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第三十三章 二年生
千二百二十八話 感涙が止まらない人
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体育館前に移動すると、受付ではドラちゃんとリボンちゃんがエレノアたちと並んで新入生の受付をしていました。
レシステンシアさんなどの他の生徒会役員もドラちゃんを全く気にしていないし、もはやドラちゃんとリボンちゃんは新たな生徒会役員みたいな立場ですね。
そんな飛竜のドラちゃんとリボンちゃんの存在が霞むくらいの光景が、受付前で繰り広げられていました。
「おーいおいおい、おーいおいおい。い、イヨが、イヨが学園生に……」
「ちょっと、ウザい」
ばっちしメイクを決めて品のあるドレスを着ているオカマさんが、号泣しながらイヨの事を抱きしめていた。
どうやらずっと続いているらしく、オカマさんにきつく抱きしめられているイヨは死んだ魚のような反応をみせていた。
物凄く目立つのだけど、流石にこの場にいる人でオカマさんを止められる人はいなかった。
ティナおばあさまでさえ、苦笑しながらも二人から少し距離を取っていたほどだった。
「お兄ちゃん、オカマさんはもう十分はイヨちゃんのことを抱きしめて泣いているんだよ。流石に迷惑かも……」
リズが僕の事を呼んだのもよく分かるが、リズもスラちゃんもオカマさんを止めることはできないらしい。
僕は、思わず溜息をついてオカマさんに近づいた。
「あの、そろそろその辺にしないと他の人が受付ができませんよ」
「おーいおいおい」
駄目だこりゃ。
僕が声をかけても、オカマさんは相変わらずイヨを抱きしめたまま号泣していた。
もしかして、泣きすぎて興奮しちゃっているのかもしれない。
試しに、ある魔法を使ってみよう。
シュイン、ぴかー。
「おーいおいおい……うん?」
オカマさんは、我に返ったかのようにキョロキョロと周囲を見回していました。
僕がオカマさんに放ったのは、ごく普通の状態異常回復魔法です。
やっぱり、感激のあまり興奮しちゃったみたいですね。
「オカマさん、ちょっと感激しすぎちゃったみたいです。あと、メイクも落ちちゃっていますよ」
「いやだわ、イヨの制服姿を見たら感涙が止まらなかったのよ。ササッと、メイクも直さないといけないわね」
「ほっ……」
オカマさんから抜け出したイヨは、心底ホッとした表情をしていた。
オカマさんが感激していたのも分かっていたけど、流石に限界にきていたみたいです。
というか、オカマさんは物凄い速さで化粧直しをしているよ。
あまりの早業に、周りの人も思わずポカーンとしちゃっていました。
「ふう、これでよしっと。そうそうティナ様、この間とても良い化粧品を見つけたのよ。後でご紹介しますわね」
「あら、それは良いわね。入園式が終わったら、話をしましょう」
オカマさんとティナ様がにこやかに談笑しているけど、女性ってお化粧品の話が好きだよね。
そしてイヨはというと、リズに回復魔法をかけてもらっていた。
「イヨちゃん、これで大丈夫だよ!」
「リズ、ありがとう。ちょっと疲れた……」
「そうだよね、流石に疲れちゃうよね」
疲労困憊のイヨだったが、何とか回復したみたいだ。
そして、イヨには新入生代表挨拶という大きなお役目も待っている。
因みに、イヨの従魔のミケちゃんはティナおばあさまが抱っこしていて、上手い具合にオカマさんの抱擁から逃れたみたいだ。
「じゃあ、僕は体育館の中に入ります。順に席に座って下さいね」
「ええ、分かったわ」
僕がみんなに声を掛けると、ティナおばあさまが代表して返事をしてくれた。
受付前の騒ぎはもう大丈夫ですね。
「リズもそろそろ体育館の中に入らないと。リハーサルが始まるよ」
「じゃあ、お兄ちゃんと一緒に行くよ!」
リズは、足も軽やかに僕の隣に並んできました。
さてさて、いよいよ入園式が始まりますね。
レシステンシアさんなどの他の生徒会役員もドラちゃんを全く気にしていないし、もはやドラちゃんとリボンちゃんは新たな生徒会役員みたいな立場ですね。
そんな飛竜のドラちゃんとリボンちゃんの存在が霞むくらいの光景が、受付前で繰り広げられていました。
「おーいおいおい、おーいおいおい。い、イヨが、イヨが学園生に……」
「ちょっと、ウザい」
ばっちしメイクを決めて品のあるドレスを着ているオカマさんが、号泣しながらイヨの事を抱きしめていた。
どうやらずっと続いているらしく、オカマさんにきつく抱きしめられているイヨは死んだ魚のような反応をみせていた。
物凄く目立つのだけど、流石にこの場にいる人でオカマさんを止められる人はいなかった。
ティナおばあさまでさえ、苦笑しながらも二人から少し距離を取っていたほどだった。
「お兄ちゃん、オカマさんはもう十分はイヨちゃんのことを抱きしめて泣いているんだよ。流石に迷惑かも……」
リズが僕の事を呼んだのもよく分かるが、リズもスラちゃんもオカマさんを止めることはできないらしい。
僕は、思わず溜息をついてオカマさんに近づいた。
「あの、そろそろその辺にしないと他の人が受付ができませんよ」
「おーいおいおい」
駄目だこりゃ。
僕が声をかけても、オカマさんは相変わらずイヨを抱きしめたまま号泣していた。
もしかして、泣きすぎて興奮しちゃっているのかもしれない。
試しに、ある魔法を使ってみよう。
シュイン、ぴかー。
「おーいおいおい……うん?」
オカマさんは、我に返ったかのようにキョロキョロと周囲を見回していました。
僕がオカマさんに放ったのは、ごく普通の状態異常回復魔法です。
やっぱり、感激のあまり興奮しちゃったみたいですね。
「オカマさん、ちょっと感激しすぎちゃったみたいです。あと、メイクも落ちちゃっていますよ」
「いやだわ、イヨの制服姿を見たら感涙が止まらなかったのよ。ササッと、メイクも直さないといけないわね」
「ほっ……」
オカマさんから抜け出したイヨは、心底ホッとした表情をしていた。
オカマさんが感激していたのも分かっていたけど、流石に限界にきていたみたいです。
というか、オカマさんは物凄い速さで化粧直しをしているよ。
あまりの早業に、周りの人も思わずポカーンとしちゃっていました。
「ふう、これでよしっと。そうそうティナ様、この間とても良い化粧品を見つけたのよ。後でご紹介しますわね」
「あら、それは良いわね。入園式が終わったら、話をしましょう」
オカマさんとティナ様がにこやかに談笑しているけど、女性ってお化粧品の話が好きだよね。
そしてイヨはというと、リズに回復魔法をかけてもらっていた。
「イヨちゃん、これで大丈夫だよ!」
「リズ、ありがとう。ちょっと疲れた……」
「そうだよね、流石に疲れちゃうよね」
疲労困憊のイヨだったが、何とか回復したみたいだ。
そして、イヨには新入生代表挨拶という大きなお役目も待っている。
因みに、イヨの従魔のミケちゃんはティナおばあさまが抱っこしていて、上手い具合にオカマさんの抱擁から逃れたみたいだ。
「じゃあ、僕は体育館の中に入ります。順に席に座って下さいね」
「ええ、分かったわ」
僕がみんなに声を掛けると、ティナおばあさまが代表して返事をしてくれた。
受付前の騒ぎはもう大丈夫ですね。
「リズもそろそろ体育館の中に入らないと。リハーサルが始まるよ」
「じゃあ、お兄ちゃんと一緒に行くよ!」
リズは、足も軽やかに僕の隣に並んできました。
さてさて、いよいよ入園式が始まりますね。
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