未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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まだ未熟な

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この日のためにと貯めていたお小遣いで、親兄弟、手分けして使用人たちへのお土産を買う。
「うちの料理人にはやっぱ香辛料かな」
「赤切れ、手荒れ用のクリームだって」
「それいいな」
「やっぱり布よりこっち糸のほうがよさそうだね」

午後からは家族で教会へ顔を出す。
道中で買ったお菓子と父母はお布施を司教に渡し、大木へと、全員で祈りを捧げる。
お菓子は、孤児院の子たちへ賄われるそうだ。

人はこの木から産まれてくる。
神々が子孫が出来ないと嘆いた人への新たな祝福。

誰もが静かに祈りを捧げる。

イネス達はこの木から産まれたわけではない。
領地にあ教会の中の木から産まれたと母から聞いた。
ただ、それでもどの樹木にも感謝をするというのが教えであるがゆえに兄弟揃って祈りを捧げる。

ついでに、兄たちは剣が上手になれますようにとか、いい嫁と巡り会えますように。とか願いの祈りを口にしているが聞かなかったことにする。

イネスは、いい家族に恵まれていると報告と感謝を捧げる。




家族で市場を楽しんだ翌日、母とイネスは熱を出してしまう。
「流行り病かな。基本一日寝れば良くなるらしいから。明日一日様子を見て、よくなり次第戻ろうか」
「王子様へのご挨拶が」
イネスがしょんぼり落ち込む。
「それはこちらからお断りしておくよ。こればっかりは無理してもしょうがない」
「今日は母と一緒だぞ。イネス」
抱きついてくるいつもより体温の高い母。

「お二人とも大丈夫ですか?」
リーマンが顔を出して、イネスはこくこくと頷く。
母は苦笑しながら答える。
「まだ熱はありますが、医者にもかかりました。そこまで重症ではないらしいですよ」
「喉にいいという飴を買ってきたのでよかったら、食べてください」
渡された瓶入りの飴を母が受け取る。
「ありがとうございます。イネス。あーん」
病気のせいだと言い訳して、口を開けて飴を貰う。
甘さとほんのりと苦味のある飴。
「ほら。あんたたちも」
兄二人も念の為と口にさせている。
「俺もう十四歳だぞ」
長兄が不満そうにしているが母は楽しげなのであまり断れないのか、最終的に素直に従っている。

「明日はあんたちで好きに回っておいで。私はイネスと楽しくおしゃべりしてるから」
なーと話し出す母に兄たちはうるさくなるから行くかと出かける用意をする。

母が勝手に喋るのをイネスは目を閉じて聞く。



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