未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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まだ未熟な

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田舎貴族あるあるの一張羅である服を着て、王族がいる城の謁見室にて頭を下げる。
ようやく来た音に、頭を上げていいと言われて上げるがいるのは大人二人だけ。
子供はいない。

とりあえずリーマンと父母に続いて挨拶する。

「それで一つ謝っておかぬばならぬことがある」
唐突に切り出された言葉に、王子が逃げ出したのかと考える。
よほど顔合わせが嫌なのかなと落ち込んでいれば王は子供椅子を示す。
「もう一人の主役が流行り風邪にかかってしまってな。誠に申し訳ない」
頭を下げようとする王様にむしろ、王子様は大丈夫なのかと聞き返す。
「あぁ。むしろ、何時ベッドから抜け出しても可笑しくない程度には。熱があるのに元気だ。我が子ながら。だが、せっかく出てきてお祭りの日に、風邪を移すのも悪い。とはいえ、この際だ。王子について聞きたいことがあれば何でも答えよう」
「いつまでおねしょしたとかもお答えしますよ」
王妃が楽しそうに笑うので、とんでもないと思いつつも、無難に、先生と考えた質問の好きな本や趣味は何かを聞いておく。

「最終日に今一度顔を出すよう、日程調整を頼む。その頃には王子も良くなっているだろう」
「承知しました」
父母は粛々と受け入れる。
そんなことを王様から言われたら断れるわけもない。
(家族で最終日のお祭り、楽しむつもりだったのに)
等と不満を思っても顔にも行動にも顔を出してはいけない。


そう、教育されているからだ。
もし失敗すればリーマンにも父母にも恥をかかせることになる。



無事、食事会まで終えて、家に帰ってすぐ服を着替える。
待っているだろう兄たちの元へ向かう。
「兄上。終わったんだけど」
兄たちは剣の演習中。
邪魔をしてはいけないと、側でのんびりと眺める。
兄たちの動きは回数を重ねるごとに精査されていく。
それを見るのは凄く楽しい。
兄は一通り終えるとこちらに気づく。
「おかえり。イネス。いつ帰ってたんだ?」
「ついさっき。兄上たちかっこよかったから見てた」
褒められて嬉しそうな兄たち。
「そうそう。王様からお土産のおやつもらったんだ。美味しいから兄上たちにもあげたい。って言ったら包んでもらえたから食べよう」
「怒られなかったのか?卑しいとか」
次兄が恐ろしそうに告げる。
「料理人を褒められたって上機嫌だったよ」
次兄は心から安堵している。
「王子様ってどんなんだった?」
「風邪を引いて寝込んでるんだって」
「あぁ。王都で今はやってるらしいな。お前も気をつけろよ」
「うん。あ。最終日にまた会いに行くことになったんだ」
「えー。その日皆で出かける日じゃん」
次兄は残念そうに肩を落とす。

「けど、父上たちが前日に出かけようって言ってくれたの」
「やったー」
大喜びの二人に王子に自分の家族も凄いんだと自慢したかったなぁと考える。



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