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第3章 少年期 学園編
141話 神職とは?2
しおりを挟む「・・・・うん、やっぱりできなかったか・・・」
勇気を出して治療を買って出てくれた“侍祭“の男性でも、患者の男の傷は治せなかった。そしてその様子をじっくり“見た“僕はこう結論付けた。
(あれは治療しようとしてる魔法を毒性を持った汚れた気、まぁ、“瘴気《ショウキ》“とでも呼ぼうか、その“瘴気“が魔法の魔力を押し返している?阻んでいる?感じだね・・・)
春雷『確かに“不浄な澱み“を感じますね・・・』雪花『あまり近寄りたくないです・・・』
先程まで静かにしていた精霊達にも“瘴気“が見えているようで、近寄りたくないと嫌そうな声をあげた。
天華『ふむ、ならば、その“瘴気“を“穢れ“と認識して、聖魔法の“ピュリフィケーション“を使って“浄化“してしまえば、治療魔法が通るのでは?薬の中毒性も抜く事ができますし・・・』
(お、それなら教会の人でもできるかな?)
天華『どうでしょうね?“司教“程の人ならば、聖魔法を使える人がいるかもしれませんが・・・』
天華の提案を教会の人ができるか確認してみると、できる人は限られていると返事が返ってきた。
(あー、聖魔法は使える人が少ないんだっけ?“司教クラス“の神職じゃないと聖属性を持っていないのか・・・うーん、どうしようか?)
いっその事、自分が治療した方が早いか?と思い始めている時・・・
患者の男「あ“あ“ぁ~~!!くそっ!なんで、治せねぇんだよっ!いてぇんだよ!早く治せって!!」
ドンッ!ガッシャーンッ!
「うわっ!」 「キャァーッ!!」
「「「「「!!」」」」」
(急に暴れ出したね・・・・薬の効果が切れたのか?)
急に暴れ出し、自分の座っていた椅子を炊き出しのご飯がのっていた机に投げ飛ばした患者の男。いろんな物が散乱し近くにいた人達は叫び声を上げながら距離をとり逃げ惑った。神殿騎士達は神官達を守るべく前に出た。うちの護衛騎士達もすぐに僕達を守る体制にはいり、男を警戒した。その護衛達の体の隙間から男の様子を伺っていると男の言動が支離滅裂になり出したのに気づいた。
患者の男「何で、何で、治せねぇんだ!すぐに治せるって言ったじゃねぇか!ここに来ればすぐに治せるって!いてぇんだから早く治せよっ!くそっ!くそっ!・・く、薬っ!薬っ!薬どこだっ!薬を寄越せっ!っ・・・な、なぁ、あんた、薬どこだよぉ~~!」
(何言ってんだあの人)
シスターちゃん「え?・・・っ!きゃぁっ!こっ、来ないでください!」
怪我の痛みと薬の副作用の禁断症状で支離滅裂な事を言いながら、顔を醜く歪めた男がシスターちゃんに迫っていた。
護衛騎士1「近づくな!」グイッ
患者の男「ぐっ!」ドサッ!
「“アースバインド“、ついでに“ピュリフィケーション“」
患者の男「ぐっ、がぁぁぁっ!!」
迫ってきた男に対し護衛騎士が素早く対応した。護衛騎士が男を押さえつけている隙に僕が出した“アースバインド“で地面に縛りつけ、続けてすぐに“ピュリフィケーション“をかけると、男の全身から黒いモヤが出てきて光の粒となって消えていった。
(なんだ、あのエフェクト??“浄化“された、ってことでいいのかな?(。-∀-))
天華『大丈夫ですよ、ちゃんと“浄化“されています』
春雷『澱みが消えました!』雪花『うん!空気も綺麗になった感じがする!』
(ん、そうみたいだね。後は治療するだけだけど、ここはシスターちゃんの名誉挽回のチャンスかな?)
初めての“瘴気“の“浄化“で自信がなかったが、再度、患者の男の状態をよく確認するために“見てみた“。天華達のお墨付きも出たので後は怪我の治療だけとなったので、先程まで治療魔法が下手くそだと罵られていたシスターちゃんに、名誉挽回の為の治療魔法をお願いすることにした。
「神官さん、あの人にもう一度、治療魔法をかけてあげてください」
シスターちゃん「えっ?で、でも・・・」
ポンッ
「大丈夫ですよ。次はちゃんと魔法はかかりますから」ニコッ
シスターちゃん “ぽっ“「は、はい!や、やってみます!・・・慈悲深き女神の癒しを哀れな我らに与えたまえ。“ハイヒール“!」
自信なさげなシスターちゃんの肩を軽く叩いて励ましたら、顔を赤くして気合を入れて患者の男に治療魔法をかけた。すると、徐々に男の顔色が良くなり、腕の怪我の傷も塞がっていった。
(うん、ちゃんと怪我は治ったね。・・・しかし、治療魔法の傷の再生速度ってあんなに遅いもんだっけ?( ´∀`))
夜月『あれが普通だと思うぞ・・・』
(・・・さよですか・・・( ̄∇ ̄)・・・んっと、もしかして、いや、もしかしなくても僕の“超回復スキル“って“かなり”優秀?(´・Д・)」)
天華『“凄く”優秀です』
夏休みにしたスキルの実験で見た自分の“超回復“のスキルより、今見た治療魔法の怪我の治りが明らかに遅いことに気がついた。何なら、自分が使う治療魔法より治りが遅かった。治療魔法の威力は魔力の調整でどうにかなるが、スキルである“超回復“は全くもって調整が効かない。むしろスキルレベルが上がるにつれ回復速度が速くなっていく代物だからだ。
(・・・ん、分かった・・・人前で大きな怪我しないように気をつける(・∀・))
天華『その方がいいでしょうね、まぁ、アトリーが大きな怪我をする事はそうそう無いでしょうけどね』
なので基本的に結界で守られている僕が、万が一怪我をしようものなら、治療魔法を掛けるより早く怪我が自動的に治ってしまう。と言う事は“超回復スキル“を持っているのがバレてしまう恐れがあるから、人前で怪我をしないよう気をつけると心に決めた。
彩ちゃん「アレは惚れたわね」夢ちゃん「またやっちゃってるね」ソル「また、無意識にあのような行動を・・・」仁「アレを無意識にしちゃうのかぁ、なんか男して敵わないなぁ」ベイサン「男前ですよね・・・」イネオス「見習いたいところですが僕には無理です・・・」母様「あらら、アトリーったら、人気者ね」リアさん「アトリー坊っちゃまにこれと言った意図はないようですが・・・」ヘティ「アトリー様はどなたにでもお優しいですから」オーリー「また被害者が・・・・」カイン「そうですね・・・」
(聞こえてんぞっ!そこっ!(*゚▽゚*)惚れさせとらんわ!普通に励ましただけじゃい!何が被害者じゃい!( *`ω´))
「何か?」ニッコリッ!
彩ちゃん「いいえ?何も?」夢ちゃん「何のことかな?」ソル「お気をつけてください」仁「何でもないよ?」ベイサン「かっこいいです!」イネオス「頑張ります!」母様「あらあら?ふふっ♪」リアさん「アトリー坊ちゃん期待を持たせてはダメですよ?」ヘティ「気をつけてくださいましね?」オーリー「何でもございません」カイン「申し訳ございません」
僕達の後ろからコソコソはしてない話し声が聞こえてきて、良い笑顔で振り返った。それに対して惚けたり、誤魔化したり、褒められたり、気合を入れたり、謝罪されたり、何故か1番多いのは注意を促されたりと、訳のわからない返事が返ってきた。そんなやり取りをしている間、僕の励ましを受けたシスターちゃんが瞳を潤ませ、熱い眼差しで僕を見つめていたことに、この時の僕は全く気づかなかったのだった。
「もうっ!」ぷくぅ
(皆んなして揶揄ってくるんだから!しかも一人一人にツッコミ入れ切れないよ!o(`ω´ )o)
皆んなの揶揄いに拗ねて頬を膨らましていると、神殿騎士を連れた神官・“枢機卿“がこちらにやって来ていた。
枢機卿「お話中失礼します。私はイエロザーパト聖教国で司教の位を授かり、外交部門の官職についております。“アヴァール・モーメン・カルデナル“と申します。この度は当方の神官をお助け頂き有り難う御座います。宜しければお名前をお伺いして宜しいでしょうか?」ニコッ
礼儀正しく挨拶をして来たモーメン枢機卿。見た目は少し色黒の黒髪で、黄色い瞳に眼鏡を掛けた賢そうな好青年。でもその笑顔が何処か胡散臭さを醸し出している。
*イエロザーパト聖教国とリトス教、その全ての神官の名前には、名前の1番最後に神職としての階級や聖教国内での役職を示す称号がつけられる。
今回“アヴァール・モーメン・カルデナル“さんの場合は“アヴァール・モーメン“までが本来の名前で、最後の“カルデナル“が枢機卿の役職を示している。だが、枢機卿は役職での称号であって、当然、神職としての階級も別にあるのだが、この場合、役職に神職の階級を持ち込まない(神職の階級でマウントを取ってはダメっ)と言った意味で、役職の称号を名乗るのが正しい。
*リトス教の神官の称号一覧
・教皇=聖王ーーーーーー[パープスト]
・枢機卿ーーーーーーーー[カルデナル]
・大司教ーーーーーーーー[アルソビスポ]
・司教ーーーーーーーーー[オビスポ]
・司祭ーーーーーーーーー[パストル]
・助祭・副助祭・侍祭ーー[フィデール]
・神殿騎士ーーーーーーー[ガーディアン]*神殿騎士も役職の称号なので神職の階級は関係ない。
・リトス教推薦の聖女・聖人ーーー[アイドル]
・神様が選んだ聖女・聖人ーーーー[オラクル]
(あー、この人は外交官さんかぁ、ぱっと見の好印象を与える表情作りはお手のものって感じだな・・・しかし、この人が今日の奉仕活動を急遽入れたのか?何の為に?・・・僕達が来るのを知っていたのか?だからわざと炊き出しを行ったのか?・・・だが、何がしたかったのかさっぱり分からん・・・)
母様「ご丁寧にご挨拶頂き有り難う御座います。私は本日こちらの教会に参拝させて頂くためにご連絡致していました。デューキス公爵家現当主の妻、シトリス・ノービレ・デューキスと申します。以後お見知り置きを・・・」
ここにいる全員を代表して母様が優雅に返事を返した。
モーメン枢機卿「なんと、デューキス公爵夫人であられましたか、当教会に公爵夫人自ら参拝頂けるとは光栄でござます。ですが、本日この様な騒動に巻き込んでしまい申し訳ございません。・・・宜しければ、今からでもご参拝なさってください。中の案内はこちらの者が詳しいので同行をお許しいただけると幸いです。それにそちらの皆様と年頃が近いと思いますのでお話も弾むかと思います」
「さぁ、ご挨拶を・・・」と、モーメン枢機卿に促されて、顔真っ赤のシスターちゃんはガチガチに緊張した様子で挨拶した。
シスターちゃん「は、はい!“ヒュムネ・スルージバ・フィデール“と申します。よ、よろしくお願い致します!」
(ふーん、シスターちゃんは一応“称号“持ちの神官さんだったのか、年も若いし、ストラを掛けてなかったから、まだ入りたてのペーペーなのかと思ったよ( ̄∇ ̄))
母様「まぁ、お若いのに治癒魔法が使える優秀なお嬢さんなのですね。案内の方よろしくお願いします。それと、この子は私の末息子のアメトリンですわ。後ろにおりますのはこの子の友人達です。さぁ、皆んな、ご挨拶を・・・」
母様にそう促されて僕から順に自己紹介をした。皆んなの自己紹介が続くなか、モーメン枢機卿は常に僕の方を視界の隅に捉えていた。
ジュール『ねぇ、この人、ずっとこっちを気にしてるよ?』
春雷『何か値踏みされている様で嫌な視線です・・・』
(だね?目的はジュール達?もしくは僕?それか両方?)
天華『両方でしょうね・・・、多分ですがこの枢機卿、自分の利益になりそうな私達を聖教国に連れて行きたいいじゃないですか?』
(あー、確かにそんな感じねぇ、アレだねエゴイストっぽい?でもまぁ、外交官なら自国の利益も兼ねて考えてるのか?)
夜月『多分違うと思うぞ?』
雪花『自分の為っぽい?』
(そう?まぁ、今の所僕をどうこうしたいって言動はしてないから一応様子見しましょうか(*´ー`*))
天華『・・・分かりました・・・』
そんな会話をしている間に僕達を教会に案内してくれる枢機卿とシスターちゃん。
平民街にある教会は見た目は前世のテレビで見た、フランスにあるノートルダム大聖堂にそっくりな立派な教会だ、それでも貴族街にある神殿よりは多少小さいが・・・
教会内は美しいアーチ状の天井をしていて高さがあり、礼拝堂の突き当たりには主神であるリトスティーナちゃんの像が鎮座し、静かで落ち着く雰囲気が漂って、美術的観点からもかなり美しく仕上がっている内装だ。
(おぉ~さすが、王都にある教会だね。外から見た大きさも他の領地の教会より大きかったし装飾も凝っていて綺麗だ)
僕が無言で感心している近くで、仁達やイネオス達も教会の中の装飾の凄さに感心の声をあげていた。
彩ちゃん「わぁ、凄いわね、海外にあるキリスト教系の教会みたい」
仁「そうだね、テレビで見たことのある教会に似てるね。でもなんか、想像通りって感じの建物だね」
夢ちゃん「うーん、凄く綺麗だけど意外性はなかったね」
ベイサン「そうですか?僕達の住んでいる領地の教会よりずっと煌びやかで綺麗ですよ?」
仁「うーん、ここが綺麗なのは分かるんだけどね。どうしても最初に見た幻想的な教会?と言うか、神殿?と比べちゃうとね・・・」
イネオス「あぁ、それなら仕方ないかもですね。あそこは実に神秘的で荘厳でしたから・・・」
雪花『仁君に同意~』
春雷『まぁ、美しいのはあちらの方が上でしょうね』
(おい、おい、あの神様達が作った海底神殿と比べたらいかんと思うぞ?・・・ん?あれ?仁達はこの世界の宗教に関する建物を見るのが、マルキシオスにある海底神殿が初めてって・・・あの子達は神殿で召喚された訳じゃないのか?)
仁達や春雷達のヒソヒソと小声で話している内容にツッコミを入れていると、ふっ、とあることに気がついた。仁達がこの世界に来た時の状況をよく知らないことに・・・
天華『そうですね、仁さん達は王城の地下に直接召喚されたと聞いています。魔法陣らしき物は見た様ですが祭壇などはなかったそうですよ』
(うーん?王城の地下ねぇ・・・そんな所で簡単に勇者召喚なんて行えるものなんかねぇ?)
天華『神々もこの事に疑問をお持ちで、詳細は現在調査中とのことですが、詳細が解明できたとしても極秘扱いになるので詳細をお話しできそうにないです』
(あー、そりゃ、あっちこっち気軽に勇者召喚されたらたまったもんじゃないだろうから、極秘扱いになるよなぁ。詳細が聞けないのはしょうがないか、早めに疑問が解決することを祈っとくよ・・・それにしてもこのシスターちゃん近くない?)
天華『ですね・・・』
こんな念話を交わしている最中でも教会内の案内は続いていた。
シスターちゃん「こちらの教会はこの国で2番目に大きいリトス教の建物なっているそうなのです。初めて来られる方は迷子になる程広いのですよ。事実、私も初めてきた時には迷子になってしまいまして、大変だったのです」
「へぇ、そうなんですね」
シスターちゃん「ですから、気になったことがあっても離れたりしないでくださいね」
「はぁ・・・」(これぐらいの建物で僕はそうそう迷ったりしないんだけどな・・・もし、迷ったとしても感知系のスキルがあれば皆んなの所に戻るのなんて簡単だしね( ´ ▽ ` ))
何故か人差し指を、前に突き出して念押しまでしてきたシスターちゃんに生返事を送ると、思い出したようにまた話しかけてきた。
シスターちゃん「あ、そう言えば、先程はバタバタして言い忘れてしまってました!先程は助けて頂き有り難う御座います!」
「いいえ、気にしないでください。あの時はたまたま僕が近くにいたので対応しただけですので・・・」
(だって偶然通り掛かりだっただけで、君が飛んできたのを反射的にキャッチしただけだし。なんなら護衛騎士でもキャッチはできたと思うよ?(*´Д`*))
シスターちゃん「で、ですが、助けて頂いたのは事実ですので、何かお返しさせてください!」
「え、そんな大袈裟になさらなくても良いんですよ。本当にたまたまですので・・・」
シスターちゃんは本気で恩返しがしたい様だが、僕的にはそこまでしてもらう様なことをした覚えもないし。彼女に深く関わる気も全く無かったのでお返しを断った。
シスターちゃん「まぁ、とても謙虚でいらっしゃるのですね・・・・「ぽっ」。あ、あの、唐突で申し訳ないのですがお聞きしてもよろしいですか?」
(いや、謙虚で言ってるんじゃなくて、面倒ごとはゴメンだと思ったから断っただけなんだけどな・・・)
「?なんでしょうか?」(なんなのさ?)
シスターちゃん「あ、あの!デューキス様は今ご婚約などなされている方はいらっしゃいますか⁉︎」
「・・・・いませんが・・・」
シスターちゃん「ほっ・・・そうなのですね・・・良かった・・・」ボソッ
僕に婚約者がいないと聞いて嬉しそうに微笑みそう呟いたシスターちゃん。
(え、なんで急にこんなこと聞いてきたのこの子⁉︎意味分かんないんだけど⁉︎え!もしかして僕の婚約者にでもなりたいの⁉︎)
夜月『本気なんだろうな・・・』
春雷『釣り合ってないのに気づいてなさそうですけど・・・』ボソッ
(ま、マジか・・・いや、大マジか・・・だって、守護結界が反応してないもんね(。-∀-)・・・えっ!ヤバッ!こういう時ってどうしたら良いのこれ⁉︎Σ('◉⌓◉’))
最初に教会を案内する時からシスターちゃんは何故か、列の先頭にいるわけでもない僕の横で僕に向けて説明をしていて。いつもなら僕の両横にはジュールと夜月が歩いているはずなのに、ジュールがシスターちゃんに遠慮して僕の前を歩いている。春雷が小声で何か言っていたが、彼女の質問で脳内で軽く困惑している間にも、凄く近くで悪意もなく僕の横にいるシスターちゃん。先程の質問の後もすぐに案内に戻り、ずっとそばを離れずニコニコとご機嫌な笑顔で僕に向かって案内を続けた。
(マジやべぇ、近すぎ、この子、僕のパーソナルスペースにズカズカ遠慮なしに入って来るんだけど⁉︎(*゚∀゚*)悪意が無いだけに大袈裟に距離取ることも出来ないんだけど⁉︎(*´Д`*)離れてって言っても聞いてくれないしどうしたらいいんだよぉ~(:-∀-)それにこの子かなりヤバい感じがするよぉ~!)
彩ちゃん「グイグイ行くねぇ、あの神官ちゃん」
夢ちゃん「私達、全然視界に入ってないねぇ~WW」
ヘティ「そうですね、でも、あまり期待なさらない方がいいと思うのですけど・・・」
仁「アメトリン君の方は興味無さそうだもんねぇ」
ソル「アトリー様は今の所、恋愛に興味はないと言ってらしゃいましたからね」
仁「そうなの?」
イネオス「まぁ、それも仕方ないですよ、アトリー様に近づいてくる女性達は、大半がアトリー様の能力や家柄、聖獣様方などが目的の方々が近寄ってきますからね」
彩ちゃん「あー、それは興味無くすの分かるわぁ~」
夢ちゃん「そう言う、裏がある人は面倒だよねぇ~、苦労してるなぁ、アメトリン君、でも嫌な顔せずに対応できてて凄いなぁっていつも思うよ」
ベイサン「まぁ、モテない人達からしたら羨ましい状況ではあるんですが・・・、あー、でも今回は少し嫌そうになさってますね・・・」
後ろの方で仁達の揶揄い混じりの会話を頭の片隅で聞きつつ、一生懸命シスターちゃんとの適切な距離を取る事に必死だった僕だった。・・・・ーーーー
ーーーーー・・・と、いったことがあり、結局その日の教会見学は全然集中できずに終わったのだった。
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