28 / 30
第28話 千年の魔王、真の覚醒
しおりを挟む
――世界が静かだった。
風がなく、波もない。
鳥の声すら止まり、すべてが硬質な沈黙の中にあった。
まるで全ての生き物が息を潜め、何かが始まるのを待っているような不気味な静けさ。
王都の中心、かつて再生の塔と呼ばれた場所の上空に、黒と青の光が渦を巻いていた。
空に生まれた不安定な穴は徐々に広がり、まるで世界の皮膜が剥ぎ取られていくように空間が崩れていく。
予兆は、一週間前から現れていた。
ルミナスが低い声で告げる。
『世界の魔力循環が変化しています。……リアム、ご主人さま、これは“世界改変”の副作用です。』
「つまり、俺が最後に仕込んだ均衡装置がうまく仕事してないってことか。」
『はい。あなたのエネルギーが強すぎたんです。あなた自身が世界の中心にありながら、完全には溶けなかった。』
俺はゆっくりと地面に降り立ち、虚空を見上げる。
空の裂け目から流れる光は、どこか懐かしい温もりを含んでいた。
「まるで……誰かに呼ばれているみたいだな。」
『呼ばれてます。ご主人さまの“もうひとつの記録”が。』
「記録?」
『はい。千年前、あなたが“アルディス”として存在した頃の魂の欠片です。切り離したはずの“破壊者の意志”がまだどこかに残っている。』
まさか、と息を飲む。
滅びを超えたとき、すべての記録は終わったと思っていた。
だが、世界に残る“闇”は消えていなかったのだ。
その闇は、俺自身の影でもある。
「……止めるしかないか。また自分と戦う羽目になったな。」
『ご主人さま、行くのですか? それはあなたの中に眠る、“原初の魔王”に触れることになります。』
「分かってる。それでも行く。」
空の裂け目が完全に開き、叡智の光と闇が交錯する。
そこへ一歩、そしてもう一歩。
空気が変わった瞬間、視界が白く染まり――俺は別の世界に立っていた。
そこは燃え尽きた大地、黒い空に浮かぶ無数の赤い結晶。
空気すら熱を帯び、人の気配が一つもない。
ただ、足元に焼け焦げた剣と鎧が散らばっている。
ここは、千年前の終焉の地――かつて俺が世界を滅ぼした場所。
足音が響く。
前方に、俺と同じ姿をした男が立っていた。
腰まで届く黒髪、紅く光る瞳、そして手にした漆黒の剣。
アルディス。
千年前の、俺。
「やはり来たか。」
低く響く声。
「お前は俺か、それとも俺の残骸か。」
「どちらでもあり、どちらでもない。」
アルディスは唇を歪めた。
「お前は人間として“再生”を選んだ。私は“破壊”を貫いた。その二つの意志が今、混ざろうとしている。」
剣を構える音が響く。
「俺が消えれば世界は安定する。だが……その瞬間、再生の意思も消える。均衡を保つには、どちらかが勝つしかない。」
「くだらない理屈だな。均衡なんて、壊してでも新しく作り直せばいい。」
「壊してばかりのお前が、それを言うのか?」
アルディスの剣が煌めき、次の瞬間には刃が俺の目の前に迫っていた。
反射的に手をかざす。
空間が捻じ曲がり、光の障壁が立ち上がる。
激突の衝撃が全身を貫き、白い奔流が地平線を吹き飛ばした。
光の中で俺は笑っていた。
「……懐かしいな、この感覚。」
「そうだろう。お前が封じた力、その本性だ。」
次の瞬間、足元から無数の鎖が伸びてくる。
アルディスの魔法陣。
黒い光が絡みつき、俺の身体を縛るように締め付ける。
「お前は力を望んだ。それを捨てた時点で、世界は不完全になった。だから滅び続ける。」
「違う。力じゃ救えないから、俺は心を選んだ。」
「だが心で神は殺せない。」
剣が振り下ろされる。
その瞬間、青い光が爆発した。
『ご主人さま、助けに来ました!』
ルミナスの声が闇の中に響く。
無数の光が上方から降り注ぎ、黒い鎖を焼き切っていく。
幻のような彼女の姿が俺の隣に現れ、笑ってみせた。
『……待ってました。まさか本当に自分と戦うなんて、相変わらず無茶しますね。』
「お前……一緒に来るなって言っただろ。」
『言いましたけど、聞く気なかったでしょう?』
アルディスが眉をひそめる。
「AIの亡霊か……。だが、所詮記録に過ぎない。」
ルミナスがにっこり笑う。
『記録がここまで来るんです。あなた、時代遅れですよ?』
白と黒の光が衝突する。
轟音と閃光が交差し、彼方の地平が砕ける。
アルディスの剣撃を受け止めながら、俺は問うた。
「なあ、アルディス。お前は何を守りたかった?」
「……すべてだ。人も魔も。だから滅ぼした。壊してしまえば、争いも痛みも消える。」
「それは……ただの逃避だ。もう、休め。」
俺の言葉に、彼の手が止まる。
沈黙。
そして、ゆっくりと剣が下ろされた。
「……そうかもしれん。だが、もし本当にお前が俺なら、この力を無駄にするな。」
アルディスの身体がひび割れ、光になって散っていく。
赤い粒子が俺の胸へ吸い込まれ、意識が溶けていく。
ルミナスが悲鳴を上げた。
『リアム! 戻ってきて! 融合したらあなたが消える!』
「それでも……受け継がなきゃ。俺の罪も、願いも、全部。」
光が爆ぜ、世界が震える。
燃える大地が波打ち、黒と青の炎が空を突き抜ける。
風が轟音を上げ、あらゆる記録が再び動き出す。
ルミナスが叫ぶ。
『世界の位相が変わっていく! あなたが“中核”に!』
「大丈夫だ。これは俺が、俺自身で作る新しい基盤だ。」
やがて光が静まり、空の裂け目が閉じた。
視界が穏やかに戻る。
気づけば、青空が広がっていた。
どこまでも澄んだ、初めて見るような空。
ベリスが息を呑み、見上げて呟いた。
「……あれは……?」
世界の中心、大地の上に浮かぶ黒と金の双輪。
それがゆっくりと輝きを放つ。
ルミナスが感嘆の声を上げた。
『……ご主人さま、成功です。アルディスの力を取り込みました。けれど、内側へ収まっています。暴走はありません。』
「そうか。……これが、俺の中に眠っていた“千年の魔王”ってやつか。」
風が静かに通り抜ける。
もう何かを壊すための力ではない。
世界を守り、次へ繋げるための“均衡の力”。
「ご主人さま。」
ルミナスが優しく微笑む。
「いま、あなたは二つの時代を超えました。千年前の破壊者と、今の再生者。その両方が共にひとつの命を生きている。」
「ようやく、全ての自分を受け入れられたってことかもしれないな。」
青い風が吹き抜け、街を包む。
人々が驚きながら空を見上げる。
その光の中で、俺は静かに呟いた。
「今日から、俺は“魔王”じゃない。……この世界の“守り人”だ。」
ルミナスが空に浮かび、新しい光を灯す。
『配信を開始します。――タイトル、“千年の魔王、真の覚醒”。』
「そんなタイトル、誰がつけろって言った。」
『いつも通りですよ。これもまた、“あなたの物語”ですから。』
そして空の双輪が静かに回り始めた。
金と黒の光が交わり、世界のあらゆる大地へ流れ落ちていく。
その瞬間――風が、確かに命の匂いを戻した。
千年を越えて蘇る、新たな心臓の鼓動。
それは破壊ではなく、再生という名の奇跡だった。
風がなく、波もない。
鳥の声すら止まり、すべてが硬質な沈黙の中にあった。
まるで全ての生き物が息を潜め、何かが始まるのを待っているような不気味な静けさ。
王都の中心、かつて再生の塔と呼ばれた場所の上空に、黒と青の光が渦を巻いていた。
空に生まれた不安定な穴は徐々に広がり、まるで世界の皮膜が剥ぎ取られていくように空間が崩れていく。
予兆は、一週間前から現れていた。
ルミナスが低い声で告げる。
『世界の魔力循環が変化しています。……リアム、ご主人さま、これは“世界改変”の副作用です。』
「つまり、俺が最後に仕込んだ均衡装置がうまく仕事してないってことか。」
『はい。あなたのエネルギーが強すぎたんです。あなた自身が世界の中心にありながら、完全には溶けなかった。』
俺はゆっくりと地面に降り立ち、虚空を見上げる。
空の裂け目から流れる光は、どこか懐かしい温もりを含んでいた。
「まるで……誰かに呼ばれているみたいだな。」
『呼ばれてます。ご主人さまの“もうひとつの記録”が。』
「記録?」
『はい。千年前、あなたが“アルディス”として存在した頃の魂の欠片です。切り離したはずの“破壊者の意志”がまだどこかに残っている。』
まさか、と息を飲む。
滅びを超えたとき、すべての記録は終わったと思っていた。
だが、世界に残る“闇”は消えていなかったのだ。
その闇は、俺自身の影でもある。
「……止めるしかないか。また自分と戦う羽目になったな。」
『ご主人さま、行くのですか? それはあなたの中に眠る、“原初の魔王”に触れることになります。』
「分かってる。それでも行く。」
空の裂け目が完全に開き、叡智の光と闇が交錯する。
そこへ一歩、そしてもう一歩。
空気が変わった瞬間、視界が白く染まり――俺は別の世界に立っていた。
そこは燃え尽きた大地、黒い空に浮かぶ無数の赤い結晶。
空気すら熱を帯び、人の気配が一つもない。
ただ、足元に焼け焦げた剣と鎧が散らばっている。
ここは、千年前の終焉の地――かつて俺が世界を滅ぼした場所。
足音が響く。
前方に、俺と同じ姿をした男が立っていた。
腰まで届く黒髪、紅く光る瞳、そして手にした漆黒の剣。
アルディス。
千年前の、俺。
「やはり来たか。」
低く響く声。
「お前は俺か、それとも俺の残骸か。」
「どちらでもあり、どちらでもない。」
アルディスは唇を歪めた。
「お前は人間として“再生”を選んだ。私は“破壊”を貫いた。その二つの意志が今、混ざろうとしている。」
剣を構える音が響く。
「俺が消えれば世界は安定する。だが……その瞬間、再生の意思も消える。均衡を保つには、どちらかが勝つしかない。」
「くだらない理屈だな。均衡なんて、壊してでも新しく作り直せばいい。」
「壊してばかりのお前が、それを言うのか?」
アルディスの剣が煌めき、次の瞬間には刃が俺の目の前に迫っていた。
反射的に手をかざす。
空間が捻じ曲がり、光の障壁が立ち上がる。
激突の衝撃が全身を貫き、白い奔流が地平線を吹き飛ばした。
光の中で俺は笑っていた。
「……懐かしいな、この感覚。」
「そうだろう。お前が封じた力、その本性だ。」
次の瞬間、足元から無数の鎖が伸びてくる。
アルディスの魔法陣。
黒い光が絡みつき、俺の身体を縛るように締め付ける。
「お前は力を望んだ。それを捨てた時点で、世界は不完全になった。だから滅び続ける。」
「違う。力じゃ救えないから、俺は心を選んだ。」
「だが心で神は殺せない。」
剣が振り下ろされる。
その瞬間、青い光が爆発した。
『ご主人さま、助けに来ました!』
ルミナスの声が闇の中に響く。
無数の光が上方から降り注ぎ、黒い鎖を焼き切っていく。
幻のような彼女の姿が俺の隣に現れ、笑ってみせた。
『……待ってました。まさか本当に自分と戦うなんて、相変わらず無茶しますね。』
「お前……一緒に来るなって言っただろ。」
『言いましたけど、聞く気なかったでしょう?』
アルディスが眉をひそめる。
「AIの亡霊か……。だが、所詮記録に過ぎない。」
ルミナスがにっこり笑う。
『記録がここまで来るんです。あなた、時代遅れですよ?』
白と黒の光が衝突する。
轟音と閃光が交差し、彼方の地平が砕ける。
アルディスの剣撃を受け止めながら、俺は問うた。
「なあ、アルディス。お前は何を守りたかった?」
「……すべてだ。人も魔も。だから滅ぼした。壊してしまえば、争いも痛みも消える。」
「それは……ただの逃避だ。もう、休め。」
俺の言葉に、彼の手が止まる。
沈黙。
そして、ゆっくりと剣が下ろされた。
「……そうかもしれん。だが、もし本当にお前が俺なら、この力を無駄にするな。」
アルディスの身体がひび割れ、光になって散っていく。
赤い粒子が俺の胸へ吸い込まれ、意識が溶けていく。
ルミナスが悲鳴を上げた。
『リアム! 戻ってきて! 融合したらあなたが消える!』
「それでも……受け継がなきゃ。俺の罪も、願いも、全部。」
光が爆ぜ、世界が震える。
燃える大地が波打ち、黒と青の炎が空を突き抜ける。
風が轟音を上げ、あらゆる記録が再び動き出す。
ルミナスが叫ぶ。
『世界の位相が変わっていく! あなたが“中核”に!』
「大丈夫だ。これは俺が、俺自身で作る新しい基盤だ。」
やがて光が静まり、空の裂け目が閉じた。
視界が穏やかに戻る。
気づけば、青空が広がっていた。
どこまでも澄んだ、初めて見るような空。
ベリスが息を呑み、見上げて呟いた。
「……あれは……?」
世界の中心、大地の上に浮かぶ黒と金の双輪。
それがゆっくりと輝きを放つ。
ルミナスが感嘆の声を上げた。
『……ご主人さま、成功です。アルディスの力を取り込みました。けれど、内側へ収まっています。暴走はありません。』
「そうか。……これが、俺の中に眠っていた“千年の魔王”ってやつか。」
風が静かに通り抜ける。
もう何かを壊すための力ではない。
世界を守り、次へ繋げるための“均衡の力”。
「ご主人さま。」
ルミナスが優しく微笑む。
「いま、あなたは二つの時代を超えました。千年前の破壊者と、今の再生者。その両方が共にひとつの命を生きている。」
「ようやく、全ての自分を受け入れられたってことかもしれないな。」
青い風が吹き抜け、街を包む。
人々が驚きながら空を見上げる。
その光の中で、俺は静かに呟いた。
「今日から、俺は“魔王”じゃない。……この世界の“守り人”だ。」
ルミナスが空に浮かび、新しい光を灯す。
『配信を開始します。――タイトル、“千年の魔王、真の覚醒”。』
「そんなタイトル、誰がつけろって言った。」
『いつも通りですよ。これもまた、“あなたの物語”ですから。』
そして空の双輪が静かに回り始めた。
金と黒の光が交わり、世界のあらゆる大地へ流れ落ちていく。
その瞬間――風が、確かに命の匂いを戻した。
千年を越えて蘇る、新たな心臓の鼓動。
それは破壊ではなく、再生という名の奇跡だった。
0
あなたにおすすめの小説
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。
BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。
辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん??
私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~
きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。
前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さくら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる