アイドル候補生の初めてもらったテレビの企画が「天才アイドルは異世界で勇者になれるのか」だった件

静内燕

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フィテアトル編

潜入捜査

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そして取引を始めるために荷物を取り出すため後ろの大きな荷物入れを空けると……

「よ!」

 そこには兵士たちを待ち構えていたリルカとカラブロの姿があった。
 72師団の秘密を暴くため、シンクレアたちからある程度の情報を得ていた2人は横流し組織をあらかじめ倒しておいて全く同じ服装と馬車を用意して彼らを待ち伏せしていたのだった。
 アルコーンを名乗る人物もカラブロの部下達が扮した姿だった。

 突然の出来事にあっけにとられる7人、そのスキを逃さずカラブロとリルカは奇襲をかける

 勝負は一瞬だった
 2人は気を失った兵士の3人の両手を縛った後近くの林へ隠す

 そして2人はあらかじめ作っておいた偽物の身分証と専用の服を用意、着替える

「まずは大成功だな」
 カラブロが無表情で囁く。そしてあらかじめ呼んでおいたブリトン教の戦闘員5人と合流する、彼らはあらかじめ用意しておいた72師団の軍服に着替え、馬車を使ってこの場所を後にした。

 馬車であらかじめ例のカプセルの内容を頼りに72師団の本部へ向かう。
 それはすでに深夜になり真っ暗な道だった、その道を1時間ほど進んでいくと前方に古びた小さめの城のようなものが見えてきた。

 カプセルの内容だとそれが72師団の拠点だった、入口に到着すると門番の兵士が2人ほどたっていた。
 リルカとカラブロ達、その部下達は偽造した身分証と書類を見せ、この次期に新しく入団してきたものだと説明する。門番の兵士達はそれらを信じ込み彼らを中に入れる。

 城門が開く

 そしてここからは施設の中になる。


 5分ほど歩くと、鉱山の中になる、事前に得た情報によると工場はそこを通った先にあるようで、その中を2人は進んでいく。

 その様子を2人は見る、そしてリルカが複雑な表情になる。

 監視員の人は軍服を着ていて働いている人達に高圧な表情をとっていた。
 命令口調で蹴っ飛ばしたり、時折疲労からか動きが遅くなっている労働者を鞭でビシバシとしばきもっと速く動けと叫ぶ。

 労働者は頬は痩せこけ、憔悴しきっていた表情でなんとか鉱山から鉱石を取り出すする動きを早くする。

 カラブロはブリトン教の活動の中でこのような噂を聞いたことがあり、それをリルカにも説明する、この地下には鉱山があるようでその発掘作業に地方から安く亜人の労働者を受け入れて奴隷のように働かせることで大量の利益を経ているとのことだった。

 さらに歩くと鉱山から出て居住区に様なところになる、まるでタコ部屋のような場所の彼らの居住区を通り過ぎる、階段を上がり、外へ出る、5分ほど歩くと大きな川沿いの港にたどり着く。

 そこでは木の箱で大量の物資が行き来していた。
 リルカはその木の箱を見ると見たこともない物が大量に入っていて驚く。

「こんな植物、見たこと無いです、分かりますか?」

 小さな声でカラブロに質問すると彼が答える。
 これは冥王の兵士たちが養分にしている本来この世界の物ではない植物だと。

 冥王軍の兵士達はエネルギーの摂取の仕方が通常の人間や亜人とは違う。
 のエネルギー源となるのはクタートという特殊な草であった。
 それは赤色をした草で、膝下ほどの高さをしているが、どこか不気味な形をしていて葉っぱの形一つとっても奇妙な形状をしていてこの世界で生まれた物ではないというのがすぐに理解できた。

 リルカはサンプルとしてあとで幸乃達に渡そうとその草を少しポケットにしまう。

 さらに2人は作戦を遂行するため辺りをうろつく。


「政府からの者です」
 迎えに来ていた管理役、エルドに話しかける

「あ、わかりました」
 彼らは偽造した書類を工場の管理役に見せる、
 すると彼は完全に信じ切って頭を下ると自分の部屋に帰ってしまった

 そして彼らは麻薬を運びに堂々と工場へ足を運んで行った


 10分ほど歩くと港があり、大きな川を船で麻薬を運んでいた。
 船は巨大な大きさの木製の船で
 船腹が広くて長さが短い商船タイプの船が何隻か停泊していた。

 それに奴隷らしき人達が荷積みを行っていた。だれもひそかにやったり隠すそびれも無く堂々と違法な植物を扱っている姿がここにあった。
 周りに住人はいない、それゆえ警備の届かない無法地帯となりこういった工場がたっても誰も気づいていなかった……

 その時、カラブロは何かに気付いたようでポケットから1枚の手紙を出す。
 そしてそっとリルカに話しかける。

(リルカ、用意は出来た)

(わかりました)



 2人の放った攻撃は商船に命中、船は爆発し燃え始める。
 慌てて敵たちはそれぞれのデバイスを繰り出し、2人に向かっていき、戦闘が始まる。


 カラブロはデバイスの槍で向かってくる相手を次々になぎ倒していく。
 接近戦がリルカも術式を工夫しながら戦い次々に相手どっていく。

 しかし次から次に湧いてくる敵たちに流石の2人も苦戦し始める。
 すぐにリルカは立ち上がり、反撃を開始する。
 カラブロも予想以上の敵の多さに考え始める。

 そして──

「──ぐっ」

 リルカに攻撃が命中し、リルカの体が吹き飛ぶ。
 カラブロは彼女に接近し、前に立ち追撃を防ぐ、そして向かってくる光線状の攻撃をガードして感じる。

 この強さ、さっきまでの雑兵ではないと……

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