ワルモノ

亜衣藍

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 東堂は、己の分身が未だかつてないほどに興奮し、いきり立つのを感じた。

「いいねぇ、いいねぇ! 」

「ヴ……」

「最高だよ! 一ヵ月もご馳走を我慢した甲斐があった! ほぉら、見てごらん。私のが、もうこんなに大きくなっている。これは、我ながら新記録だよ」

 東堂は、自分の来ていた服を急いで脱ぐと、ベッドで崩れている聖の眼前へ、己の分身を突き付けた。

 気味の悪いバケモノのようだ。

 とんでもなくグロテスクだ。

「や――め……」

 辛うじて、拒絶の言葉を繰り返す。

 そんな不気味なモノ、見せんじゃねぇと言って蹴り潰してやりたい。

 最悪だ、本当に、最低最悪だ!! 

「……うぅ」

 だが、もう意識は飛び始めている。

 自分がいま、どうなっているのかも分からない。

 どんな無様な格好で転がっているのかも、もう認識できない。

 東堂は、抵抗を放棄しつつある聖を見下ろし、悦に入った笑いをもらす。

「可愛いねぇ、本当に、可愛いよ。それに、とても美しい。どこもかしこも白くてピンクで……ここも、淡くて素敵だ」

 スッと、聖の秘めていた場所をなぞり、舌で唇をペロリと舐める。

「できるだけ壊れないように、大阪に行っても大切にしてあげるよ。私も長く君と楽しみたいし――これだけ焦らされたんだ、毎日私の舌で上から下まで丁寧に舐めて、身体中をピカピカに綺麗にしてあげるよ。服なんて着させないで、宝石を直に飾ってやろうかな。ここや、ここにピアス穴を開けて――――」

「あぅ――」

 敏感な部分を触れられ、燃え上がっている聖の身体はビクッと反応する。

(な、なんだ――オレは……?)

 しっかりしろ、しゃっきりしろ!

 聖は、己に喝を入れる。

 だが、意に反し、もう体も心も限界だ。

 鼻歌を歌いながら、東堂は、抵抗を止めた聖の身体から拘束具を外した。

「いつもの私なら、これを装着させたまま肉人形のようにして嵌めて遊ぶんだが、そうすると結構の割合で脱臼しちゃうからね。君だけ、特別に外してあげよう」

「……」

「私は、優しいだろう? 」

『わぁたしーはぁ――や~だ……うぉ~』

 東堂の言っている言葉が、もうまともに聞き取れない。

 頭に、色々な音が反響して眩暈がする。

 このままでは、本当に自分は――――!? 

(嫌だ! 嫌だよ、親分っ!! )

「う……」

 聖は、痺れたように自由の利かない己の手を、それでも意思を総動員しながらゆっくりと動かし、自分の口へ持って行った。

 そして、その手を、残っている力の全てを込めて、ガリっと噛む!

「なっ! 」

 驚いて、東堂は聖の上腕を掴む。

「何をしている! 止めるんだ!! 」

(嫌だ、嫌だ、嫌だ――――しゃっきりしろ! こんな事でくたばってんじゃねーよ! )

 真紅の血が、聖の口から滴る。

 右手に、己の歯がギリギリと食い込む。

「止めなさいっ! 」



 東堂の悲鳴のような声が上がるとほぼ同時に、屋敷に爆発音が鳴り響いた。


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