交戦状態に入る。

 勝負は一瞬だった──
 ヨーゼフが槍をミリートに向けて薙ぎ払うと彼はそれをかわして上空へ移動、そこで魔力を使いヨーゼフの背後に方向転換そして術式を唱える──

「覇道なる力、闇をも切り裂き世界を貫く砲撃となれ──
 レジェンダリー・エクスプローション」

 ドォォォォォォォォォォォォォォォォン!!

 鼓膜が破れんばかりの豪然が放たれ、極光と業火がこの場を飲み込んだ。





「うぅぅ……」

 リルカが目を覚ます。周りを見る、建物や商船はさっきのミリートの爆発によって廃墟と化していた。

 立っているのは2人、ミリートとカラブロだった。
 話によるとこの後フィテアトルの兵士たちが来たらしく、ここにいた72師団の連中はあらかた捕らえたらしい。
 そしてリルカが起きたのに気付いたミリートが話しかける。

「すまなかったな…… 待たせて、これからは一緒に行動することになった、よろしくな」

 リルカは思わず涙した。久しぶりの最愛の兄とのご対面、そして一緒に戦うことの決意に……
 そして彼の胸に顔を埋め、ただ一言囁く。

「よかった、お兄様、お願いします」

 ──と。







 3皇戦当日、幸乃とベルは1回目のようにボルフス=マルク宮殿に朝到着した。
 決戦もマイエル家の直轄地の庭で行われるらしく、2人はすぐに馬車に連れられその庭に移動した。

 ほどなくして使用人が運転する馬車に連れられて入口に到着。

「幸乃さん、おはようございます」

 大人しくかつ大人びた声で赤い髪の毛でロングヘアー、三つ編みの髪型をしていた女性シンクレアがそこにいた。
 幸乃があいさつをして言葉を返す、周りを見るとシンクレア、ロニー、レオポルト、ジャミアも既にこの場に来ていた。

 そして決戦の地の庭園に視線を向けると明らかに異質な物体が空中にあった。
 幸乃の視線の先にあったもの、上空に雲とは明らかに違う真っ黒い霧だった。

「行きましょう、立ち止まっていたって何にもならないですもの」

 シンクレアがほほ笑んで周りに話しかける。

「そうだよ、行こう!!」

 ジャミアがそれに反応する、そして6人は大きなドアを開け、庭の中に入り始める。
 そしてヴェラッティのライトニングビジョンも発動、6人の姿がフィテアトル中に移される。

「上空の霧が晴れていきますわ……」

 シンクレアの囁き通り上空にあった真っ黒な霧が晴れていく。するとその中心に巨大な球状の物体が突然出現し始める。
 そしてその球体はフィテアトルの方向を目指してゆっくりと動き始めた。

「恐らくそうだと思います」

 全員がその物体に視線を集める中、シェリンが答え始める。

「ああ、感じるぞ、世界を暗黒に包むオーラが」

 シェリンがその球体のオーラから確信する
 冥王軍の3神官の1人その名前をシェリンは知っていた。

「これが冥王の3神官の1人ジェノサイド・キング・レベリオじゃ」
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