崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三話 誇りとプライドを胸に

受け流し完成(仮)

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「くそっ、まだまだ!」
 殴られ蹴られ転んでも、根性で立ち上がるナガレ。
「へっ、そうこなくっちゃな!」
「疲れてからが本番ってね~!」
 タネツとヒズマもニヤリと笑って武器を構え直した。二人とも汗まみれだが、疲労を気にする様子もない。
「さあ行くぞっ!」
 ナガレはマルチスタッフを縦にブンブン振り回す。相手に攻撃を分かりにくくして、力を溜める!
「来いや、ナガレぇっ!」
 タネツはタワーシールドを地面にどかりと置いて、両手で攻撃に備える防御姿勢を取った。巨大なモンスターの攻撃をも受け止める強力な構えだ。
(あれを突破するには、効き目の無い攻撃を重ねたってダメだ。一発で決めるんだ!)
 ナガレは考える。強い一撃で相手の防御を崩して弾き飛ばす。そんな石猿流の技を以前から特訓していたのだ。その名も……!
「これならどうだっ! 石猿流……秘技・牛魔壊ッ!」
 長棒を振り回したまま体を反転させ、タネツに背を向ける。回転の勢いがさらに早まり、タワーシールドの右端を強く叩いた!
 ガキィン!
「うおぉっ⁉︎」
 シールドの真ん中なら攻撃をまっすぐ踏ん張れるが、端っこを叩かれると体が傾いてしまう。タネツは弾かれたシールドに体を持っていかれ体勢を崩した。
「ここだ……」
「はぁぁぁぁぁっ!」
 しかし、攻撃の際ナガレに生まれたその隙を見逃すヒズマでは無い。ナガレの注意が逸れたと見るや否や、ロングソードを振りかざし素早く突撃。まっすぐ構えた刺突を放つ!

(いいやっ、もう隙を見せたりはしない! 受け流しのコツは……)
 その時、ナガレが持った長棒が滑らかに動く。すぐさま棒を寝かして横に構え、サイドステップで刺突を回避した。それと同時に長棒を滑車のレーンのように押し付け、ヒズマの勢いをそのまま後ろに『受け流した』! 直後にナガレは長棒を傾け、隙だらけのヒズマを足払い!
「えっちょっ……きゃっ⁉︎」
 ドサァッ!
 ヒズマからすれば、目の前から急にナガレが消えて、勢いそのままにつんのめったという状況だ。避けられもせず足払いをくらいすっ転んだ。
「あ……」
 ナガレが力無くマルチスタッフをだらりと下ろす。

「で……でき、た……?」

「すげぇ……すげえよ、ナガレーっ!」
 ルックの歓声と共に、みんな一斉にナガレへ駆け寄った。ヒズマまでが素早く跳ね起きナガレの手をぎゅ~っと握ってくる。
「すごいわ、今の! ナガレ君にスタッフを押し付けられた時、全く体が動かなかったわ~!」
「それに見たかよ、俺のタワーシールドが跳ね飛ばされちまった!」
「すごいよナガレ君!」
「へ……へへっ、よーし!」
 ナガレも嬉しくて、ニッと笑った。ようやく毎日の厳しい特訓の成果が出てきたようだ。

~☆~☆~☆~☆~☆~

 その後しばらく特訓したが、受け流しを上手くできるかは五分五分だった。
「はーっ、はーっ……だ、ダメだ……もう腕が動かない……」 
 息を切らし、仰向けになって寝転がるナガレ。しばらく休まないと、フォークとスプーンも握れない……。やはり完璧にするにはまだ時間がかかるようだ。
「オレの技術はまだまだなんだ。だから受け流しをするには、ある程度には力がなきゃダメだ。そのためには、攻撃力も大切だな……」
 自分のパワー不足を実感したナガレ。
「でも、毎日こーんな砂袋を引っ付けて練習してるのよ~? 筋肉はそのうち付いてくるわ~」
「うむ、筋肉は一朝一夕で身につくものでは無いんだぜ。……さて、もう日が沈んじまうし、そろそろ帰るとすっか」
 夕日が今にも沈みそうになっている。きらきら輝くオレンジ色の光が、地平線を覆っていた。
「綺麗だな……この町の人たちは、こんな景色を知ってるのかな」
 思わず足を止めて、じっと見入ってしまう。
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