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15 そもそものハイロール男爵家の行方は
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私はヒュームに聞くことにした。
父、そしてこの男爵家についてたぶん一番「現在の時点」で詳しいのは彼のはずなのだ。
そして「現在」を知らないことには、「過去」も判らないだろう。
「どうしたんです? 貿易業ということはご存じでしょう?」
「もう少し細かく知りたいの。それと、ハイロール男爵家そのものの歴史については知っている?」
「いや、アリサ嬢さん、私が知っているのは私が勤めだしてからのことしかないですよ」
「そうなのよ。だから、それ以前。ヒュームが来る以前、この家に来る以前の、今の男爵ではなく、その前のハイロール男爵について知るにはどうすればいいの?」
「一番手っ取り早いのは、アリサ嬢さんのお祖父様でしょうな。興味があったなら、ですが。しかし、もしご存じでなかったなら、もっと公的なところから調べた方がいいのではないかと思います。ですが一体?」
「ドイツと関係があるのかと思って」
「ああ、旦那様はそちらとの貿易でのし上がってきたと言ってもいいですね」
「今でも?」
「今は少し手を引いてますね。何かと政情不安が大きいですから。と言っても、何処もそうですな。いつから少なくなりましたかな……」
関わりはあるのか。
それと公的な、……ミュゼットにこちらは頼もう、と思った。
いや、ミュゼットというよりは、彼女が知り合った弁護士に、だ。
あとはお祖父様に。
調べはした、けど曖昧な時代だった。
それはあくまで父のことについてであって、その前の代のことを全く知らない訳ではないだろう。
「突然で急ぎにしては唐突だと思うわ。
でも確かにそうよね。
マルティーヌさんはフランスからこっちに来た、と言っていたけど、ドロイデさんがドイツから来ていたから、そっちでのごはんはそちら風だったのね。
マルティーヌさんのごはんは、やっぱり時々フランス風になったりするもの。
何か、材料はあるんだから、故郷の味付けをしたくなるんですって。
確かに屋敷で食べていたジャガイモ料理の方が、こっちでオラルフさんとかと店に入った時の味より格段に美味しかったと思うのは、調理人の腕というより、そもそもの作り方なのね。
公的な資料上のハイロール男爵家の歴史については、オラルフさんに頼んでみたわ。
少し時間がかかるって言ってた。
貴女のお祖父様の方には、先日うかがったわ。
でもそっちは駄目ね。
紳士録に載っては居たけれど、若い時には変人揃いの男爵家ということで、あまり手を出さないことにしていたらしいの。
あ、あと何でも、一時期一族郎党揃って、インドやジャヴァや、そっちへ移り住んでいたみたいよ。
商会をそれでやっていた様なのだけど、当時は今程ぱっとしなくて、好事家のために向こうの珍しいものを紹介して売る、というものだったみたい。
だけどあまり利益にはならないものだったらしいわ。
貴女のお祖父様はそういう山師的なところは好きではなかったので、それ以上のことは覚えていない、とのことなの。
だから貴女のお母様が男爵に申し込まれた時、すぐには思い出せなかったらしいし、慌てて身辺調査を一生懸命したけど、その時には何やらあやふやになっていた、ということなのね。
だから親戚が未だに向こうにいたとしてもおかしくはない、ということらしいの」
父、そしてこの男爵家についてたぶん一番「現在の時点」で詳しいのは彼のはずなのだ。
そして「現在」を知らないことには、「過去」も判らないだろう。
「どうしたんです? 貿易業ということはご存じでしょう?」
「もう少し細かく知りたいの。それと、ハイロール男爵家そのものの歴史については知っている?」
「いや、アリサ嬢さん、私が知っているのは私が勤めだしてからのことしかないですよ」
「そうなのよ。だから、それ以前。ヒュームが来る以前、この家に来る以前の、今の男爵ではなく、その前のハイロール男爵について知るにはどうすればいいの?」
「一番手っ取り早いのは、アリサ嬢さんのお祖父様でしょうな。興味があったなら、ですが。しかし、もしご存じでなかったなら、もっと公的なところから調べた方がいいのではないかと思います。ですが一体?」
「ドイツと関係があるのかと思って」
「ああ、旦那様はそちらとの貿易でのし上がってきたと言ってもいいですね」
「今でも?」
「今は少し手を引いてますね。何かと政情不安が大きいですから。と言っても、何処もそうですな。いつから少なくなりましたかな……」
関わりはあるのか。
それと公的な、……ミュゼットにこちらは頼もう、と思った。
いや、ミュゼットというよりは、彼女が知り合った弁護士に、だ。
あとはお祖父様に。
調べはした、けど曖昧な時代だった。
それはあくまで父のことについてであって、その前の代のことを全く知らない訳ではないだろう。
「突然で急ぎにしては唐突だと思うわ。
でも確かにそうよね。
マルティーヌさんはフランスからこっちに来た、と言っていたけど、ドロイデさんがドイツから来ていたから、そっちでのごはんはそちら風だったのね。
マルティーヌさんのごはんは、やっぱり時々フランス風になったりするもの。
何か、材料はあるんだから、故郷の味付けをしたくなるんですって。
確かに屋敷で食べていたジャガイモ料理の方が、こっちでオラルフさんとかと店に入った時の味より格段に美味しかったと思うのは、調理人の腕というより、そもそもの作り方なのね。
公的な資料上のハイロール男爵家の歴史については、オラルフさんに頼んでみたわ。
少し時間がかかるって言ってた。
貴女のお祖父様の方には、先日うかがったわ。
でもそっちは駄目ね。
紳士録に載っては居たけれど、若い時には変人揃いの男爵家ということで、あまり手を出さないことにしていたらしいの。
あ、あと何でも、一時期一族郎党揃って、インドやジャヴァや、そっちへ移り住んでいたみたいよ。
商会をそれでやっていた様なのだけど、当時は今程ぱっとしなくて、好事家のために向こうの珍しいものを紹介して売る、というものだったみたい。
だけどあまり利益にはならないものだったらしいわ。
貴女のお祖父様はそういう山師的なところは好きではなかったので、それ以上のことは覚えていない、とのことなの。
だから貴女のお母様が男爵に申し込まれた時、すぐには思い出せなかったらしいし、慌てて身辺調査を一生懸命したけど、その時には何やらあやふやになっていた、ということなのね。
だから親戚が未だに向こうにいたとしてもおかしくはない、ということらしいの」
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