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「いやー、化粧映えする顔だからほんと碧のメイクは楽しいわー」
ニコニコと楽しそうに腕を振るう紅音に対し半ば強制的なこの状態に今日の運勢は絶対最下位だったんだろうと力なく肩を落とした。
メイク中に話してくれた紅音によると今日行われる撮影でメインの男性モデルの相手役の女性モデルが向かう途中事故に巻き込まれ、幸い怪我はなかったものの頭を打ったということで念のため精密検査になり急遽参加できなくなってしまったらしい。代わりのモデルを探してはみたが急だったためなかなか見つからず相手の男性モデルも忙しく今日のこの時間じゃないと無理ということでスタッフ間で協議した結果何故か碧に白羽の矢が突き刺さってしまった。
「だからって...私顔とか出ると困るんだけど」
「それは大丈夫、メイクは一応するけどなるべく写らないようにしてもらうし今回のテーマもメインはそのnariくんだし。元々女の子はサブ的要素だったみたいだから...にしも碧、いくらnariくん間近にいるからって見惚れて固まらないでよー」
紅音が冗談ぽく笑いながら碧に相手役の男性モデルの話をしてきたがその名前にピンと来ずきょとんとした顔で紅音を見た。
「...nariくんて有名なモデルさん?」
「えっ?碧まさか知らないの?!こんだけ雑誌やテレビで取り上げらえてるのに!碧と同じ年でめちゃくちゃ人気あるのよー」
「そうなの?だってあんまり男性モデル興味なかったから...あっ、そういえば友だちが前に雑誌見てかっこいいとか言ってたような気が...」
そんな会話をしているとメイクルームのドアからノック音が聞こえ紅音が返事をするとスタイルのいい大人な雰囲気の女性が入って来た。
「お疲れ様ーっ、ごめん遅くなった...ってもう着替えてたのか」
「お疲れ、どうよわが妹の可愛さを。さっき、りぃちゃんに衣装合わせして着せてもらったしサイズはバッチリ☆」
「そっか。確かに可愛らしい、流石助っ人に呼んだだけあるわ」
褒められなれていない碧はお世辞だとわかっていても二人の会話に少し顔を赤らめ照れていた。
雑誌は季節が先取りになるため今は春夏ファッションになり碧は薄ピンクの花柄のミニのフレアワンピース、胸元はV字にカットされ鎖骨部分が露わになり甘辛コーデになっていた。あまりセクシーさを出しすぎないよう長めのカールされたウイッグで胸元を隠すようにセットされた。
「...碧、胸元もそうだけどなるべく首も見えないようにね」
こそっと耳打ちするように紅音が小さな声で囁かれ言ってる意味を理解すると碧の頬は先ほどの比ではないくらい見る見る紅潮していった。恥ずかしさから居たたまれず紅音にトイレに行くと嘘をつきメイクルームから慌てるように急ぎ足で出た。
(バタバタしてて忘れてた!...紅姉に見られちゃったよ)
早歩きをしながら彷徨いていると前から歩いてくる人に気づかず碧は思いっきり相手の身体にぶつかってしまった。
「わっ!ごめん、大丈夫?!」
「す、すみませんよそ見してて」
碧はぶつかった相手の顔を見上げるとくっきりした二重だが涼し気な目元、髪は真ん中で分けウエットな感じで整えられ貴斗とはまた違った端正な顔立ちの男性に思わず碧は見惚れてしまった。
「碧ーっ!何してんのよーっまだ仕上げしてないんだから早くおいで、ってnariくんおはよー」
「...おはようございます、あの...彼女は」
「あー、なんか次の撮影でnariくんと絡む子トラブルで急遽出れなくなっちゃってね、身長は足りないけど体形似てたしイケるかなーと思って妹の碧を召喚しちゃったわけ」
「えっ...」
「今回お世話になります桐野碧です、よろしくお願いします」
驚いた表情をするnariと目が合った碧が挨拶をすると会釈を返されたがすぐさま視線を逸らされた。スタッフらしき人物がnariに声をかけそのままスタッフとnariの関係者と共にスタジオへと向かってしまい、碧もまた紅音に先ほどのメイクルームへと引きずり戻された。
(あの雰囲気どっかで...)
☆☆☆
「では、そろそろ撮影始めまーす」
カメラマンに顔は撮らないことを了承してもらい碧は紅音にメイクを直されスタジオへと向かった。其処にはすでにnariもスタンバイし撮影用のソファに座っていた。
「さっきも説明あったと思うけどnariくんは今回、普段クールな彼が二人っきりになると彼女に甘えるっていうテーマだからnariくんイイ表情頼むよー、っとそっちの君は後頭部くらいしか撮らないようにするから緊張せず頑張ろうね」
「はい、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
碧はガチガチに緊張しながら奥で見守るようにガッツポーズをする紅音に和まされ深呼吸をした。
「えっとー、素人なのでご迷惑おかけするかもしれませんがよろしくお願いします」
「桐野さん、そんな緊張しなくても大丈夫だから」
碧が頭を下げて挨拶をするとどこかで聞き覚えのある声が頭上に降ってきた。碧は顔を上げ目の前に立つ人物を凝視するがやはり会った覚えはなく記憶を辿っているとすぐさま撮影開始となってしまった。
ソファに座るnariと抱き合う形で耳辺りにキスをし(ふり)カメラ目線で甘えたような表情を見せる...。
(いくら背中越しからの撮影とは言え初対面の異性、しかもこんな至近距離でくっつくなんて恥ずかしいよーっ早く終わんないかなー)
「...身体強張ってる、もう少しリラックスして。顔は写んないから少し話しても大丈夫だから」
優しい声色が耳元で囁かれ緊張が解れるどころか更に変な汗が出てきた感覚に陥ってしまった。
「は、はい、すみません...」
碧の視線からではnariの後頭部付近しか見ることができないためどのような表情をしているか全くわからなかったが逆に顔が見えないことでほんの少しだが強張りが解けていく感じがした。
「この髪ってウイッグなんだね」
「そうなんです、元々は短いんですがそのままだと流石に服とも合わないしこれなら知り合いや学校の人たちにもバレないですから」
「俺もそうだよ...普段の格好だと誰にも気づかれない」
nariの手が碧の背中に手を回し更に身体の密着が強くなる。nariはカメラマンからの細かい指示に応え碧と細やかな会話と共に撮影が進んでいく。
「あっ、そっちは」
なるべく鬱血痕を隠すようにしていた首元の髪をnariに掬われ露わになってしまった。油断していたとはいえ他の人に見られるのは抵抗があり、碧はnariにやめてもらうよう伝えようとした時、その場所に口唇が軽く皮膚に触れてきた。
「...あの後彼と何かあったんだね」
「え?...あっ、やっ、ちょっ」
そう呟くnariの言葉に一瞬頭がついていかず目を丸くしているとその場所を上書きするようにnariの温かな口唇に吸い付かれた。昨日貴斗に付けられた時と同じちりっとした痛みが首筋に与えられ碧は顔を歪めた。
「nariくん、その表情いいよー、甘えと独占欲が交じり合ったような感情が出てて」
何も知らないカメラマンは興奮したように何枚もシャッターを押し続けていた。
「どういう...」
動けない碧は先ほどの緊張とは別の緊張感が全身を駆け巡りながらある人物の顔が真っ先に浮かんだ。
「なんで・・・」
その瞬間、nariの顔が碧に向かれ今まで見たことのない表情で笑みを浮かべられた。
ニコニコと楽しそうに腕を振るう紅音に対し半ば強制的なこの状態に今日の運勢は絶対最下位だったんだろうと力なく肩を落とした。
メイク中に話してくれた紅音によると今日行われる撮影でメインの男性モデルの相手役の女性モデルが向かう途中事故に巻き込まれ、幸い怪我はなかったものの頭を打ったということで念のため精密検査になり急遽参加できなくなってしまったらしい。代わりのモデルを探してはみたが急だったためなかなか見つからず相手の男性モデルも忙しく今日のこの時間じゃないと無理ということでスタッフ間で協議した結果何故か碧に白羽の矢が突き刺さってしまった。
「だからって...私顔とか出ると困るんだけど」
「それは大丈夫、メイクは一応するけどなるべく写らないようにしてもらうし今回のテーマもメインはそのnariくんだし。元々女の子はサブ的要素だったみたいだから...にしも碧、いくらnariくん間近にいるからって見惚れて固まらないでよー」
紅音が冗談ぽく笑いながら碧に相手役の男性モデルの話をしてきたがその名前にピンと来ずきょとんとした顔で紅音を見た。
「...nariくんて有名なモデルさん?」
「えっ?碧まさか知らないの?!こんだけ雑誌やテレビで取り上げらえてるのに!碧と同じ年でめちゃくちゃ人気あるのよー」
「そうなの?だってあんまり男性モデル興味なかったから...あっ、そういえば友だちが前に雑誌見てかっこいいとか言ってたような気が...」
そんな会話をしているとメイクルームのドアからノック音が聞こえ紅音が返事をするとスタイルのいい大人な雰囲気の女性が入って来た。
「お疲れ様ーっ、ごめん遅くなった...ってもう着替えてたのか」
「お疲れ、どうよわが妹の可愛さを。さっき、りぃちゃんに衣装合わせして着せてもらったしサイズはバッチリ☆」
「そっか。確かに可愛らしい、流石助っ人に呼んだだけあるわ」
褒められなれていない碧はお世辞だとわかっていても二人の会話に少し顔を赤らめ照れていた。
雑誌は季節が先取りになるため今は春夏ファッションになり碧は薄ピンクの花柄のミニのフレアワンピース、胸元はV字にカットされ鎖骨部分が露わになり甘辛コーデになっていた。あまりセクシーさを出しすぎないよう長めのカールされたウイッグで胸元を隠すようにセットされた。
「...碧、胸元もそうだけどなるべく首も見えないようにね」
こそっと耳打ちするように紅音が小さな声で囁かれ言ってる意味を理解すると碧の頬は先ほどの比ではないくらい見る見る紅潮していった。恥ずかしさから居たたまれず紅音にトイレに行くと嘘をつきメイクルームから慌てるように急ぎ足で出た。
(バタバタしてて忘れてた!...紅姉に見られちゃったよ)
早歩きをしながら彷徨いていると前から歩いてくる人に気づかず碧は思いっきり相手の身体にぶつかってしまった。
「わっ!ごめん、大丈夫?!」
「す、すみませんよそ見してて」
碧はぶつかった相手の顔を見上げるとくっきりした二重だが涼し気な目元、髪は真ん中で分けウエットな感じで整えられ貴斗とはまた違った端正な顔立ちの男性に思わず碧は見惚れてしまった。
「碧ーっ!何してんのよーっまだ仕上げしてないんだから早くおいで、ってnariくんおはよー」
「...おはようございます、あの...彼女は」
「あー、なんか次の撮影でnariくんと絡む子トラブルで急遽出れなくなっちゃってね、身長は足りないけど体形似てたしイケるかなーと思って妹の碧を召喚しちゃったわけ」
「えっ...」
「今回お世話になります桐野碧です、よろしくお願いします」
驚いた表情をするnariと目が合った碧が挨拶をすると会釈を返されたがすぐさま視線を逸らされた。スタッフらしき人物がnariに声をかけそのままスタッフとnariの関係者と共にスタジオへと向かってしまい、碧もまた紅音に先ほどのメイクルームへと引きずり戻された。
(あの雰囲気どっかで...)
☆☆☆
「では、そろそろ撮影始めまーす」
カメラマンに顔は撮らないことを了承してもらい碧は紅音にメイクを直されスタジオへと向かった。其処にはすでにnariもスタンバイし撮影用のソファに座っていた。
「さっきも説明あったと思うけどnariくんは今回、普段クールな彼が二人っきりになると彼女に甘えるっていうテーマだからnariくんイイ表情頼むよー、っとそっちの君は後頭部くらいしか撮らないようにするから緊張せず頑張ろうね」
「はい、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします」
碧はガチガチに緊張しながら奥で見守るようにガッツポーズをする紅音に和まされ深呼吸をした。
「えっとー、素人なのでご迷惑おかけするかもしれませんがよろしくお願いします」
「桐野さん、そんな緊張しなくても大丈夫だから」
碧が頭を下げて挨拶をするとどこかで聞き覚えのある声が頭上に降ってきた。碧は顔を上げ目の前に立つ人物を凝視するがやはり会った覚えはなく記憶を辿っているとすぐさま撮影開始となってしまった。
ソファに座るnariと抱き合う形で耳辺りにキスをし(ふり)カメラ目線で甘えたような表情を見せる...。
(いくら背中越しからの撮影とは言え初対面の異性、しかもこんな至近距離でくっつくなんて恥ずかしいよーっ早く終わんないかなー)
「...身体強張ってる、もう少しリラックスして。顔は写んないから少し話しても大丈夫だから」
優しい声色が耳元で囁かれ緊張が解れるどころか更に変な汗が出てきた感覚に陥ってしまった。
「は、はい、すみません...」
碧の視線からではnariの後頭部付近しか見ることができないためどのような表情をしているか全くわからなかったが逆に顔が見えないことでほんの少しだが強張りが解けていく感じがした。
「この髪ってウイッグなんだね」
「そうなんです、元々は短いんですがそのままだと流石に服とも合わないしこれなら知り合いや学校の人たちにもバレないですから」
「俺もそうだよ...普段の格好だと誰にも気づかれない」
nariの手が碧の背中に手を回し更に身体の密着が強くなる。nariはカメラマンからの細かい指示に応え碧と細やかな会話と共に撮影が進んでいく。
「あっ、そっちは」
なるべく鬱血痕を隠すようにしていた首元の髪をnariに掬われ露わになってしまった。油断していたとはいえ他の人に見られるのは抵抗があり、碧はnariにやめてもらうよう伝えようとした時、その場所に口唇が軽く皮膚に触れてきた。
「...あの後彼と何かあったんだね」
「え?...あっ、やっ、ちょっ」
そう呟くnariの言葉に一瞬頭がついていかず目を丸くしているとその場所を上書きするようにnariの温かな口唇に吸い付かれた。昨日貴斗に付けられた時と同じちりっとした痛みが首筋に与えられ碧は顔を歪めた。
「nariくん、その表情いいよー、甘えと独占欲が交じり合ったような感情が出てて」
何も知らないカメラマンは興奮したように何枚もシャッターを押し続けていた。
「どういう...」
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