転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十二章 新入生

千百二十三話 今日は王城でお仕事です

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 無事に学園の説明会も終わり、本格的に夏休みに入りました。
 僕は、時間がある時は普通に王城に行って宰相執務室でお仕事をしています。

「「「うーん、うーん……」」」

 そして、リズたちは勉強部屋で夏休みの課題をやっていました。
 というのも、順調に夏休みの課題を終えれば、明後日ケイマン男爵領に行って湖で遊ぶことになっているからです。
 そのために、王妃様やアリア様からある程度課題を終えるようにと言われていました。
 ミカエルたちも普通に勉強しているけど、ちびっ子たちも湖で遊ぶ予定です。
 なので、ミカエルたちも勉強部屋で一生懸命に勉強しています。

「アレク君も学生なのだから、夏休みは遊ぶのも大切だぞ」

 仕事をしている僕のことを宰相が苦笑していたんだけど、逆に何にもしないでのんびりするのって苦手なんだよね。
 のんびりしている時に限って、プリン作りが入ったりしているけど。
 それに、リズたちが頑張って課題をしているのに、僕だけ何もしないのは悪い気がします。
 さてさて、無事に書類も出来たので僕と宰相は会議に参加します。
 内容は、ルーカスお兄様の結婚式の件です。

「日程も決まったので、国内外の関係者に招待状を送った。安全を期すため、国外からの招待客は全てアレクたちのゲートで送迎をする。大教会と王城の移動もゲートだが、市内をパレードするからそのための警備はつける」

 陛下が矢継ぎ早に話をしたけど、ルーカスお兄様たちの結婚式は来年の六月に行うことになりました。
 この前のチャールズさんとククリさんの結婚式を参考にして、警備体制をどうするかも詰めているそうです。
 もちろん陛下が結婚した時のことも参考にしているけど、昔の結婚式は国外からの来賓を迎えるのも大変だったそうです。
 今は魔導船もあるし、地方からの移動もとても速くなりました。
 ルーカスお兄様の結婚式関係の話はトントン拍子に進んでいったのですけど、ここでルーカスお兄様が一言。

「私よりも、アレクの結婚式の方が大変になりそうな気がするよ。なんせ、『双翼の天使様』の結婚式なんだからね」
「「「あー」」」

 ルーカスお兄様、一国の王太子様と僕の結婚式を比べないで下さいよ。
 閣僚も、そうだねと同意しないで下さい。
 僕の前に、ルーシーお姉様の結婚式もあるんですよ。
 それに、僕の時はチョチョイとゲートで辺境伯領に来賓を呼べば終了ですよ。
 そして、その後は色々な話をしたけど、こんな話も出てきました。

「私のマジカルラットが率いる従魔部隊がスラム街の犯罪組織を潰しているけど、ドンドンと新しい犯罪組織が生まれている。もしかしたら、どこかで資金提供をしているものがいるかもしれない」

 ルーカスお兄様が犯罪組織の対応状況を教えてくれたけど、今は暗躍している貴族は少ないはず。
 まだ状況が良くわからないので、情報収集をしないとね。
 一緒に会議に参加していたスラちゃんがやる気満々だから、きっと直ぐに情報は集まるかもしれません。
 何とか、ルーカスお兄様たちの結婚式までに決着が付けばいいですね。
 会議は終了したので、そのまま食堂に向かいました。

「「「疲れた……」」」

 そこには、珍しくどよーんとしているリズたちの姿がありました。
 どうやら王妃様が勉強部屋に入ってきて、せっかくだからもっと宿題を進めましょうとなったみたいです。
 しかも、ルーシーお姉様も追撃を食らっていたみたいです。
 既に課題を全部終わらせている僕がいうのもなんだけど、こういう面倒くさいことは早めに終わらせた方がいいよ。

「「「キュー!」」」

 そして、スラちゃんとプリンは、アマリリスとマジカルラットたちと例の犯罪組織について話をしていました。
 こういうのも早い方がいいということで、さっそく午後から活動開始するそうです。
 どんな情報が集まるかは分からないけど、スラちゃんたちはとても張り切っているからすごい成果が出るかもしれないね。
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