間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜

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第5章 少年期〜青年期 学園4学年編

5話 特訓の成果

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 あの後、出発の支度が済んだ僕達は早速馬車に乗り込み、マルキシオス領の“国境都市アミナ“の中心街にあるマルキシオス家の別邸から、国境検問所の“アルクス・シノロアミナ砦“へ移動する事に、移動中、僕は珍しく母様達とは別の馬車に乗り込み、専属達やジュール達と一緒に馬車に揺られている。

「ジュール達、コレから数日、不便な思いをさせてしまうけど、大丈夫?嫌だったら、透明化の魔法で行動しても良いけど・・・」

 と、僕の膝の上で小さな姿で寛いでいるジュール達に言うと。

夜月:『あぁ、大丈夫だ。この姿でいれば表立ってアトリーを守れるからな、コレぐらい問題ない、それに、色もコレだからな、誰も私達がアトリーの側にいる聖獣だと思わないだろう』

「まぁ、確かに、ジュール達の毛色とか有名だけど、正確な姿形や縮小化のスキルは本当に一部の人達しか知らないしね。色を変えて普通の魔物達に変装してるとは誰も思わないか・・・」

 そう言って色味の変わったジュール達を撫でる。

 今回はジュール達も女装している僕と同じように毛色を変える魔道具(首輪型)を使用し、現存する魔物や普通のペットのような色をしている。夜月は黄色のトラジマの猫、ジュールは灰色のハスキー犬のような模様の狼、天華は一時期、貴族間で飼うのが流行った緑色の小型竜の仔共をそれぞれ装っているのだ。いつもとは違った色味だが、それはそれで可愛くて仕方ない僕は密かに萌えながらジュール達を撫で回すのだった。

(コレはコレで、かわよっ!!( ^∀^))

「・・・あ、そう言えば、春雷達はまだ戻ってきてないね。今頃どこで何してるんだろう?」

 ジュール達を撫で回している時にふと、思い出したのは僕の契約精霊の“春雷と雪花“のことだった、彼女達はこの帝国旅行の予定が立てられ始めたぐらいの頃から、一応僕の了解を得て、ちょくちょく僕の側を離れていた、どうやら帝国方面に住む精霊達と連絡を取り、以前話に出た僕に何かしようとしている人達の情報を掴もうとしていたそうだ。
 僕はそれを聞いて、精霊達がそこまで気にするのは何かと思った時、ちょっと頭によぎったのがまたあの邪神教の存在だ。去年のゴブリンの巣討伐時の件と、“神狼教“が野外実習を襲撃した件でまだ存在し、活動していることが確認できて以来、コレと言った活動をしていると言った噂も聞かなくなった今日この頃。
 もしかしたら、今回の帝国での僕の評判を落とそうと画策しているのは、その“邪神教“が関わっている、もしくは主導しているのでは?と憶測し勘繰ったのだが、でも、少し考えてみて、“邪神教“がそんな事をしてもなんの意味も利益もないなと気づき、その憶測はすぐに捨てた、それなら今回の企みはやはり別の勢力が主導しているのだろう思い直した。
 それに、今回の件で父様達が直接、僕の精霊達に協力要請をしたようで、その収集した情報を元に密かに何かしている様ではあった。

「それに、父様達とも何かやっているみたいだし、無理してないかな?」

天華:『・・・それは大丈夫でしょう、春雷達がやっているのは帝国の精霊達からもたらされた情報をお父君達に教えてるだけですし、あの子達本人があっちこっちを駆けずり回ってるわけではないですからね。それに、お父君達がなさってるのは国同士の政治的工作でしょうから、アトリーにはあまり関係ないと思われますよ』

「ふーん、そうなの?帝国側の貴族に厄介な人物でもいるのかな?王国側との和平に反対してる人とか?まぁ、ちっとも僕にその話をしてくれないから正確には分からないけどね・・・何にせよ、僕が狙われていることも含めた情報収集をしてるのはわかるけど、たまにはお休みしてほしいところではあるよね。最近会えてなくてちょっと寂しいし・・・」

 父様と精霊達が自分の預かり知らぬ所で何やら動いているので、僕的には精霊達が無理をしていないか少々心配になってくるぐらいの期間、精霊達との触れ合いが足りなくて寂しさを感じていると、

 シュワッ

春雷&雪花:『『アトリー様♪ただいま帰りました♫』』

僕&ソル「「うわっ!?」」

専属一同「「っ!?」」

 実にタイムリーな事に、今まさに話題の的であった春雷達が、馬車内の中心に突如として姿を現した。

「お、驚いたぁ・・・お帰りなさい春雷、雪花♪どうしたの急に・・・あ、もしかして、かなり前から僕の会話聞いてた?」

春雷:『はい、丁度、両国の国境検問所の中を偵察して、アトリー様の元に戻ろうとしてた時に、こちらの馬車からアトリー様の気配がして、中を見てみると、可愛らしい装いのアトリー様を見つけて、見惚れてましたら、先程の会話が聞こえましたので、ふふっ・・・』

雪花:『ふふっ、だから、良いタイミングを測ってました!』

「もう、恥ずかし!!てか、戻ってくるなら連絡ちょうだいよ!」

 ニマニマと笑いながら僕を見る春雷達に、今までのやり取りを全て聞かれていたかと思うと恥ずかしさで顔を覆い、隠れながらも文句を言う僕、そんな僕を馬車に同乗していたソルやオーリー、アミなどが微笑ましいものを見る目で見てくる視線を感じ、さらに恥ずかしさがましましになった。なので、僕は話題を変える事にした。

「っ、そ、そう言えば、なんで今日、急に戻ってこれたの?それに、国境検問所の方から戻ってきたのはなんで?」

春雷:『ふふっ、それはですね。今日はアトリー様が帝国入りなさるとのことだったので、私達も帝国旅行を一緒に楽しんでとアトリー様のお父君から言われましたの♪』

雪花:『なので、コレからアトリー様がお寄りになる、街や村などを視察しながら戻ってきたので、まずは1番最初に絶対通る国境検問所を最後に偵察して情報を仕入れてきました♪』

 と、自慢げに楽しそうな声で話す春雷と雪花、僕は父様がそんな手配までしてくれて、春雷達も僕の今からの行き先の視察までしていたことに驚き、かなり嬉しさが込み上げてきて、

「ふふっ、嬉しいっ!皆んな一緒に帝国旅行を楽しめるなんて!父様に後でたくさん感謝を伝えなきゃ♪それに春雷達が視察してきてくれたのなら、観光案内も任せて良いんだよね?」

春雷&雪花:『『もちろん!お任せください!』』

「わぁい、楽しみ!!」

 さっきまでの恥ずかしさから一転、嬉しさでテンション爆上げな僕はだいぶ単純でチョロい奴だと、ここにいる全員が(自分も含む)思ったのは言うまでもない・・・

 それから、春雷達は国境検問所に着くまでの間、コレから受ける検問所で見かけた道具やそれを使ってする手順などの話を楽しそうに話し、僕の国外旅行で初めて受ける出入国審査の緊張感を緩和させてくれた。

 しばらくすると、馬車は王国側の国境検問所に到着し、貴族専用馬車降り場で一人一人順番に馬車から降りて行って、いつも通り1番最後に下された僕は1年ぶりに見た国境検問所となる大きな砦を見上げた。

「あの時以来だ、・・・うん、一年じゃ、変わったところはないか・・・あ、でも、人の多さは段違いに多いな・・・」

 前回、来た時は国境閉鎖した上に紛争が起こっていたため、どこか破損などしているかもと思ったりしたが、そんな様子もなく、それに施設利用者や近隣住民はすべて避難させられていたので、一般人の人が全くいないと言った珍しい状況しか見ていたなかったので、今の僕の目には本来の活気を取り戻している国境検問所の内部はとても新鮮に映ったのだった。
 そうやって周囲を観察していると、父様達が職員の案内で出国審査のために移動し出したので、僕達も慌ててその後を追った。この時、ジュールは小型犬くらいのサイズに首輪とリードをつけてソルと一緒に歩き、夜月と天華は1番小さいサイズで首輪をして、蔓で編んだ可愛い籠の中に一緒に入って、僕に運ばれている。はたから見たらペット連れた貴族のお嬢様に見えているはずだ。

父様「アリア嬢、こちらの部屋だよ」

「はい、今参ります、公爵様」

 ゆっくり、周囲を見渡しながら歩く僕に、父様が少し揶揄うように声をかけてくるが、僕はこの時のためにさせられた特訓を思い出し、すぐに“ご令嬢モード“に入り、ちょっとおっとりとした清楚系のご令嬢のようにふんわり笑い返し、静々といった感じで慌てることなく父様の元まで歩いていく。

(ふっ、ふっ、ふっ、どうだ!この完璧な清楚系ご令嬢は!?(°▽°)母様達に演技指導でビシバシ鍛えられた僕の演技力!刮目せよ!!ふははははっ!!(°▽°)/)

 心の中はこのようにいつも通りはっちゃけているが、コレまでの血の滲むような特訓のおかげで、咄嗟に地が出ることもなく、楚々としたご令嬢を演じる事ができている。(本当に地獄のような特訓だった・・・(*´-`))

(この世界のご令嬢はあんな細かい作法を常に頭に入れておかないといけないなんて、マジで尊敬したわ・・・(・Д・))

 今回、僕が受けた淑女の作法は男爵家相当のご令嬢が習う、緩めのものだったのだが、これが思った以上に大変だった。高位の爵位の人達の名前や顔の特徴の暗記から始まり、それに対する喋り方から挨拶をするときのお辞儀の角度などの細かさといったら、本当に細かくて“瞬間記憶スキル“がなかったら覚えられなかっただろうし、確実に心が折れていた思うほどで、僕はこの特訓の最中に何度もコレまでの自分の恵まれた環境に感謝した。
 何故なら、自分が高位貴族の息子で、身分的には僕に何か強制する人や逆らったりする人が殆どいない人生を送っていたので、今回の特訓で貴族社会のマナーの厳しさを初めて実感したのだった・・・

 あ、そう言えば、今回の帝国旅行のメンバーは行きがけが、デューキス家だけで両親と双子の兄弟、僕、ジュール達、それとソル親子で帝都までいって、着いたら、今は王都のお屋敷でお留守番中のお祖父様達やカイ兄様夫婦、それにムーグラーフの領地で子育て中のカミィ姉様親子などを転移魔法で連れてくるのだが、その時に僕は長旅が辛い祖父母と、小さな子供の長旅ができない姉様夫婦を連れて、遅れて帝国に入国したと言う事になって、そこでやっと僕達の変装が解除できるのだ。(まぁ、本当の転移魔法は自分が見えている範囲や、一回行った事がある場所じゃないと魔法で行き来できないけど、他に転移魔法ができる人が少ないから初めてくる場所でも転移できると勘違いさせても問題はない(・∀・)はず・・・)
 そして、帰りはそれまでに何事もなければ、お祖父様達は行きと同じように転移魔法でちゃんと王国に送って、僕達は先に帝国入りしているイネオス達とその家族と一緒に、行きとは別のルートで観光しながらゆっくり帰ってくる感じだ、もちろん僕達の変装は無しでね!!

 そして、僕がお淑やかなご令嬢に擬態しながら、脳内で世のご令嬢達をリスペクトしている内に、王国側の出国手続きが終了して、次はこの検問所の観光スポットである大橋を渡る事になった。

(へぇ、あの時は上から下を見てたから気づかなかったけど、ここから見た周囲の景色はまた違っていいな・・・コレから、旅が始まるって感じでかなり気分が高揚する・・・)

 横幅の広いこの大橋を人間と同じように審査手続きが終わった馬車に乗り込み、橋の上には徒歩で渡っている人たちがいるので、ゆっくり進みながら窓の外の景色を楽しんだのだ。そして数分後には次は帝国側の入国手続きのために馬車から降りた、すると、こちら側でも貴族用の馬車降り場から降りたはずなのだが、そこは異様に人が多く待たされていて、そんな中に降り立った僕達は注目を凄く集めた。

(何?この人数、多過ぎじゃない?審査の手続きが遅れているのかな?(・・?))

 そう思ったのは、ついさっき通ってきた王国側での手続きの手順をみていたからだ、向こうでは待たされた人達は建物内で2、3組ほどだったのだが、それもすぐに順番が来ていて、順番が来ると名前を呼ばれ、職員に案内されて案内された個室に入ると、そこには審査担当の職員がいてその職員の説明で審査が始まる、審査は犯罪歴を確認できる魔道具で犯罪歴の有無を確認して、その後は軽く質問に答えて、問題なかったらすぐに出国ができたのだが、帝国側では十数組が検問所の建物内にすら入れず、外で待たされているようだった。その状況を訝しんだのは僕だけではなく、国外に出た経験がある父様さえもその待たされている人の多さに気づき、この手続きの順番を管理していそうな、帝国側の職員に事情を聞こうと話しかけていた。
 その際、僕達は人の邪魔にならないある程度開けた場所で、使用人が設置したテーブルセットに座り、お茶をしながら話が終わるのを静かに待っているのだが・・・

(じろじろ見過ぎじゃない?)

 明らかに周りの視線を集めているのだが、話が済むまで待たされているのが僕と母様、それに双子のライ兄様、ヘリー姉様とそのお付きの使用人達、見た目女性が多い一行だった事と、母様達の顔を知っている貴族達が多いことで余計に注目が集まっているようだった。
 それとは別に、あからさまに美人な母様達にいやらしい視線を送ってくる人達の多さに僕は少し苛立っていた。でも、うちの使用人達が睨みを効かせていたので、向こうから声をかけて来ることはなかった。

 数分後、父様が事情を聞いて戻ってきたので話を聞くと、どうやら入国審査に使われている魔道具が不具合を起こしたそうで、今は一時的に審査が止められているらしく、もう少しすれば魔道具の代替品が到着するから、すぐに入国審査は再開される見通しらしい。
 この時、春雷達は何も言ってこなかったので本当に突然の不具合だったようだ。なので、しばらく待つことが確定したのだが、そこで父様が審査手続きが再開するまで暇なのでここで待つか、馬車の中で待つか、それか、砦の中に設置さえれている小さな庭園を散策するか、と言い出したので、僕が庭園を選ぶと、母様達も一緒に行く事になった。

(じっとしてるのって性に合わないんだよね・・・(*´Д`*))

 かくして、小さなトラブルから始まった僕達の帝国旅行は、今後どのような思い出を残すことができるのか、楽しい観光旅行となるのか、はたまたトラブルだらけの珍道中となるのか、誰も予想はできないのであった・・・・












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