転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

第三十三章 二年生

千三百三十七話 ゴブリンを倒せ！

　みんなで村の外に出て、直ぐに近くの森に移動します。
　直ぐに、広範囲探索魔法で森の中の状況を確認します。

　シュイン、もわーん。

「うーん、ブチイノシシみたいな反応もあるけど、どうやら別の反応もありそうだね」
「もしかしたら、ブチイノシシは何かに追いかけられているのかもしれないね」

　僕の隣で一緒に森を見ている、リズの考えが正解かもしれない。
　ということで、スラちゃんとポッキーが森の中に入って偵察をしてくれることになった。
　僕たちは、定期的に森の中を広範囲探索魔法で確認して状況を確認することにした。
　うーん、何だか森の奥の反応が嫌な感じなんだよね。
　すると、程なくしてスラちゃんとポッキーが僕たちのところに戻ってきた。
　うん、あんまり良くない情報だった。

「大変！　森の中にゴブリンの集団がいるんだって。だから、ブチイノシシやフォレストウルフが生息域を追われたみたいだよ！」

　リズがスラちゃんの言葉を翻訳してくれたけど、やっぱり森の奥の反応は良くないものだった。
　とはいえ、原因が分かれば直ぐに対処できます。
　流石にポニさんたちとリボンちゃんは森の中に入れないので、万が一森から何かが出てきた時に対応することにしました。
　僕たちは、武器を手にしてスラちゃんの繋いだゲートの中に潜り込みました。

「「「「「キシャー！」」」」」

　ゴブリンは、全部で二百匹くらいの中々の集団です。
　ゴブリンキングもいるので、ここは手早く倒しましょう。

「じゃあ、魔法で一気に数を減らして打ち漏らしを各個撃破で」
「「「はい！」」」
「キュー」

　既にスラちゃんとポッキーが魔法の準備をしているので、先制攻撃はお任せすることにしました。

　シュイン、シュイン、ズドーン！

「「「「「ギャギャ！」」」」」

　ポッキーの重力魔法で一気にゴブリンを押しつぶし、スラちゃんが風魔法を叩き込んだ。

　シュイン、ズドドドーン！

「えーい！」
「やあ」
「ミー」

　更に、リズが大量のホーリーバレットをゴブリンにぶち込んだ。
　イヨとミケちゃんもダークバレットを乱舞するけど、これってもしかして……

「アレク様、もうゴブリンが全滅しています」

　サンディも苦笑しているが、どうやら魔法攻撃だけでゴブリンキングも含めて一気に駆逐してしまったようです。
　周辺を探索魔法で確認しても、ゴブリンらしき反応はありません。
　まあ、ある意味予測できた状況ですね。
　スラちゃんとポッキーがどんどんとゴブリンをアイテムボックスに収納し、これで対応完了です。
　僕たちは、再び森の中から森の外にゲートで移動しました。

　ドサッ。

「これは凄い。ゴブリンの巣がないとみると、どうも流れのゴブリンの集団みたいだね」

　ジェイド様にも来てもらい、リズたちが倒したゴブリンを見てもらった。
　兵が何にもやることがなかったので、ゴブリンの解体に付き合ってもらっています。
　討伐証と魔石以外は、スラちゃんとプリンがどんどんと吸収していきました。

「害獣駆除した後にブチイノシシが現れたのは、間違いなくゴブリンの影響みたいです。ポッキーは、ブチイノシシは何だか怯えているようにも見えたそうです」
「これだけのゴブリンがいたら、森の中の生物はたまったものじゃないだろう。何にせよ、当面は森の中の生態系が落ち着くのを確認する必要がある」

　ジェイド様は、直ぐに兵に当面の巡回の強化を命じました。
　何が出てくるか、暫くは分からないもんね。
　因みに、リボンちゃんが上空から森を偵察してくれた結果、変な雰囲気のものはいなくなったそうです。