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貴方を支える未来
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この世界では女性がいなくなった後、大樹が子を授けるようになった。
大樹に花が咲くと子ができたという証になる。
どう判断しているのかはわからないが教会からその者へ連絡が行き、花から実になるまで大樹の側にあり続ける。
そして、大樹が実となったとき初めてその実は親の下へ司教たちから預けられる。
そしてその実が卵のように割れ、赤子が生まれ落ちる。
そこまで約一年ほどかかるとされている。
実授かった後、母となった親の体調が悪くなることもあるそうだ。
親から栄養をもらっているとされているが審議は定かではない。
ただ母体も安静にしなければならないと言われている所以である。
実はできる限り親元から離してはならない。
特に母体となる方からは。
放した場合、実が腐り、産まれなくなるからである。
それ以外にも病気で亡くなったりするが、うっかり離してしまうのが一番の原因だそうだ。
そして今回イネスはリーマン、長兄、義兄と時間を練って花を見に来た。
両親も見たいと言っていたが残念ながら実になるまでに来れなさそうである。
どれだろうとイネスは見上げ、すぐに気づく。
あれだ。と。
淡い茶色の花と、金に近い色合い。
我が家の血族に受け継がれる赤茶の髪色に義兄の髪色が花弁を彩って、オーロラのように輝いている。
ただ、その色だけでなく見た瞬間に兄上と義兄の子だと理解する。
「あれですね」
「そうそう。あの子だよ」
義兄は嬉しそうに見上げ、元気に育ってね。と小さく声をかけている。
長兄も義兄の肩を寄せている。
綺麗だ。と見上げる。
「イネス君もああやって我が子を授かる日が来ますよ」
「はい」
笑顔を返して、どんなふうに変化するのか、見守る。
産まれてきたらどんなことをしようかと考える。
「あ。イネス君。義兄さんたち」
騎士の服装をした青年がやってくる。
次男の婚約者が嬉しそうに近づいてくる。
なんというか犬のような雰囲気が漂っていて思わず撫でたくなるが相手は年上と自身を鎮める。
「久しぶり」
「お久しぶりです。あいつから義兄さんたちの子を授かったと聞いて、見に来たんです。まさか会えるとは思いませんでした。おめでとうございます」
「お仕事中なんですか?」
イネスは制服を見て疑問を口にする。
「休憩中です。新しい王太子の婚約者を迎える用意をしているんですが、どうしてもいても立ってもいられず」
兄達が自分を見る。
それで気づいたのか彼は笑みを溢すと頭を撫でてくる。
「何かあったらいつでも呼んでくれ。まだ、二、三年は務める予定だからな」
「ありがとうございます」
自分は恵まれてると頭を下げながら思う。
「それで、義兄さんたち。お祝いは何がいいですか?またあいつとは別に贈りますから連絡ください」
「ありがとうございます。また考えさせていただきます」
「それでどの花ですか?」
イネスはあれですと示し、綺麗な子を授かりそうだと喜んでいる。
他にも花があるが見ている人はいない。
親は今日はいないらしい。
「また明日くるからね」
と義兄は去り際、名残惜しそうに声をかけ続け、長兄にわかったからと引きずられる。
すいませんと司祭に謝ればよくある光景ですと言われる。
後で知るのだが木にくっついている間、実は親であろうと何人たりとも触れることはできない。
だが実になって親の手に委ねられたときから、気をつけることが山程あるそうだ。
次回から子育てなどの講習を教会で受けるらしい。
大樹に花が咲くと子ができたという証になる。
どう判断しているのかはわからないが教会からその者へ連絡が行き、花から実になるまで大樹の側にあり続ける。
そして、大樹が実となったとき初めてその実は親の下へ司教たちから預けられる。
そしてその実が卵のように割れ、赤子が生まれ落ちる。
そこまで約一年ほどかかるとされている。
実授かった後、母となった親の体調が悪くなることもあるそうだ。
親から栄養をもらっているとされているが審議は定かではない。
ただ母体も安静にしなければならないと言われている所以である。
実はできる限り親元から離してはならない。
特に母体となる方からは。
放した場合、実が腐り、産まれなくなるからである。
それ以外にも病気で亡くなったりするが、うっかり離してしまうのが一番の原因だそうだ。
そして今回イネスはリーマン、長兄、義兄と時間を練って花を見に来た。
両親も見たいと言っていたが残念ながら実になるまでに来れなさそうである。
どれだろうとイネスは見上げ、すぐに気づく。
あれだ。と。
淡い茶色の花と、金に近い色合い。
我が家の血族に受け継がれる赤茶の髪色に義兄の髪色が花弁を彩って、オーロラのように輝いている。
ただ、その色だけでなく見た瞬間に兄上と義兄の子だと理解する。
「あれですね」
「そうそう。あの子だよ」
義兄は嬉しそうに見上げ、元気に育ってね。と小さく声をかけている。
長兄も義兄の肩を寄せている。
綺麗だ。と見上げる。
「イネス君もああやって我が子を授かる日が来ますよ」
「はい」
笑顔を返して、どんなふうに変化するのか、見守る。
産まれてきたらどんなことをしようかと考える。
「あ。イネス君。義兄さんたち」
騎士の服装をした青年がやってくる。
次男の婚約者が嬉しそうに近づいてくる。
なんというか犬のような雰囲気が漂っていて思わず撫でたくなるが相手は年上と自身を鎮める。
「久しぶり」
「お久しぶりです。あいつから義兄さんたちの子を授かったと聞いて、見に来たんです。まさか会えるとは思いませんでした。おめでとうございます」
「お仕事中なんですか?」
イネスは制服を見て疑問を口にする。
「休憩中です。新しい王太子の婚約者を迎える用意をしているんですが、どうしてもいても立ってもいられず」
兄達が自分を見る。
それで気づいたのか彼は笑みを溢すと頭を撫でてくる。
「何かあったらいつでも呼んでくれ。まだ、二、三年は務める予定だからな」
「ありがとうございます」
自分は恵まれてると頭を下げながら思う。
「それで、義兄さんたち。お祝いは何がいいですか?またあいつとは別に贈りますから連絡ください」
「ありがとうございます。また考えさせていただきます」
「それでどの花ですか?」
イネスはあれですと示し、綺麗な子を授かりそうだと喜んでいる。
他にも花があるが見ている人はいない。
親は今日はいないらしい。
「また明日くるからね」
と義兄は去り際、名残惜しそうに声をかけ続け、長兄にわかったからと引きずられる。
すいませんと司祭に謝ればよくある光景ですと言われる。
後で知るのだが木にくっついている間、実は親であろうと何人たりとも触れることはできない。
だが実になって親の手に委ねられたときから、気をつけることが山程あるそうだ。
次回から子育てなどの講習を教会で受けるらしい。
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