ある日、ぶりっ子悪役令嬢になりまして。

桜あげは

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番外編

五年後のその後 ダイヤのQ(その1)

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「もう一人、出来たらしい……」

 まだ平らな腹をさすりながら、私はカミーユ嬢とメイ嬢に言った。
 外は、雪が降っている。
 私の体が冷えないように、メイド達が魔法アイテムの暖炉を付けて、厚手の毛布まで用意してくれた。

「まあ!」
「おめでとう、ベアトリクス!」

 二人は、笑顔で祝福してくれる。メイ嬢なんて、今にも踊り出しそうな勢いだ。

「ロイス様には?」
「もう、伝えてある。でないと、色々と加減をしてくれないからな……」
「男の子でも女の子でも、楽しみですわね!」

 二人に笑みを返す私の足下に、小さな影がすがりついた。

「お母様! 僕も楽しみです!」
「……ルイス」

 いつもは乳母の元にいることの多いルイスだが、今日は珍しく私の部屋に来ていた。
 ロイスと同じような金髪をかきあげる仕草が、彼等は親子なんだなあと思わせる。
 私に似た所為か、子供であるルイスのほうが切れ長の凛々しい顔つきをしているのだが……

「ねえ、カミーユ。ミイを知らない?」
「んー、今日は見ていませんが……」
「……となると、今日は訓練場の方かな。ふふふ、僕から逃げられる訳がないのに。可愛いなあ、ミイは」
「……」

 前言撤回。この子は、私に似ている訳ではなさそうだ……!
 五歳にして、このようなセリフを吐くなんて……ちょっとだけ、息子の将来が心配になった。



 二人目の息子は、レイスと名付けられた。またもや金髪の子供だ。
 しかし、レイスの瞳はロイスそっくりの碧色だった。顔つきは、ルイスと同様で私に似ている。
 この世界の人間達は、色々とカラフルなので遺伝の仕方が面白い……
 息子達の成長が、今から楽しみだ。ちょっと、心配でもあるけれど。

 カミーユ嬢のお腹にもようやく子供が宿り、今は護衛の仕事を休んでアシルの監視下に置かれている。
 彼女は、放っておくとすぐに無茶をやらかすからだ。
 現在……カミーユ嬢は、退屈で死にそうになりながら、アシルの仕事部屋で魔法書を読みふけっている。
 ちょっと可哀想だけれど、彼女の子供のことを思えば私もアシルの方針に賛成だった。
 産後すぐに亡くなったカミーユ嬢の母親のこともあるので、アシルは必要以上に神経質になっているのだろう。



 そうして、数ヶ月後、カミーユ嬢に女の子が生まれた。
 ピンク色の髪にコバルトブルー瞳を持つ、美形な子供である。その子は、マリーユと名付けられた。
 カミーユ嬢は、数ヶ月間における監視生活から無事解放され、意気揚々と護衛の仕事に戻っていった。子供の面倒は、乳母に任せる方針らしい……

 そんなこともあった所為なのか……
 数年後、カミーユ嬢の子供は、とてもしっかりした女の子に育ち、アシル二号の異名を持つようになる。将来は、父の跡を継ぐのが目標だそうな……
 そんなマリーユに惚れたウチのレイスが、しょっちゅう彼女にちょっかいを出しているので少し申し訳なく思う。
 次男まで、長男そっくりに育つとは……私の予想外だった。
************************************************
<子供達のプロフィール>
ロイスとベアトリクスの長男:ルイス(次期国王)金髪オレンジ瞳
ロイスとベアトリクスの次男:レイス(騎士志望)金髪碧眼
ライガとメイの長女:ミイ(魔法使い志望)銀髪碧眼
アシルとカミーユの長女:マリーユ(秀才)ピンク髪コバルト瞳
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