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誤解
しおりを挟む「いや、王がそう言ったのならそれは俺のせいなんだ。将来だってそうだ。シャルは何も悪くなる事はない。俺から君を望んでおいて、そんな悪い状況にはさせない」
「え……王は私の家族が大切なのは分かっているぞって言ってきたのに?その時、セザーは結婚について何も言わなかったのに?」
私を望んでいたという彼の発言の衝撃で頭がいっぱいになった私は思っていたことを吐き出した。驚きでパチパチと目を瞬かす。
「……王のそれは、悪い癖だ。殺すぞと脅しているのではなく、シャルの家族を王自ら保護していているが、命令を飲んで妻となればもっと確実に俺が家族を守ってくれるだろうから俺に嫁げと言いたかったんだろう」
セザーは私の発言に体を強ばらせ、私から目を逸らした。表情には悔恨の感情が浮かんでいる。
「それに、シャルを望んでいることは俺の口から言うつもりだったんだが、王が世話になった俺の為だと言い張ってきてな。俺がシャルを娶りたいと奴に洩らしたのは俺なんだが、思っていたよりしつこくて断りきれなかったんだ。だから、悪いのは俺の方だ。拒否権がないのに結婚を押し付けて……シャルに嫌がられたと思うと結婚について言うことも出来なくて、愛人だとかする気もさせたくもないのに言ってしまって……」
「え?」
「できるなら、もう一度チャンスをくれないか?シャルには、申し訳なかった。でも、諦められない。俺はシャルを手放したくないんだ」
頭が上手く働かない。
「セ、セザーは私のことが好きなの?王は結婚させたかっただけ?私は今後も大丈夫なの?」
「そうだ。そんなに心配するな」
「なぜ、最初からそう言ってくれないの」
「俺が今日そう言わなかったか?その発言にそれなりの笑顔で頷いていたように覚えているが……いや、いつもと雰囲気が違ったな。やはりシャルは無理をしていたか……」
「え、あ、そ、そうだったんだ……」
何も頭に入らない状態で返事はやはりするべきでなかったようだ。流石に限界突破しすぎたらしい。大切な所も聴き逃している。
「……言っただろう。シャルは疲れているんだ。もう寝た方がいい」
彼は私に敷かれていた体を起こして、私に布団をぐるぐると巻いた。
彼の肌に感じる温かさが離れていくのに、少し悲しい気持ちになった。
「シャル。おやすみ」
私を諭すような言葉を発しながら、頭を撫でられる手の動きは昔の母を思い出した。少々声に怖さがあるが、その発言に私は彼に甘えてもいいのだと感じさせる。
「……おやすみなさい」
彼の言葉にしたがって目を瞑ると、その途端に深い眠りに落ちた。
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