転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

文字の大きさ
949 / 1,190
第三十二章 新入生

千百四十五話 久々の冒険者活動

しおりを挟む
 夏休みも最終盤となり、明日から学園も再開します。
 生徒会も明日から再開だし、宿題もバッチリ終えているので特にやる事はありません。
 仕事も前倒しで終わらせていたので、今日は一日フリーになりました。
 でも、後で通信用魔導具に来ている内容は確認するけどね。
 ということで、今日は久々に冒険者として活動することになりました。
 残念ながらレシステンシアさん、サキさん、メアリとかは用事があって参加できないけど、その他の面々は今日の冒険者活動に参加する事になりました。

「うーん、何だか冒険者活動も久々な気がするね!」
「久々なの。最近、ずっと宿題ばっかりやっていたの」

 冒険者服を着てやる気満々のリズとエレノアが僕の屋敷の食堂にいたけど、残念な事に二人は更に宿題を一つ忘れていて昨日まで必死になってやっていたのだ。
 夏休み何をしたというレポートなので直ぐに終わるのかと思ったら、二人はあーでもないこーでもないと何回も書き直しをしていたのだ。
 ようやく納得のいくレポートが仕上がったらしいけど、僕はこういうのはササッと終わらしちゃうんだよね。
 サンディも僕と同じくササッとレポートを書き終えていたけど、何にせよ再確認もして宿題のやり残しはありません。

「「「もぐもぐもぐ」」」

 そして、王城からはルーシーお姉様の他にルカちゃんとエドちゃんもやってきています。
 ミカエル達と一緒に食堂で朝食を食べているけど、まだ小さいエリちゃんは王城でお留守番しています。
 今日のエリちゃんはアリア様と一緒に公務をするそうで、終わったら僕たちのところに合流する予定です。
 王家の面々も揃っているので勿論近衛騎士とかも来ているけど、ポニさんたちも既に庭でやる気満々でいました。

「グー、グー」

 ドラちゃんは朝食のお肉を食べたら野良猫と共に二度寝していたけど、僕たちと一緒に冒険者ギルドに行くことになっています。
 そして、お隣の屋敷から僕の屋敷に元気なちびっ子たちと引率者がやってきました。

「「「おはよーございます!」」」
「キュッ」

 お隣の辺境伯家からは双子ちゃんとルシアさん、そしてジンさんのところからはレイカちゃんたちと保護者達がやってきました。
 ポッキーも、既に準備万端って感じですね。

「いやあ、久々に冒険者らしい活動をするわね」
「本当ね。ここのところ、経営が危ない冒険者ギルドの立て直して忙しかったからね」

 レイナさんとカミラさんが思わず愚痴を言っているけど、サーゲロイド辺境伯領の近くにある領地の冒険者ギルドでトラブルがあって暫くそっちにかかりっきりだったらしいです。
 ギルドマスターと職員が賃金支払いを巡って対立して冒険者ギルドが機能不全になったらしく、ジンさん達が現場に直行したそうです。
 調査の結果ギルドマスターに横領などの不正が発覚して、ギルドマスターと関与していた職員は解任の上で逮捕されました。
 賃金は割り増しで支払われて、更に職員の増員をしたそうです。
 サーゲロイド辺境伯領の冒険者ギルドから臨時のギルドマスターが就任してどうにかなったみたいだけど、珍しくジンさんもヘロヘロになるほど疲れていました。
 なので、今日はストレス発散も兼ねて動きたいそうです。

「「「食べ終わったよ!」」」

 食堂で朝食を食べていたちびっ子たちが、身支度を整えて玄関に姿を現しました。
 では、早速冒険者ギルドに向かいましょう。
 僕たちのいつものスタイルで、ゲートを使うことなく屋敷から歩いて冒険者ギルドに向かいました。

 ガヤガヤガヤ。

「今日も、たくさんの冒険者が集まっているね」
「どんな依頼をするのかな?」

 辺境伯領の冒険者ギルドは今日も活気に溢れていて、多くの冒険者が依頼掲示板とにらめっこしていた。
 ミカエルとブリットはそんな冒険者達を見て少しワクワクしていたけど、残念ながら今日はちびっ子たちがいるので森で薬草採取をすると決まっています。
 ミカエルとブリットだったらお手伝い系の依頼もできるけど、流石に今回は見送りです。

「おっ、この前の冒険者ギルド内の結婚式以来だな。宿題は終わらせたか?」
「終わったよ! 昨日までかかったんだ」
「レポート、とても大変だったの」
「そりゃ難儀な事だな、ガハハ」

 顔見知りの冒険者がリズとエレノアに気安く話しかけていたけど、僕たちにとってはいつも通りなので特に気にしていません。
 そして、いつも通り窓口で手続きをしていたのだけど、ついでにあの事を話しました。

「あの、予定通り二週間後に学園の一年生が冒険者体験をしにやってきます。近くなったら、また連絡します」
「アレク君は本当に真面目ね。ギルドマスターとマリーさんが調整しているから、そこまで心配しなくても大丈夫よ」

 顔見知りの受付のお姉さんが問題ないとニコリとしていたけど、実は学園の入園試験が終わったら一年生全員が冒険者体験の為にやってきます。
 色々な依頼の体験をする事になっているので、きっと皆も良い経験になるはずです。

 ザワザワ、ザワザワ。

「おい、俺はあのAランク冒険者のジンの関係者なんだぞ!」

 そろそろ森に行こうとしたところで、急に冒険者ギルド内がざわめき出しました。
 ジンさんの名前が聞こえたんだけど、いったい何が起きているのかな。
 僕はそのジンさんと思わず顔を見合わせて、それから騒動の起きているところに向かいました。
しおりを挟む
感想 287

あなたにおすすめの小説

「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。

桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。 「不細工なお前とは婚約破棄したい」 この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。 ※短編です。11/21に完結いたします。 ※1回の投稿文字数は少な目です。 ※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。 表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。 ❇❇❇❇❇❇❇❇❇ 2024年10月追記 お読みいただき、ありがとうございます。 こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。 1ページの文字数は少な目です。 約4800文字程度の番外編です。 バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`) ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑) ※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。

治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~

大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」  唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。  そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。 「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」 「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」  一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。  これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。 ※小説家になろう様でも連載しております。 2021/02/12日、完結しました。

婚約破棄されたので四大精霊と国を出ます

今川幸乃
ファンタジー
公爵令嬢である私シルア・アリュシオンはアドラント王国第一王子クリストフと政略婚約していたが、私だけが精霊と会話をすることが出来るのを、あろうことか悪魔と話しているという言いがかりをつけられて婚約破棄される。 しかもクリストフはアイリスという女にデレデレしている。 王宮を追い出された私だったが、地水火風を司る四大精霊も私についてきてくれたので、精霊の力を借りた私は強力な魔法を使えるようになった。 そして隣国マナライト王国の王子アルツリヒトの招待を受けた。 一方、精霊の加護を失った王国には次々と災厄が訪れるのだった。 ※「小説家になろう」「カクヨム」から転載 ※3/8~ 改稿中

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。