未来の王妃として幸せを紡ぐ

林 業

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貴方を支える未来

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王都に来て早々、リーマンが顔を出す。
「先生」
「ご無沙汰しております」
飛びつきたい気持ちを押さえて、イネスは近づき、兄は頭を下げる。
「約二ヶ月ぶりですかね」
「えぇ。うちの裁縫師と婚約するという話を聞いて以来ですね」
初耳だとイネスは思わず二人を見る。
「兄上。聞いてません」
「しょうがないだろ。そのときに告白するってことだったんだし、正式に婚約者の書類は今回出しに行くらしいしな」
「そう、ですか」
だから今回裁縫師も一緒だったのかと納得する。
「あれ?でも先生、貴族では?」
「兄が継ぎましたし、嫁いでくるとは言っても、皆さんの領地に住む予定です」
「先生に頼れなくなるんですね」
「そんなことありませんよ。手紙を出していただければ何時だってあなたの師としてお手伝いします」
微笑みに、イネスは久しぶりに元気よく返事をする。
「じゃあ、婚約したら教えてください。お祝いしたいです」
「ありがとうございます。さて、明日から忙しくなりますよ。イネス君」
「が、がんばります」
「今日は旅の疲れを癒やすのと、余裕があれば街に遊びに行くといいでしょう」
「は、はい」
「じゃあ、私が付いていこう」
義兄が一緒にお買い物しようと微笑んでくれるので大きく頷く。





色々と買ったと荷物を置く。
長兄が呆れがように紙袋や箱を見る。
「先生たちへのお祝いでしょう。使用人達へのお土産に。家族へのお土産。それから美味しそうなおやつ」
「はいはい。んじゃあ、湯浴びて休んでこい。部屋に運ばせとくぞ」
「はい。お願いします」
イネスはゆっくりと歩いていく。
長兄は眺めてから告げる。
「大丈夫だったか?」
「問題ない。危なさそうなところには行かせなかったからさ」
「そっか。実家に寄らなくて平気か?」
「帰りたくないって言ったらどうする?」
「私だけ挨拶に行ってくるよ。王都に来て二人とも顔を合わせないのは不味いだろ。次期王妃の側にいますって言っとけば黙るだろう」
「兄貴に会いたくない」
「じゃあ、休んで、イネスのこと見といてくれ」
「ごめん」
「いいって。私が守るって約束したからな」
照れ臭そうに頭を撫で回してくる。
ふふふと楽しそうに笑顔を返す。


使用人達はその光景を見て、跡継ぎは問題なさそうだと頷き合う。



それから数日後、義兄に子がいることが発覚した。
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