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告白
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しおりを挟む首元を見られ、慌ててシャツの襟を掻き寄せる。
「威…おねがい…下ろして…」
「……」
こちらを見下ろす威の目が、先程までの視線でないのが分かり、その腕から逃げようと体をよじった。
「…ぅっ…もうほっといてくれ…頼む……下ろして」
ぽろぽろと涙が頬を伝って流れていく、威に知られたくなくて逃げようとするが、腕はがっちりと葉人を抱き上げて離さなかった。
「葉…」
言葉を探しあぐねた表情で名前を呼ばれても、ただ首を振ることしかできない。
威が葉人の体に何が施されているか分かってしまったのは明らかだった。
いやだ
「…たけ…る…お願い……見ないで……っ…ぅ…」
こちらを見下ろす無表情な威の視線が怖くなり、両手で顔を覆って泣きじゃくる。
「失礼します」
からりと扉の音がして、消毒液の臭いが漂ってくる。
「…先生は……いないか」
そう呟くと、威はベッドへと葉人を下ろして背を向けてしまう。
その背中がひんやりとして見えて、葉人には拒絶に感じて思わずその背中にすがりつく。
「っ…やだ…たける。行かないで……」
身動ぎして、威はじっと立ち尽くす。
「オ…オレ…威には……知られたく…なく…て……」
すがり付いた背中が、小さく震えていた。
「き…気づいたよな……体………オレ…オレっ……!」
「葉、手…離せ」
固い声が耳に入る。吸い込んだ息が止まり、何か言おうとしたが喉が塞がれたようにひしゃげた呻き声しか出てこなかった。
「…ぁ…っ」
掴んだシャツから手を離すと、威の背中は振り返ることもなく葉人から離れた。
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