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第6章 少年期〜青年期 学園6学年編
7話 放課後の街ぶら
しおりを挟む「・・・失礼します・・・」(むぅ、人前で頭を撫でるのはやめてもらいたいが、図体がデカくても、弟は弟と、言うことか・・・( ̄^ ̄))
これまた少し不満そうな表情で踵を返し、そそくさと部屋から出ようとする僕を見て、クスクス笑いながら僕達に手を振り見送るヘリー姉様、いつまで経っても弟は姉に勝てない生き物なんだなって再認識した僕であった・・・・
そんな感じで、周囲の人達にも生暖かく見送られて、僕達は今、王都の学園通りと呼ばれる道をぶらぶらしながら帰っていっている所です。
「はぁ、“学園祭“の件は一旦保留になったから、今は待ちか・・・でも、却下された時の事を考えて代案も考えた方がいいかな?」
と、先程のヘリー姉様との会話を思い出しながらそう独り言をする僕に、
へティ「アトリー様、“学園祭“の事は返事がきてからまた考えましょう。今は、皆んなで流行りのお店回りを楽しみませんか?」
と、へティが気分転換を勧めてくれる。
「!…そうだね。今は、今この時を楽しまないとね・・・」
イネオス「そうですよ、今考えてもしょうがないですし・・・」(それに、ヘリー様がアトリー様のお願いを無碍にする事なんて絶対にないですからね、“学園祭“の催し物はもう決定した様なものです・・・)
「うん、だね・・・じゃあ、予定通り、噂になってるってお店に行こうか♪・・・それで、その噂のお店って、どこにあるのかな?この通りとは聞いていたけど・・・あ、あれかな?」
へティやイネオス達の気遣いをありがたく思いながら、当初の目的である最近人気になっていると言う、噂の店舗の場所を探そうとして、周囲を見渡してみると、僕達がいる場所から少し離れた所に行列ができている一軒のスィーツカフェを見つけた。
ソル「その様ですね。・・・しかし、かなり並んでる様ですが、どうなさいますか?」
「うん?いいよ、並んで待ってよう、皆んなで並んで待ってれば時間なんてすぐに過ぎるよ。それに、滅多にない放課後の遊び時間なんだから、目的のものを食べたいしね♪」
皆んな「「「「「「そうですね♪」」」」」」
ソルもその店舗に気づき、目的の場所だと確認が取れたが、予想以上に人が並んでいたことで、長く外で待たされる事を懸念したソルが、そのお店に入るかどうか聞いてきたが、今回のように僕が放課後に街中を友人達だけでぶらぶら出来る日は決まっているので、当初の予定通り、その話題のお店のスィーツを食べようと言うと、皆んなも賛同してくれた。(あ、6学年に入って友人達だけでの街ブラが許可される様になったんだよ。それと、友人達だけとは言ったけど、表立った護衛や馬車がないだけで、いつも通り家の影が密かに護衛してくれているよ!( ・∇・)あと、門限前に何故かキリがいいところでそれぞれの家の馬車が僕達を迎えに来るよ!)
と、言うことで、学園終わりの学園生徒達で溢れかえっている通りの中で、一際長い行列を作っているスィーツカフェの最後尾に並んだ僕達、女性やカップル達が大半の場所にしれっと紛れたつもりだが、やはり、かなり注目を集めてしまって、周囲はざわめき、並んでいる人達が一斉にコチラを振り返り、僕達が並んだ後ろに、学園からここまでずーっとついて来ていた女子生徒達も、当然のように後ろに並んだことで、さらに行列が長くなった。
「うーん、毎度行列に並ぶ時に思うけど、こうも騒ぎになってしまうのは、お店の方にご迷惑になってるんじゃないかと心配になってしまうなぁ・・・」
ついて来た女生徒達「「「「「っ!?」」」」」ぎくっ!!
僕が小声で、でも後ろには聞こえる様に魔法で操作し、店舗側の心配をすると、後ろから何やら息を詰めた様な音が聞こえた後に、数人の女子生徒がそそくさと行列から抜けて離れていく気配がした・・・
(ふぅ、ちゃんと空気を読んで数人離れて行ったな、あーでも、こう言ってもまだ残るぐらいの厚かましい女生徒がいるなぁ、なんかもう、開き直ってる感じの人もいる様だね・・・(*´Д`*))
ジュール『・・・だねぇ、・・・ん?何んか、おどおどしている人がいる、それに アトリーが好きって感じじゃないのは何でだろうね?』
天華『ふむ、必死な感じがする人もいますね?』
(そうだね?何か事情があるのかな?(・・?))
僕の後ろをついてきた女生徒達の中に、僕の遠回しな注意に気づかなかったのか、はたまた聞こえていても聞かなかった事にしたのか分からないが、かなりしつこいと感じるご令嬢達だけが残ってしまって、げんなりしていたが、ジュールや天華が僕の呟きで、後ろを伺って感じた感想を聞いて、僕にしつこくついて来る令嬢達にも何やらそれぞれ事情がありそうだな?と思っていると、
夜月『ふむ、・・・事情か・・・、しつこいの者の大半は“自分の都合“の様だぞ?』
(“自分の都合“?(・・?))
と、夜月が何やら彼女達の事情を知っている様な口調で話しかけてきたので、どう言う事だろうかと首を傾げると夜月はこう話を続けた・・・
夜月『あぁ、さっき、私達が列に並ぶ前まで、後ろの者達が近づけないように物理結界と遮音結界を張っていただろう?その間に後ろの者達が、何やら言い合いしていたのを結界の外にいた精霊達が聞いたそうだ。
どうやら、家族にアトリーを落としてくると大見え切ったとかで、そう簡単に諦められない者が2人が他の者達を牽制していたり、家が財政難でどうしても裕福な公爵家との繋がりが欲しい者達3人が、自分達にも引けない理由があると、切羽詰まった様子で叫んでいたりと、他にも、自分が選ばれて当然と思い込んでいる者達が2人が、アトリーが選ぶのは自分だと言い張って、互いを排除しようと取っ組み合いをしそうな様子だったそうだ。
後は財政難以外の令嬢達の取り巻きの一部が、家の付き合いでしょうがなくついて来ていて、肩身が狭そうにしているとか、付き合いで来たけど、もしかしたら自分にもチャンスがあるかも、とか、そう言った理由で後ろに並んでいると、精霊達が今報告してきた・・・』
夜月の話を聞く限り、どうやら、ご令嬢達の裏の顔を目撃した精霊達からの報告だったことがわかったが、そのご令嬢達の内情を知って僕が感じた事と言えば、
(おー、財政難のお家のご令嬢達は、親の経営力がないせいでこっちに縋ってくるのはちょっとお門違いな気がするな、僕なんかに構ってる暇があれば、少しでも家族と一緒に稼げる道を模索した方がいいんじゃなか?ってアドバイスはできるけど、その他のご令嬢達は論外じゃないか??(*´Д`*)僕を手に入れるって宣言した令嬢達は、そんな、宣言して意地張られても僕には関係ないし、って話だし、僕に選ばれるって、変な自信持っているご令嬢達には現実が見えてる?って感じだよね?おこぼれ狙いのご令嬢達は中々強かだけど、そもそもそんな根性じゃワンチャンもないよ?って言ってやりたい、そんな中でも、かなり不憫なのは家同士の付き合いで、こんなご令嬢達の付き添いの件を、どうしても断れなかったご令嬢達かね?今してる事がはしたない行動だって分かっていても、逃げ出すことができないのが1番可哀想だよねぇ・・・(*´ー`*)僕には心の中で“ドンマイ“としか言いようがないけど・・・)
と、貴族家同士のしがらみで付き合わされている、ご令嬢には同情の念は湧くけど、それ以外のご令嬢達にこれっぽっちも興味が持てず、むしろ迷惑極まりない理由にほとほと呆れる他無かった・・・・
そんな、念話を内面思考でしている間、表面思考では後ろにいるご令嬢達をガン無視で、噂になるほどのお店のスィーツを話題に盛り上がっていた。
「そう言えば、このお店は何のお菓子で有名になったのかな?」
へティ「あ、それはですね。“まっ茶菓子“と言う物で、そのお菓子の起源は、ここから遥か東方にある“ゾネオスト“という国が栽培加工している、“りょく茶“と言うお茶と同じ茶葉を乾燥厳選したものを粉砕し、そのままお湯に溶かして飲んでいた物を“まっ茶“と言うそうで、それのお湯に溶かす前の“まっ茶“の粉をお菓子に使ったのが起源だと聞いてますわ」
(!!!ま、“抹茶“だと!!?こ、この世界に“抹茶“が存在していたなんて!!!日本人のソウルフードの“抹茶“が!!?ヒャッホーイ!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+)
「・・・“抹茶“・・・気になるね・・・」
前世では“和梨“、“りんご“、“メロンソーダ“以上の大好物である“抹茶“の存在に、テンションが爆上がりした僕は、この国ではまだまだ目新しい存在である“抹茶“を食べたこともなければ、見たこともなく、何なら、今その存在を知ったぐらいのところに急に大好物だよっ!と言う訳にも行かないので、今現在、必死に内心のテンションを押し殺しながら、不自然にならない程度の返事が出来たことを誰か、大いに褒めて欲しいと思ったのは調子に乗り過ぎだろうか?!いや!そんなことは無いはず!むしろ最大限に褒めてもいいと思うぐらいだ!!
と、変なテンションを押し殺したまま、お澄まし顔をしていると・・・
ソル(・・・ふむ、アトリーはこの“まっ茶“と言う物がかなり気になっておいでの様ですね・・・これは入手先を確保できないか旦那様に進言しましょう・・・)
と、この時、ソルには僕のテンションの高さは筒抜けだったりする・・・
そうして、話題のスィーツの話で盛り上がっていると、列は順調に前に進んでいて、ちょうど前に並んでいたカップルが店員に呼ばれて、店内に案内され、次は僕達が呼ばれる番だと言うところまで来て、皆んなでもう少しだねとワクワクしながら呼ばれるのを待っていると・・・・
?1「邪魔だ!どけっ!!」ドンッ!
ロシュ君「わっ!?」よろっ
「「「「「!!?」」」」」
急に誰かが、列の先頭で少し後ろを向きながら、僕達の会話に参加していたロシュ君の背中を突き飛ばして、列の先頭に割り込んできた。
バッ ガシッ!「ロシュ君!大丈夫!?」
ロシュ君「だ、大丈夫です。ちょっと驚いて、よろけただけですから・・・」
「ほっ、よかった・・・それにしても、そこの貴方、何故こんな事をするんです?」
よろめいたロシュ君の身体を、ちょうど真向かいにいた僕が咄嗟に屈んで支えた事で大事に至らなかったが、かなり強い力でロシュ君を突き飛ばしていた人に僕は非難の目を向けた。
?2「あ゛?邪魔だったからどけただけだろ?なんか文句あんのかぁ?」
「・・・はぁ、ここは列に並ばなければ店内に入れないお店で、僕達はちゃんとその列に並んで、長い時間待ってこの列の先頭まで来ているのですよ?誰が見てもわかる様なこの状況で、わざわざ僕の友人を突き飛ばす行為をして、邪魔だったからって言う理由で誤魔化されたりしません。それに脅せば言う事を聞くと思っている様ですが、そんな脅しが僕達に聞くと思わない事です」
?3「ぁあ゛?貴族の坊っちゃまが、女侍らせていい気になってカッコつけるのはダサいぞ!??」
?4「もぉ~、お子様相手にいじめるのはやめなよぉ~」
?5「それより、早く中に入って話題のお菓子食べましょうよぉ~」
?6「そうね。長期の依頼でわざわざここまで来たんだから、楽しまなきゃねぇ~♪」
(この“学園通り“で国立学園の制服を着ている僕達に、堂々と喧嘩売って来るって事は、この国の事をよく知らない他国の冒険者達か?(*´ー`*))
ロシュ君を突き飛ばし、横入りして来たのはここら辺では見かけたことがない、冒険者風の装備と服装をした男3、女3の20歳前後ぐらいの6人グループで、僕が忠告しても完全にこちらを舐めきっている様子からして、この国の人間では無いことが分かった。
ソル「アトリー様、排除しますか?」
「そうだね。これ以上話しても言うことを聞かなそうだし、お店側にも迷惑がかかるだろうから、静かに制圧して衛兵隊に引き渡そう」
向こうがロシュ君を突き飛ばしたと同時に警戒体制に入ったソルやイネオス達、ソルに至っては、密かに魔力を練っていつでも魔法が打てるようにスタンバイして、僕にどうするか、いや、排除するか否かを聞いてきた。なので、僕はこれ以上の対話を断念し、すぐに捕縛の方針で行くと言うと、ソルやイネオス達もすぐに無言で頷き制圧体制に入った。
?1「はぁ゛?そんなことできると思ってんのかっ!?」 ?2「貴族の坊ちゃんが冒険者相手に勝てるとか思ってんのか!??あぁ゛!?」
僕達のやり取りを聞いて、すぐにイキってくる冒険者達に、僕は笑顔で最後に警告を出す。
「今すぐに謝罪し、ここから立ち去るのなら、痛い思いも捕まって処罰されることもないですよ?」
?3「はぁ?それはこっちの台詞だっつーのっ!!“この女男坊ちゃんがっ!!“」
ピキッ!(⌒-⌒)・・・スクッ!「・・・は?」(ロシュ君に謝罪する事もなく、僕に向かって“女男“って言ったな!!??( ゜д゜))
皆んな「「「「「『『『『『あーぁ・・・』』』』』」」」」」
ここ最近で、1番言ってはいけないワードが聞こえた僕の脳内で、カーンッ!!と戦闘開始のゴングが、今なった!!WWW
次回!!喧嘩を売ってきた冒険者達はどうなるのか!??WWW
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