9 / 54
第9話 村の少年、剣を握る
しおりを挟む
村に太陽が昇る頃、アレンは崩れた家の梁を組み直していた。
昨日の失敗現場を見て、村の誰もが「諦めた」と思っていたのだが、そんなことはなかった。
むしろ、彼は夜明け前から新しい設計図を描き直し、柱の比率を再計算していた。
欠片ひとつ無駄にせず、夜の間に乾かした泥と石灰を混ぜて、強度を増した自然セメントを作り上げる徹底ぶりである。
「ほんと、あの人は止まるってことを知らないんだな……」
ミーナは、しばらく前から声をかけるタイミングを失っていた。
木の破片を抱えながら立ち尽くし、気づけば隣に村の少年がいた。
「ミーナ姉ちゃん、アレンさん、もう三回くらい同じ柱打ち直してるよ」
「……うん。でも、嫌な顔ひとつしないでやるんだよ。すごい人だよね。」
「俺もあんな風に強くなれたらなあ」
少年――テオは小柄で、村一番のやんちゃ者だ。
いつもは木の枝で剣の真似事ばかりしている。
だがその目には憧憬と、ほんの少しの焦りもあった。
「俺、ちゃんと強くなって、村を守る人になるんだ」
「えらいね。でも、武器を振り回すのは危ないよ?」
「わかってるよ。でも、あの人見た? 昨日、崩れた屋根の下で全然慌ててなかったんだ。あれ、たぶん本当に勇者なんだよ」
その言葉に、ミーナは苦笑した。
「勇者」という言葉はこの村ではほとんど使われない。
魔王戦争の記録など、誰にとっても遠い伝説だ。
◇
その日の昼、アレンが家の壁を仕上げていると、背後で何やらぶつぶつと呟く声がした。
振り向くと、テオが木の棒を構え、真剣な顔で振っている。
「……なかなか鋭いですね」
声をかけると少年はびくっとして、棒を落とした。
「う、うわっ、アレンさん!? 見てたの?」
「ええ。ずいぶん熱心でしたから。」
「べ、別に遊びで……」
「木剣でも、立派に鍛錬になりますよ。」
アレンはそっと拾い上げた棒を軽く振ってみせる。
一瞬の軌跡で風が鳴いた。
その速さにテオは息を飲む。
「すげぇ……目で追えなかった」
「力じゃありませんよ。振る“意志”です。」
アレンは穏やかに微笑む。
「剣を握る理由は、人それぞれです。でも、“誰かを倒すため”ではなく、“誰かを守るため”に振るなら、それは正しい剣です。」
テオが真剣に頷いた。
「俺も、守れる人になりたい。」
「なら、教えましょうか?」
「……いいの!?」
アレンは空を見上げた。
昼下がりの風が心地よく、村の鐘が遠くで鳴る。
「私も昔、教わったんですよ。師匠に。“力を持つものは、それ以上に優しくあれ”と。」
テオは木剣を構えなおす。
アレンはわずかに笑って、腰を落とした。
「まずは構えから。肩の力を抜いて、重心を下げて。剣を振るのではなく、『流す』んです。」
少年がぎこちない動きで真似をする。
そして次の瞬間、アレンの木剣がふっと動いた。
一閃。目には止まらない。
地面に立ててあった小石が二つに割れて転がる。
「……これが“流す”ということです」
テオの目が輝いた。
「教えてください! アレンさん、俺、もっと強くなりたい!」
「いいでしょう。でも、条件があります。」
「条件?」
「一日一回、必ず“誰かのため”に剣を振ること。木を切るでもいい、荷物を運ぶでもいい。剣は人ではなく、世界と共にあるものです。」
少年はその言葉の意味をすぐには理解できなかったが、力強く頷いた。
「わかった! 約束する!」
◇
それから数日、村にはひそかな日課が増えた。
朝の井戸汲み、畑の手伝い、そして“アレンの剣の稽古”。
テオは毎朝アレンの家跡に通い、二人で木を切りながら剣の素振りをした。
アレンは彼が疲れるたびに、持っていた水瓶を差し出した。
「焦らなくてもいい。力は“積み重ね”です。」
「でも、アレンさんは最初から強かったんでしょ?」
「いいえ。弱かったですよ。誰にも勝てない時期のほうが長かった。」
「嘘だ!」
「本当です。負けるたびに学ぶことは多い。勝ち続けるよりずっと意味があります。」
風が強くなり、木の葉が流れた。
アレンとテオは同時に剣を振るう。
旋風のように草が舞い上がり、葉が落ちる。
まるで時間そのものが止まったようだった。
「……すごい、今、風が止まった気がした。」
「気のせいでしょう。さぁ、もう一度。」
その稽古をこっそりと見ている影がひとつ。
誰も近づかない丘の頂に、一人の女が立っていた。
リリアだ。
彼女の足もとに、伝令魔法の水晶が輝いている。
「報告いたします。アレン=クロード、辺境の村で民間人に剣術を教示中。……ですが、王都で学ぶ剣とは異質。魔術波形が発生しています。」
通信の向こうから、低い男の声が返る。
『詳細を。どの程度の異常だ』
「素手で振った風圧が、剣気として共鳴しています。――神気に近い。」
無言の静寂。
王都からの答えは一つだった。
『監視を続けろ。決して接触するな。聖域を触れた者が次に何を呼ぶか、わからん。』
リリアは水晶を握りしめた。
その眼差しの先で、アレンは疲れた少年の頭を軽く撫でている。
優しい笑み。昔、戦場で見た冷徹な魔導師ではない。
――“人の形をした奇跡”。
「アレン……あなたは、何のためにそんな力を持ったの?」
◇
一方その頃、王都アルディナ。
レオニール王子は報告書を投げ捨て、机を叩いた。
「聖剣を持たぬ男が神気を放つ? 冗談も大概にしろ!」
「殿下、証拠の魔術記録があります。観測班が確認を……」
「わかっている! つまり、あの無能が『神域』を再現したということだろう!」
怒号に臣下たちは怯えるしかなかった。
王子は立ち上がり、冷たい声で命じた。
「使者を出せ。あの村に。名目は税調査でも視察でもいい。とにかく“あいつ”の力を見せろ。沈静化のための報告が必要だ。」
密命が動く。
そして、次章の悲劇の始まりが静かに形を取り始める。
◇
その夜、ルーデン村では焚き火の明かりが灯っていた。
テオが疲れた顔でアレンの隣に腰を下ろす。
「アレンさん、俺、今日ね、ミーナ姉ちゃんの荷物持ち手伝ったよ。」
「それは良いことですね。剣も少しずつ軽くなるでしょう。」
「うん。でも、まだあんな風に動けないな。アレンさん、なんであんな速いの?」
「それは――守りたいものが多いから、ですよ。」
少年は首をかしげ、笑った。
「俺も、守りたいもの……見つける!」
「きっと、すぐ見つかりますよ。」
その言葉と同時に、星が一つ流れた。
願いを託すには短すぎたが、確かに光は刻まれた。
その光の下で育まれた誓いが、後に世界を動かすほどの力になることを、この時の誰も知らなかった。
昨日の失敗現場を見て、村の誰もが「諦めた」と思っていたのだが、そんなことはなかった。
むしろ、彼は夜明け前から新しい設計図を描き直し、柱の比率を再計算していた。
欠片ひとつ無駄にせず、夜の間に乾かした泥と石灰を混ぜて、強度を増した自然セメントを作り上げる徹底ぶりである。
「ほんと、あの人は止まるってことを知らないんだな……」
ミーナは、しばらく前から声をかけるタイミングを失っていた。
木の破片を抱えながら立ち尽くし、気づけば隣に村の少年がいた。
「ミーナ姉ちゃん、アレンさん、もう三回くらい同じ柱打ち直してるよ」
「……うん。でも、嫌な顔ひとつしないでやるんだよ。すごい人だよね。」
「俺もあんな風に強くなれたらなあ」
少年――テオは小柄で、村一番のやんちゃ者だ。
いつもは木の枝で剣の真似事ばかりしている。
だがその目には憧憬と、ほんの少しの焦りもあった。
「俺、ちゃんと強くなって、村を守る人になるんだ」
「えらいね。でも、武器を振り回すのは危ないよ?」
「わかってるよ。でも、あの人見た? 昨日、崩れた屋根の下で全然慌ててなかったんだ。あれ、たぶん本当に勇者なんだよ」
その言葉に、ミーナは苦笑した。
「勇者」という言葉はこの村ではほとんど使われない。
魔王戦争の記録など、誰にとっても遠い伝説だ。
◇
その日の昼、アレンが家の壁を仕上げていると、背後で何やらぶつぶつと呟く声がした。
振り向くと、テオが木の棒を構え、真剣な顔で振っている。
「……なかなか鋭いですね」
声をかけると少年はびくっとして、棒を落とした。
「う、うわっ、アレンさん!? 見てたの?」
「ええ。ずいぶん熱心でしたから。」
「べ、別に遊びで……」
「木剣でも、立派に鍛錬になりますよ。」
アレンはそっと拾い上げた棒を軽く振ってみせる。
一瞬の軌跡で風が鳴いた。
その速さにテオは息を飲む。
「すげぇ……目で追えなかった」
「力じゃありませんよ。振る“意志”です。」
アレンは穏やかに微笑む。
「剣を握る理由は、人それぞれです。でも、“誰かを倒すため”ではなく、“誰かを守るため”に振るなら、それは正しい剣です。」
テオが真剣に頷いた。
「俺も、守れる人になりたい。」
「なら、教えましょうか?」
「……いいの!?」
アレンは空を見上げた。
昼下がりの風が心地よく、村の鐘が遠くで鳴る。
「私も昔、教わったんですよ。師匠に。“力を持つものは、それ以上に優しくあれ”と。」
テオは木剣を構えなおす。
アレンはわずかに笑って、腰を落とした。
「まずは構えから。肩の力を抜いて、重心を下げて。剣を振るのではなく、『流す』んです。」
少年がぎこちない動きで真似をする。
そして次の瞬間、アレンの木剣がふっと動いた。
一閃。目には止まらない。
地面に立ててあった小石が二つに割れて転がる。
「……これが“流す”ということです」
テオの目が輝いた。
「教えてください! アレンさん、俺、もっと強くなりたい!」
「いいでしょう。でも、条件があります。」
「条件?」
「一日一回、必ず“誰かのため”に剣を振ること。木を切るでもいい、荷物を運ぶでもいい。剣は人ではなく、世界と共にあるものです。」
少年はその言葉の意味をすぐには理解できなかったが、力強く頷いた。
「わかった! 約束する!」
◇
それから数日、村にはひそかな日課が増えた。
朝の井戸汲み、畑の手伝い、そして“アレンの剣の稽古”。
テオは毎朝アレンの家跡に通い、二人で木を切りながら剣の素振りをした。
アレンは彼が疲れるたびに、持っていた水瓶を差し出した。
「焦らなくてもいい。力は“積み重ね”です。」
「でも、アレンさんは最初から強かったんでしょ?」
「いいえ。弱かったですよ。誰にも勝てない時期のほうが長かった。」
「嘘だ!」
「本当です。負けるたびに学ぶことは多い。勝ち続けるよりずっと意味があります。」
風が強くなり、木の葉が流れた。
アレンとテオは同時に剣を振るう。
旋風のように草が舞い上がり、葉が落ちる。
まるで時間そのものが止まったようだった。
「……すごい、今、風が止まった気がした。」
「気のせいでしょう。さぁ、もう一度。」
その稽古をこっそりと見ている影がひとつ。
誰も近づかない丘の頂に、一人の女が立っていた。
リリアだ。
彼女の足もとに、伝令魔法の水晶が輝いている。
「報告いたします。アレン=クロード、辺境の村で民間人に剣術を教示中。……ですが、王都で学ぶ剣とは異質。魔術波形が発生しています。」
通信の向こうから、低い男の声が返る。
『詳細を。どの程度の異常だ』
「素手で振った風圧が、剣気として共鳴しています。――神気に近い。」
無言の静寂。
王都からの答えは一つだった。
『監視を続けろ。決して接触するな。聖域を触れた者が次に何を呼ぶか、わからん。』
リリアは水晶を握りしめた。
その眼差しの先で、アレンは疲れた少年の頭を軽く撫でている。
優しい笑み。昔、戦場で見た冷徹な魔導師ではない。
――“人の形をした奇跡”。
「アレン……あなたは、何のためにそんな力を持ったの?」
◇
一方その頃、王都アルディナ。
レオニール王子は報告書を投げ捨て、机を叩いた。
「聖剣を持たぬ男が神気を放つ? 冗談も大概にしろ!」
「殿下、証拠の魔術記録があります。観測班が確認を……」
「わかっている! つまり、あの無能が『神域』を再現したということだろう!」
怒号に臣下たちは怯えるしかなかった。
王子は立ち上がり、冷たい声で命じた。
「使者を出せ。あの村に。名目は税調査でも視察でもいい。とにかく“あいつ”の力を見せろ。沈静化のための報告が必要だ。」
密命が動く。
そして、次章の悲劇の始まりが静かに形を取り始める。
◇
その夜、ルーデン村では焚き火の明かりが灯っていた。
テオが疲れた顔でアレンの隣に腰を下ろす。
「アレンさん、俺、今日ね、ミーナ姉ちゃんの荷物持ち手伝ったよ。」
「それは良いことですね。剣も少しずつ軽くなるでしょう。」
「うん。でも、まだあんな風に動けないな。アレンさん、なんであんな速いの?」
「それは――守りたいものが多いから、ですよ。」
少年は首をかしげ、笑った。
「俺も、守りたいもの……見つける!」
「きっと、すぐ見つかりますよ。」
その言葉と同時に、星が一つ流れた。
願いを託すには短すぎたが、確かに光は刻まれた。
その光の下で育まれた誓いが、後に世界を動かすほどの力になることを、この時の誰も知らなかった。
1
あなたにおすすめの小説
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる