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――――なら、やっと帰ってくれる気になったのか?
期待してパッと顔を上げると、気味の悪い東堂の顔が間近に迫っていたことに、聖はギョッとする。
「あ……」
本能で危険を感じ取り、聖はソファーの上を移動しようとした。
だが、その腕を取られ、背中に捻じり上げられる。
「――っ! 」
「ダメだよ。今までは優しくしてあげていたけれど、今夜はそうはいかない。君に好かれようと、私なりに今までずいぶんと努力していたんだ。そろそろ、その努力に報いてもらわないとねぇ」
咄嗟に、ほとんど本能で、その腹に向かって蹴りを入れようとする。
だが、その動きは事前に予測されていたらしく、ますます腕を背中へ捻じり上げられた。
「うぅっ! 」
堪え切れず、苦鳴がもれる。
完全に、動きを封じられた。
これは、普通の素人は知らない、人体の構造を押さえた的確な制圧技だ。
聖の腕を、身動きが取れぬようガッチリと固めながら、東堂は鼻歌交じりに、隠し持っていた拘束具をその体へガチャリと嵌める。
「!! 」
右手首と右足首、左手首と左足首。
聖の左右が、冷たく頑丈な鉄の輪で固定される。
「――!? 」
「私はね、これでも柔術の心得があるんだよ。いつでも、君の動きを封じて、こうやって簡単に拘束できたのさ。それなのに、今までやらなかったのは、何でだと思う? 」
「……」
キッと睨み付けると、東堂は愉快そうに笑った。
「そうそう、その眼! もう、最高だよ!! 私の事をたくさん知ってもらって、君に私の事を好きになってもらいたかったんだ。だから、一ヵ月かけて熱烈に大切に、たっぷりと時間をかけて求愛したんだよ。本当に、毎日君の全身を可愛がってあげたよねぇ! でも、そろそろいいだろう? 今夜こそ、私の愛を受け入れてもらうよ」
――――冗談ではない!
聖は、不自由な格好のまま、床へ逃れようと身を捻る。
だが、拘束されたその姿勢ではムリだ。
東堂は笑いながら、聖を軽々と背中へ抱え上げる。
「はっ離せっ!下ろせよ!! 」
「う~ん、いい声だ。本当に可愛いよぉ」
聖の抵抗など意に介さず、東堂はその身体を、キングサイズのベッドの上へ転がした。
無様な格好だ何だと、言っている場合ではない。
聖は必死になって、這いずるようにベッドの上を移動する。
――――だが、
「あうぅ! 」
堪え切れぬ悲鳴が、その唇から上がる。
着ていた襦袢をはだけられ、男の武骨な指が、その下肢へと触れたからだ。
「おや? 下着をつけていたのか」
「離せよ、変態野郎! 」
「襦袢っていうのはね、それがもう下着のことなんだよ。だから、これの下にパンツを履くのは間違っているんだ」
「知るか、阿呆!! 」
ジタバタと、死に物狂いで暴れる。
今夜ばかりは、いよいよこの変態野郎も本気なんだと察し、聖の方も、これまでのようにただ睨み付けて耐えるだけでは済まないと直感していた。
逃げなければ、間違いなく犯される。
だが、幸いにして聖は男だ。
万が一そうなっても、女のように、妊娠するリスクがあるワケでもない。
一時はそう思い、覚悟を決めようかとも思っていたが……
――――やっぱりムリだ! 嫌なものは嫌だ!!
「離せよ! 触んな! やめろぉ――! 」
「ハハハ、大丈夫。怖くないよ」
期待してパッと顔を上げると、気味の悪い東堂の顔が間近に迫っていたことに、聖はギョッとする。
「あ……」
本能で危険を感じ取り、聖はソファーの上を移動しようとした。
だが、その腕を取られ、背中に捻じり上げられる。
「――っ! 」
「ダメだよ。今までは優しくしてあげていたけれど、今夜はそうはいかない。君に好かれようと、私なりに今までずいぶんと努力していたんだ。そろそろ、その努力に報いてもらわないとねぇ」
咄嗟に、ほとんど本能で、その腹に向かって蹴りを入れようとする。
だが、その動きは事前に予測されていたらしく、ますます腕を背中へ捻じり上げられた。
「うぅっ! 」
堪え切れず、苦鳴がもれる。
完全に、動きを封じられた。
これは、普通の素人は知らない、人体の構造を押さえた的確な制圧技だ。
聖の腕を、身動きが取れぬようガッチリと固めながら、東堂は鼻歌交じりに、隠し持っていた拘束具をその体へガチャリと嵌める。
「!! 」
右手首と右足首、左手首と左足首。
聖の左右が、冷たく頑丈な鉄の輪で固定される。
「――!? 」
「私はね、これでも柔術の心得があるんだよ。いつでも、君の動きを封じて、こうやって簡単に拘束できたのさ。それなのに、今までやらなかったのは、何でだと思う? 」
「……」
キッと睨み付けると、東堂は愉快そうに笑った。
「そうそう、その眼! もう、最高だよ!! 私の事をたくさん知ってもらって、君に私の事を好きになってもらいたかったんだ。だから、一ヵ月かけて熱烈に大切に、たっぷりと時間をかけて求愛したんだよ。本当に、毎日君の全身を可愛がってあげたよねぇ! でも、そろそろいいだろう? 今夜こそ、私の愛を受け入れてもらうよ」
――――冗談ではない!
聖は、不自由な格好のまま、床へ逃れようと身を捻る。
だが、拘束されたその姿勢ではムリだ。
東堂は笑いながら、聖を軽々と背中へ抱え上げる。
「はっ離せっ!下ろせよ!! 」
「う~ん、いい声だ。本当に可愛いよぉ」
聖の抵抗など意に介さず、東堂はその身体を、キングサイズのベッドの上へ転がした。
無様な格好だ何だと、言っている場合ではない。
聖は必死になって、這いずるようにベッドの上を移動する。
――――だが、
「あうぅ! 」
堪え切れぬ悲鳴が、その唇から上がる。
着ていた襦袢をはだけられ、男の武骨な指が、その下肢へと触れたからだ。
「おや? 下着をつけていたのか」
「離せよ、変態野郎! 」
「襦袢っていうのはね、それがもう下着のことなんだよ。だから、これの下にパンツを履くのは間違っているんだ」
「知るか、阿呆!! 」
ジタバタと、死に物狂いで暴れる。
今夜ばかりは、いよいよこの変態野郎も本気なんだと察し、聖の方も、これまでのようにただ睨み付けて耐えるだけでは済まないと直感していた。
逃げなければ、間違いなく犯される。
だが、幸いにして聖は男だ。
万が一そうなっても、女のように、妊娠するリスクがあるワケでもない。
一時はそう思い、覚悟を決めようかとも思っていたが……
――――やっぱりムリだ! 嫌なものは嫌だ!!
「離せよ! 触んな! やめろぉ――! 」
「ハハハ、大丈夫。怖くないよ」
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