追放鑑定士はダンジョン市場で偽物グルメを暴く ――屋台ひとつで成り上がり、王都の“味”を取り戻す――

ken

文字の大きさ
6 / 12

粘着質の科学者と、灰色の密会

しおりを挟む
「……さあ、吐いてもらおうか」



 レインの声は、深夜の空気よりも冷たかった。

 ロープで縛り上げられた二人の実行犯は、地面に正座させられ、青ざめた顔で互いに顔を見合わせている。

 だが、彼らの目にはまだ、諦めきれない狡猾な光が残っていた。



「へっ……知らねぇよ。俺たちはただ、路地裏で拾った粉を使っただけだ」

「そ、そうだ。誰に頼まれたわけでもねぇ!」



 しらばっくれる男たち。

 シルヴィアが不快そうに眉をひそめ、剣の柄に手をかける。



「往生際が悪いぞ。私の剣で、その記憶の扉をこじ開けてやろうか?」

「ひぃッ! 騎士サマ、乱暴は勘弁してくれよ!」



 男の一人が大げさに悲鳴を上げながら、身体を丸める。

 だが、それは演技だった。

 彼は懐に隠していた手を素早く動かし、地面に何かを叩きつけた。



 ボンッ!!



 破裂音と共に、強烈な刺激臭を伴う白煙が爆発的に広がった。

 目くらましだ。



「げほっ、ごほっ……!?」

「レイン、伏せろ!」



 シルヴィアがレインを庇うように前に出る。

 だが、その一瞬の隙に、男たちはロープの結び目を隠し刃で切り裂き、煙の中へと飛び出した。



「あばよ! バーカ!」

「このことは商会に報告して、次こそ殺してやるからな!」



 捨て台詞を残し、男たちが闇夜の路地へと駆け出す。

 足の速さには自信があるのだろう。煙が晴れる頃には、彼らの姿は迷宮市場の複雑な路地裏に消えているはずだ。



 ――本来ならば。



「……あー、そこ。右足の着地角度が悪いよ」



 不意に、闇の中から気の抜けた、しかし理知的な声が響いた。

 直後。



 ベチャッ!

 グチャアアァッ!



「ぶぎゃっ!?」

「な、なんだこれ!? 足が……動かねぇ!?」



 男たちの悲鳴が上がった。

 レインとシルヴィアが煙を払って視線を向けると、そこには奇妙な光景が広がっていた。

 逃げたはずの男たちが、路地の壁と地面にへばりついている。まるで蜘蛛の巣にかかったハエのように、半透明の緑色の粘液に全身を拘束され、もがけばもがくほど絡め取られていたのだ。



 その横に、白衣を纏った一人の青年が立っていた。

 ボサボサの黒髪に、瓶底のような丸眼鏡。手には試験管を持ち、満足そうに頷いている。



「うん、硬化速度3.5秒。粘着度は……想定の300%増しか。素晴らしいデータだ。やっぱり『沼スライム』の核を使ったのは正解だったな」

「……誰だ、あんた」



 レインが警戒して尋ねると、青年はクルリと振り返り、眼鏡の位置を直しながらニヤリと笑った。



「やあ、レイン君。君の『塩水鑑定』、感動したよ。実にエレガントで、そして科学的だった」

「……俺を知ってるのか?」

「もちろん。僕はセオ。セオ・アシュフォード。しがない錬金術師さ。君の料理と鑑定眼に惚れ込んで、勝手に見学させてもらっていたんだが……いやあ、役に立てて光栄だよ」



 セオと名乗った青年は、悪びれもせずに言った。

 シルヴィアが呆れたように溜息をつく。



「……また変なのが湧いてきたな」

「変人というのは心外だな、騎士様。僕はただの『真理の探究者』だよ」



 セオは軽薄に肩をすくめると、粘液でもがく男たちに近づいた。



「さて、実験動物諸君。この『拘束粘液』は、無理に剥がそうとすると皮膚ごと持っていかれるよ? 溶かすための溶解液が欲しければ……僕の友人の質問に、正直に答えることだ」



 セオの瞳が、眼鏡の奥で冷徹に光った。その狂気じみた笑顔は、ある意味シルヴィアの剣よりも恐ろしかった。



「は、話す! 全部話すから助けてくれぇ!」



 男たちは泣きながら、知っていることを洗いざらい吐き出した。



 指示を出したのは、やはり黒いローブの男――昨日の騒動で逃げたザガンだということ。

 そして、その指示を受けるために呼び出された場所が、市場の最奥にある『第三区画』の倉庫街であること。



「……『灰色倉庫』か」



 男の口から出たその名前に、セオが反応した。



「知ってるのか、セオ?」

「ああ。市場の帳簿に載らない、訳ありの荷物が搬入される場所だよ。正規のルートを通せない密輸品や、危険な魔法薬の原料なんかは、だいたいあそこに集まる。……つまり、そこが奴らの『毒』の供給口ってわけだ」



 レインの中で、パズルのピースが嵌まった音がした。

 偽物の食材、毒入りの霊蜜、そして屋台潰しの妨害工作。

 全てはそこから流れ出ている。



「……行くぞ」



 レインは短く告げた。

 時刻はもうすぐ夜明け前。闇が最も深くなる時間帯だ。動くなら今しかない。



「待てレイン、まさか乗り込む気か? 相手は何人いるかわからんぞ」

「だからこそだ。証拠を押さえるなら、荷が動いている時がいい。……それに、俺には心強い味方が二人もいるしな」



 レインはシルヴィアと、そしてセオを見た。



「シルヴィア、あんたの武力と騎士としての権限が必要だ。万が一の時は、俺を守ってくれ」

「……ふっ、調子のいい料理人だ。だが、乗りかかった船だ。最後まで付き合ってやる」



 シルヴィアは口元を緩め、愛剣の柄を撫でた。



「セオ、あんたはその知識と道具で、潜入のサポートを頼む。……報酬は、新作のピザ一枚でどうだ?」

「交渉成立だ! 君の作る『発酵生地とチーズの熱化学反応』……あれをもう一度分析したかったんだ!」



 奇妙なパーティが結成された。

 元・鑑定士の料理人、高潔な女騎士、そしてマッドな錬金術師。

 市場の闇を暴くには、十分すぎる布陣だ。



 市場の第三区画は、表通りの喧騒とは無縁の、死んだような静けさに包まれていた。

 巨大な石造りの倉庫が立ち並び、冷たい霧が地面を這っている。



 三人は物陰に隠れながら、慎重に『灰色倉庫』へと接近した。

 セオが調合した『消臭ミスト』のおかげで、魔物の番犬や鋭い嗅覚を持つ見張りにも気づかれずに済んでいる。



「……あそこだ」



 セオが指差した先。古びた鉄の扉の前に、数人の男たちが立っていた。

 ヴォルク商会の腕章をつけた見張りだ。

 そして、その奥から、一台の馬車が運び出されようとしている。



 レインは『異端の鑑定眼』を発動させた。

 距離はおよそ50メートル。だが、彼の眼にははっきりと見えていた。

 馬車の荷台に積まれた木箱。その中から滲み出る、ドス黒いヘドロのような靄。

 間違いなく、あの毒入り霊蜜の原料だ。



「……当たりだ。大量の『痺れ草』と『幻覚茸』が積まれてる」

「なんと……あんな量を市場にばら撒くつもりか」



 シルヴィアが憤りを露わにする。

 その時、倉庫の中から二つの人影が現れた。



 一人は、見覚えのある黒いローブの男。ザガンだ。昨日の騒動で顔にアザを作っているが、その態度は相変わらず横柄だ。

 そして、もう一人。

 ザガンと親しげに言葉を交わしている、フードを目深に被った男。

 その男が、ふとフードを直そうとして手を上げた瞬間。

 レインの視線が、男の胸元に釘付けになった。



 外套の下から覗いた、銀色に輝くバッジ。

 天秤と瞳を模した意匠。



「――ッ!?」



 レインの息が止まった。

 見間違えるはずがない。それはかつて、レイン自身も憧れ、そして裏切られた組織の象徴。

 

 ――『王都鑑定ギルド』の一級鑑定士章。



「……嘘だろ」



 レインの声が震えた。

 ザガンと密会しているのは、ただのゴロツキや裏社会の人間ではない。

 「本物」を保証し、市場の秩序を守るべき立場の人間。鑑定ギルドの高官だ。



「どうした、レイン?」

「……あいつだ。あいつが『供給元』の正体だ」



 レインはギリと歯を食いしばった。

 ガランドだけじゃなかった。

 組織そのものが、もっと深いところまで腐りきっていたのだ。

 ヴォルク商会はただの実行部隊。その背後で糸を引き、毒を「良薬」として鑑定し、市場に流しているのは、あろうことか鑑定ギルド自身だった。



「……皮肉なもんだな。偽物を排除すべき鑑定士が、偽物の親玉だったとは」



 レインの瞳に、怒りを超えた冷徹な光が宿る。

 それは、もはや料理人の目ではない。獲物の急所を見極め、確実に仕留める狩人の目だった。



「セオ、あの二人の会話、拾えるか?」

「お安い御用さ。『集音イヤーカフ』の出番だね」



 セオが耳に手を当て、小さな魔導具を調整する。



「……聞こえるよ。『昨日の騒ぎはどうなった』『例の屋台は始末したのか』……ああ、やっぱり君の話をしてるね。そして……『次の搬入は三日後』『例の"新商品"の実験も兼ねて』……?」



 セオの表情が曇る。



「……おいおい、穏やかじゃないね。『新商品』って、まさか霊蜜以上の毒薬を作る気か?」

「奴らをここで捕まえるか? 今なら奇襲で制圧できる」



 シルヴィアが剣を抜きかけるが、レインは首を振った。

 

「いや、ここでザガンたちを捕まえても、トカゲの尻尾切りで終わる。あのギルドの男――奴の正体と、決定的な証拠を押さえない限り、組織は潰せない」



 レインは冷静さを取り戻していた。

 怒りに任せて暴れるのは簡単だ。だが、それではリズのような被害者は減らない。

 根こそぎだ。

 腐った根っこを、一本残らず引き抜く。



「……一度戻ろう。作戦を練り直す」

「いいのか? 目の前に敵がいるんだぞ」

「ああ。最高のメインディッシュを仕上げるには、下準備が必要だからな」



 レインは倉庫の前で笑い合う二人の悪党を、その眼に焼き付けた。



(待っていろよ、鑑定ギルド。……お前らが捨てた『無能』が、お前らの喉元を食いちぎってやる)



 夜明けの光が、東の空を白ませ始めていた。

 それは市場の闇を照らす希望の光か、それとも血塗られた戦いの幕開けか。

 屋台『真実の匙』の戦いは、国家規模の陰謀へと繋がっていく。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

借金まみれの錬金術師、趣味で作ったポーションがダンジョンで飛ぶように売れる~探索者の間で【伝説のエリクサー】として話題に~

わんた
ファンタジー
「今日中に出ていけ! 半年も家賃を滞納してるんだぞ!」 現代日本にダンジョンとスキルが存在する世界。 渋谷で錬金術師として働いていた裕真は、研究に没頭しすぎて店舗の家賃を払えず、ついに追い出されるハメになった。 私物と素材だけが残された彼に残された選択肢は――“現地販売”の行商スタイル! 「マスター、売ればいいんですよ。死にかけの探索者に、定価よりちょっと高めで」 提案したのは、裕真が自作した人工精霊・ユミだ。 家事万能、事務仕事完璧、なのにちょっとだけ辛辣だが、裕真にとっては何物にも代えがたい家族でありパートナーでもある。 裕真はギルドの後ろ盾、そして常識すらないけれど、素材とスキルとユミがいればきっと大丈夫。 錬金術のスキルだけで社会の荒波を乗り切る。 主人公無双×のんびり錬金スローライフ!

地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした

有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

「お前の戦い方は地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん、その正体は大陸を震撼させた伝説の暗殺者。

夏見ナイ
ファンタジー
「地味すぎる」とギルドをクビになったおっさん冒険者アラン(40)。彼はこれを機に、血塗られた過去を捨てて辺境の村で静かに暮らすことを決意する。その正体は、10年前に姿を消した伝説の暗殺者“神の影”。 もう戦いはこりごりなのだが、体に染みついた暗殺術が無意識に発動。気配だけでチンピラを黙らせ、小石で魔物を一撃で仕留める姿が「神業」だと勘違いされ、噂が噂を呼ぶ。 純粋な少女には師匠と慕われ、元騎士には神と崇められ、挙句の果てには王女や諸国の密偵まで押しかけてくる始末。本人は畑仕事に精を出したいだけなのに、彼の周りでは勝手に伝説が更新されていく! 最強の元暗殺者による、勘違いスローライフファンタジー、開幕!

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る

神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】 元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。 ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、 理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。 今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。 様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。 カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。 ハーレム要素多め。 ※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。 よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz 他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。 たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。 物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz 今後とも応援よろしくお願い致します。

「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります

黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。 しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。 絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。 一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。 これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!

神は激怒した

まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。 めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。 ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m 世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

処理中です...