転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百二十七話 入園式の朝です

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 入園式の日になり、僕の屋敷では色々な準備が行われていました。
 先ずは、生徒会役員として制服に着替えて学園に行く準備をしている僕、リズ、サンディ。
 そして、新入生として入園式に臨むイヨの姿がありました。
 真新しい制服に身を包んでいるイヨは、相変わらず無表情だけど僕にはウキウキしている様に見えました。

「リズ、僕は王城に行くからイヨと一緒に遅れないように学園に行くんだよ」
「任せて、お兄ちゃん!」

 念の為にリズに言っておくけど、スラちゃんとサンディもいるから遅れることはないでしょう。
 ということで、僕はプリンと共に王城に向かいます。

「アレク君、おはよう。リズちゃんたちは着替えているかしら?」

 王城に着くと、イヨの保護者として参加予定のティナおばあさまが僕を出迎えてくれました。
 やはりというか、リズたちの事を心配していますね。

「制服には着替えていて、忘れ物確認は昨日のうちにしておきました。サンディもいるから、多分大丈夫だと思います」
「それなら良いわ。まあ、リズちゃんも約束事は守るからね」

 いつも活発で猪突猛進なリズだけど、僕やティナおばあさまが一言言えばキチンと守ります。
 制服に袖を通したエレノアやルーシーお姉様も来たけど、一番張り切っているのはこの子たちでした。

「「「準備できたよー!」」」

 ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんも、綺麗な服を着て僕のところにやってきました。
 卒園式に続いての来賓だけど、三人はやる気満々ですね。
 今日の保護者役のルーカスお兄様も、はしゃいでいる三人を苦笑しながら見ていました。
 でも、式典中は大人しく席に座っているんだよね。

「三人共、名前を呼ばれたら元気よく挨拶をするのよ」
「「「はーい」」」

 王城でお留守番のアイビー様に、三人は手を挙げながら返事をしていました。
 この分なら大丈夫かなと思いつつ、僕は王城から学園にゲートを繋ぎました。 

「「「いってきまーす!」」」
「気をつけてね」

 アイビー様に見送られながら、僕たちは学園に向かいました。
 ティナおばあさまはイヨのところに行くために、体育館の入り口に向かいます。
 来賓四人は、ステージ脇の控室に案内します。

「お茶がいいかな、それともジュースがいいかな?」
「「「ジュース!」」」

 僕は、ルーカスお兄様にお茶を出して三人にアイテムボックスから取り出したジュースを渡します。
 ネコちゃんも、床にぺたりと横になってリラックスしていますね。

「警備が強化されているだけで、他は普通の入園式と変わりありません。式次第も、例年通りです。司会はリズが行います」
「学園長の話だけ、どうにかなれば大丈夫だな。間違いなく三人は寝てしまうだろうね」

 ルーカスお兄様も思わず苦笑するほど、学園長の話はとても長いもんなあ。
 小さい子が思わず寝ちゃうのは、どうしようもないんだよね。

「今年の新入生は問題のありそうな生徒はいないみたいで、学力も平均的みたいです。なので、イヨの存在が抜けてしまっています」
「学年によって特徴が出るのは仕方ない。アレクの時はあまりにも学力差の上下がハッキリしていたけど、そういう年もあるとしかいえない。私の時は、どちらかというと平均的だった」

 ルーカスお兄様と今年の新入生の感想を言っていたけど、僕たちの学年は近年稀に見るレベルで学力差があったそうです。
 確かに、頭の良い子もたくさんいるもんね。
 そんな話をしていたら、ランさんが応接室に入ってきました。

「アレク様、リズ様が受付でお呼びです。その、オカマさんが来たと言っています」

 教皇国から、オカマさんがやってきたんだ。
 きっと、イヨの晴れ姿を見て号泣しているだろうね。
 ということで、控室担当をランさんと他の生徒会役員に代わってもらい、僕は体育館入り口の受付に向かいました。
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