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第3章 少年期 学園編
142話 先の長い話??
しおりを挟むどうも!僕です!先日の事を思い出し、父様の影に隠れている僕です!
後方で何やらそこそこ言われていますが、今はそれどころでは無い状況です。
(悪意もなく純粋に好意を持ってくれるのは良いんだが、それがしつこいストーキングとなると話は別だよ!( *`ω´)なんでこんな所まであの子がきてるんだ?いくらリトス教関係者だからと言って王城のパーティーに聖女の格好で来ちゃダメでしょうが!o(`ω´ )o)
先日、平民街の教会であ会った神官の“ヒュムネ・スルージバ・フィデール“だ。そう名乗った彼女の神職としての階級は侍祭、副助祭、助祭のどれかであって、聖女ではなかったはずだ。なのに何故か今日は聖女の格好をして、王城のパーティーに参加しているのだった。
父様「アトリー、彼女に苦手意識があるのはわかっているけど、今後の事を思ったら多少は慣れておかないと後が辛いよ?なんせ、彼女は今学期からアトリー達と同じ学校に通うから」
「えっ!それは本当ですか⁉︎僕、先生から何も聞いてませんよ⁉︎」
父様「あぁ、それは仕方ないよ、通うクラスは別だからね。彼女の学力ではEクラスにしか入れなかったからね。・・・・・しかし、彼女は聖女の神職をおろされたはずだ。なのに今回また聖女の格好でパーティーに参加したのだろうか・・・?」
「ん?彼女は“元“聖女だったんですか?そんな方が何故この国に?留学?ですか?でもあの格好は?」
色々新情報が入ってきて少し混乱気味の僕。
(えーっと、ともかく彼女は今学期から同級生になるってことは分かったけど、なんで聖女の神職をおろされた人が今も聖女の格好してパーティーに参加してんの?この間あった時は彼女は“フィデール“って言ってた。それなら正装はシスターっぽい服に“黒“、“紫“、“赤“のどれかのストラをつけているはず。今みたいに聖女用の神官服にピンクのストラなんて掛けてたら、身分詐称で捕まるんじゃないか?(*´ー`*))
そんな感じで疑問に思っていると・・・
?「少しよろしいか?」
と、話しかけてきたのは銀髪赤目の長身で細マッチョの美形な男性。見た目は若い青年なのに、眼差しがどこか老成した感じで独特の雰囲気を纏っている。
(だれ?)
父様「おや、これは竜王国の外交特使ドラコーン殿、お久しぶりです」
(ん?竜王国?じゃあこの人は竜人族?父様とは顔見知り?( ´∀`)?)
外交特使「あぁ、デューキス公爵家の、少し大きくなったか?」
父様「はははっドラコーン殿、私は流石にもう大人ですのでこれ以上は大きくなりませんよ」
外交特使「ふむ、人族の成長は早いのだったな。うむ、あの小さな公爵子息も立派な大人になったものだ。30年の月日は早いな・・・」
しみじみと話す外交特使に苦笑い気味の父様。意外と気さくに話し、会話の内容からも2人の付き合いは長いようだ。
(父様の子供の頃からのお知り合い?( ͡° ͜ʖ ͡°))
長命種である竜人族には30年などはそんなに昔と言う感覚じゃないのだろう、と思い見ていると・・・
父様「それで?ドラコーン殿、本日はいかがなされた?」
外交特使「おぉ、そうだ、其方の後ろにいる“子“に用があったのだった」
(僕?)クイッ?
手で僕を指し示した外交特使殿、僕は今初めて会った彼が自分に何の用かと不思議に思い首を傾げた。
父様「?、息子にですか?」
外交特使「うむ、其方の息子殿の肩に居られる竜の聖獣殿に話があって声をかけたのだ」
(ん?天華に?何用でっしゃろ?(´・Д・)」)
天華『話し?』
父様「聖獣様にですか・・・アトリー、良いかな?まずご挨拶を・・・」
「はい父様、初めまして外交特使殿、僕はデューキス公爵家当主の三男、アメトリン・ノブル・デューキスと申します。以後お見知り置きを・・・」
*ここで言う“オクトゴン竜王国の外交特使“と言うのは、竜王国の国王直々に指名されて期間限定で担う役職だ。竜人は基本的に自由気ままで自分がしたい事を優先する気質であるため、竜王国の国政を担う役職につく者の殆どが、国王の独断で選ばれてほぼ強制的につく者が多い。期限付きの契約社員みたいな扱いになっている。その為、役職の名称が正式な名称ではなく外交“特使“や“特務“事務補佐官などと呼ばれている。(ついでに言うと役職の任期は基本的に50年単位で更新、もしくは交代したりしているので任期の年数的には人族の役職の任期年数と変わらなかったりする・・・)
外交特使「これは、先に名乗らずすまない。私はオクトゴン竜王国の外交を担当している、ケントニス・ドラコーンと申す。私の名前は適当にドラコーンとでも呼んでくれ。此度は召喚されし“勇者候補達“と“神々に寵愛されし聖人“が参加すると聞き、物見遊山がてら参加したのだが、其方の肩に居られる聖獣殿を見た時にお聞きしたいことができて話しかけた。少し会話をさせてもらっても良いだろうか?」
父様に促されて型通りの挨拶を丁寧にした僕に、向こうもちゃんとした挨拶を返してきた。だがまぁ、パーティーに参加した理由の内容は中々面白かった。
(物見遊山って、遊びついでに来たのか?この人・・・それになんか、変な称号がつきそうなネーミングが聞こえたが気のせいだと思いたい・・・それはいいとして、天華?どうする?話したいってさ)
天華『ふむ・・・・良いでしょう、通訳をお願いできますか?アトリー』
(うん、いいよ、何なら神託スキルを使って話す?)
天華『いえ、それはやめておきましょう、ここは人が多すぎますから・・・』
(あー、そうだね、分かった、あ、あと、天華達の紹介はした方が良いかな?)
天華『私は構いませんよ。あ、でも名前を呼ぶのはやめて欲しいですね』
夜月『そうだな、向こうが天華に用があるだけなら私の紹介はしなくてもいいと思うぞ、向こうから聞かれれば答えてやってくれ』
ジュール『私もそれで良いかなぁ~』
(うぃ、了解・・・)
天華は会話するのはOKしてくれた、だが名前は教えてもいいが呼んで欲しくはないと言ったこだわりを見せ。夜月やジュールに至っては相手に1ミリも興味がなさそうな態度だった、これはもう傍観モードに入っていて、関わる気は皆無のようだ。
「紹介頂き有り難う御座います、ドラコーン殿。この度は僕の家族であり友でもある聖獣に御用と伺いましたが、まず先に紹介しますね。今僕の肩にいる彼女は“陽天竜の天華“と申します。ですが名前では呼んで欲しくないそうですので、今まで通り“聖獣殿“とでも呼んでくださいとの事です」
ドラコーンさん「“陽天竜《ヨウテンリュウ》“・・・うむ、了解した。・・・して聖獣殿、直接お声は聞かせて頂けないだろうか?」
「・・・少々お待ちください・・・」
外交特使の質問に僕は少し待ってもらうと天華の方を見てこう質問した。
(あー、ねぇ、もしかして竜人族の人って竜の言葉が理解できるの?)
天華『そうですね、できる者と、できない者、半々ってところですね。竜人族は竜と人族との間でできた種族ですので、竜の血が濃ければ理解できる者もでてきます。多分この者も理解できる方なのかも知れません』
(おー、やっぱり・・・で?どうする?直接話す?)
自分の予想が当たり納得した僕はすぐに本題に入った。
天華『うーん、そうですねぇ・・・アトリー意外と直接話すのは後々面倒ごとに繋がりそうです。アトリーにはお手数ですが通訳お願いできますか?』
(うん、良いよ。直接話せるのがわかると獣人王子とかの件もあるし、面倒な事になりそうなのも分かるから、気にしないで)
天華『有り難う御座います。アトリー♪』
そう言うと、天華は嬉しそうに僕の頬に頬ずりしてきた。
「ふふっ、天華くすぐったいよ。じゃあそう伝えるね」
天華『はい、お願いします♪』
「お待たせしましたドラコーン殿、申し訳ないですが、彼女は僕を介して会話をしたいそうです。なので要件はそのままお話しいただけますか?そうして頂けたら僕が彼女の言葉をお伝えします」
と、外交特使に伝えると彼は少し考えるそぶりをした後に少し微笑みこう返した。
ドラコーンさん「あい、分かった。聖獣殿と其方、デューキス子息はとても仲が良いのだな。それにこの話はデューキス子息にも聞いてもらっていた方が良いかも知れぬしな・・・」
「?そうなのですか?では、そのお話とは?」
ドラコーンさん「そうさな、簡単に言うと、竜の聖獣殿にある提案があって、その返答を頂きたく思う」
「提案ですか?」
ドラコーンさん「うむ、聖獣殿が良ければ、なのだが、“将来的“に聖獣殿の行き場がなくなった時に我が国に来て頂きたいと思っている」
(んん?天華に竜人国にきて欲しいって提案なのはわかったけど、“将来的に行き場がなくなる“ってどう言うことだ?( ̄∇ ̄)?僕は天華をこの先追い出したりするような事はしないぞ??)
天華『・・・・・っ、そう言う話ですか・・・』
外交特使のドラコーンさんが勿体ぶって言った提案の意味が、いまいち理解出来なかった僕。でもその反対に天華少し間を置いただけで提案の意味が理解できたようだ。
(?、天華、意味がわかったの?)
天華『はい、この竜人は今からもっと先のことを予想して聞いているのですよ』
(今じゃないの?)
天華『7、80年ほど先の話です』
(7、80年・・・あぁ!僕が死んだ後の話を今してるってこと⁉︎(*゚▽゚*))
天華『そうです。この竜人族にとって人族の一生などは自分達の人生の10分の1程度ですからね。今の内に私の将来の身の振り方を決めさせようとしているんですよ。“聖獣“は竜人族以上に寿命が長いですから・・・』
(あー、そうか、僕が寿命で死んじゃっても天華達の人生?は続くんだもんね・・・それで、この人は僕が死んだら竜がたくさん生息している竜王国に来ないかって言ってるんだね。ふむ、随分先の話だけど、確かに天華の残りの人生?を竜が沢山いる竜王国で暮らす方が居心地がいいかもしれないな・・・)
天華が僕に分かりやすく提案の内容の意味を教えてくれたので、彼の提案が僕の死んだ後の天華の余生を過ごす場所としては最適なのでは?と思い始めていた時・・・
天華『アトリー、何か忘れてませんか?』
(うん?何を?(・・?))
夜月『アトリー、我々は“聖獣“ではなく“神獣“だ、なので、“寿命が無い“。それにアトリーが寿命で死んだとしても、私達“神獣“は地上に与える影響が出るので地上の1つの所に留まることは出来ない、むしろ、神々から神界に呼び戻される可能性の方が大きい』
(あっ!忘れてた!そうだよね!皆んな“神獣“だった!それに、天華と夜月は地球世界の神様達の眷属だから、向こう世界の神の一柱になる可能性の方が高いのか?Σ('◉⌓◉’))
天華『まぁ、それもありえない話では無いですね・・・と、言う事ですので、この提案は却下で!』
と、言うことで、僕の考えはすぐに没になってしまったのだった・・・
(あ、はーい、了解でーす(*´ー`*))
天華のスッパリとした声で彼の提案はあっさり“却下“されてしまい、自分が死んだ後の事を考えさせられて悩んでいた僕の心境は、何とも複雑なものになってしまった。だが、これで彼らの今後を心配しなくいい事も分かって少し安心もした僕だった・・・
「ドラコーン殿、彼女は「その返答は少々お待ちいただけますか?」ん?・・・(げっ!)」
天華の返答をドラコーンさんに伝えようと話し始めた時、急に横から話を遮って来た人物がいた。人の話を遮る失礼な人は誰だ?と思って、声がした方に視線をやると、今日1番会いたくなかった人を連れた人物が目に入った。
天華『アトリー、心情と表情が一致してませんよ?』
(分かってるよ、わざとだからっ。今僕は心情を表情に出さなかった自分を褒め称えたい気分だよ!流石にただしつこいってだけで女の子に嫌な顔を見せずに済んで!(*゚▽゚*))
ジュール『相変わらず、悪意のない女の子には優しいね、アトリー』
今までの念話のやり取りの中ずっと伏せの状態で我関せずを貫いていたジュール(寝ていたとも言う)が、近づいてきた彼らの気配を感じ、身体を起こして僕を見た。
(まぁ、僕は基本的に女性には優しくするって決めてるの。じゃないと余計な摩擦が起きて面倒になるから(*´ー`*)それに彼女今の所、悪気がないんだもの)
ジュール『えっ、そんな理由?』
(一応、男性として女性に優しくするって意味もあるけど、1番の理由はコレだね、自分が元女性だった事もあって、女の男性がらみの恨みは半端なくめんどいって事がよく分かってるからね・・・人間の女って拗らせると陰湿で嫌になっちゃうぐらいめんどいんだよ?特に、男に振られて逆恨みする女が1番怖いしキモイ。これはストーカー体質の女性にありがちな行動だから気をつけなきゃならないんだ(´・Д・)」それに今の所、実害もないから無碍にもできないしね・・・)
聖獣達&精霊達『『『『『あー、それで・・・』』』』』
ジュール達3人+、ダンスホールに入ってからずっと静かだった春雷と雪花まで、僕の説明に納得した声を上げた。
前世で、自分は恋愛などはした事がない僕だったが、テレビドラマやアニメを見たり、他人の恋愛話や恋愛相談などは散々聞かされて来た僕は、女性の言動である程度その人の恋愛に対する性質が判別できるようになっていた。
その中でも1番ヤバい人を見分けるのは簡単だった。
まず、人の話をよく聞かない、聞いていたとしても自分の都合のいい解釈をする。
(これは相手が自分を少し気に掛けただけ自分に気がある、脈があると妄想する“勘違いな人“)
で、次に自分をアピールするのがしつこい。
(自分をもっと知って貰おうと周囲の迷惑なのにも気づかずにずっと話しかけてくる“ウザい人“)
最後に気のある人に対してだけ距離感がおかしい。
(相手が自分に気があると思い込んでボディータッチをして相手を喜ばせようとしてくる。この時、相手の嫌そうな顔でも恥ずかしがっているだけ、とか思っている“痛い人“)
*これだけストーカー体質の女の行動が分かっていたとしても、いざ自分にそれが向けられた事に気づかなかったのは、それが純粋に悪意なくそれを行った人が初めてだったため、“最初“は全く気づかなかったアトリー。そして、変に紳士な所があった為、相手の妄想を助長させてしまった事に気づいたのはかなり後だった事で、今現在、物凄く困っている状態のアトリーだった・・・
(うわぁ・・・、めっちゃキラキラした目でこっち見てるぅ~(*´Д`*))
物凄く嫌そうな心の声をあげて見ているのは、話に割り込んできた枢機卿の横で僕をじっと見つめてくる女の子、そう、それは聖女の格好をしたあのシスターちゃん。そんな彼女の表情に気を取られているうちに枢機卿達は、ニコニコと笑顔で対面で話していた僕とドラコーンさんの左横にやって来ていた。
ドラコーンさん「リトス教の神官が人の話を遮るとは何とも行儀がいいな」
皮肉全開で枢機卿達を見たドラコーンさん。天華の返答を聞けなかった事に大変ご機嫌斜めのようだ。
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