転生しても実家を追い出されたので、今度は自分の意志で生きていきます

藤なごみ

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第三十三章 二年生

千二百二十九話 入園式後のお楽しみ

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 体育館の中に入ると、新入生と保護者の半分以上が席に座っていました。
 イヨもミリアとワーナー君と話をしているが、ワーナー君にはたまにツッコミを入れていますね。
 新入生同士、仲が良さそうで何よりです。
 僕とリズは壇上にあがり、ルーシーお姉様のところに向かいました。

「ルーシーお姉様、遅くなりました」

 ルーシーお姉様は他の生徒会役員とともに打ち合わせをしていて、僕とリズも合流します。

「お兄ちゃんが、イヨちゃんとオカマさんのことを解決したよ!」
「二人とも、お疲れ様。まあ、オカマさんはイヨちゃんを溺愛しているから、号泣するのも分かるけどね」

 合格発表でも似たような光景が起きていたので、ルーシーお姉様も事情はよく分かっていました。
 さて、ここからは僕たちが頑張る番です。
 入園式の進行を、念入りにチェックします。

「リズ、話す内容は大丈夫?」
「バッチリだよ!」

 司会進行役のリズは、既に前日のうちにシナリオを読み込んでいます。
 やる時はやる子なので、任せて大丈夫でしょう。
 そろそろ時間ということで、僕も控室にいるルーカスお兄様たちを呼びに行きます。
 もうそろそろ、入園式も始まるね。
 色々な人が、慌ただしく動き始めたのでした。

「「「おわったー!」」」
「こらこら、はしゃがないの」

 無事に入園式も終わり、ルーカスお兄様は解放感に包まれている弟と妹を苦笑しながら宥めていました。
 ルカちゃん、エドちゃん、エリちゃんは、元気よく挨拶もできてとってもいい子にできたと思います。
 恒例となった学園長先生のながーいお話でこっくりとしちゃったけど、新入生も保護者もこっくりとしちゃったからしょうがないね。

「「「イヨちゃんのところにいくよー!」」」
「気を付けて行って来いよ」

 いつも一緒に遊んでくれるイヨに加えてティナおばあさまも来賓席から降りてきているので、ちびっ子三人は勢いよく駆け出していきました。
 二メートル近くまで成長した飛天虎のネコちゃんも一緒だし、流石に何かをする人はいないはずです。
 でも、イヨはこの後先生と共に教室に行くから、早く行かないとね。
 そんなことを思いながら、僕は司会を務めたリズのところに向かいました。

「リズ、初めての司会はどうだった?」
「ばっちりだよ! これで、リズはいつでも司会ができるよ!」

 リズは自信満々に胸を張っていたが、実際にリズの司会は中々のものだった。
 元々言葉がハッキリ聞こえるし、明るい声ってのもあります。

「でも、次の司会の機会はエレノアにやってもらわないと。サンディもそうだけど、リズはエレノアの補佐に入って貰わないとね」
「ふふふ、リズは司会の補佐もバッチリとこなすんだよ」

 今はとても機嫌が良いのか、リズは腰に手を当てながらノリノリで返事をした。
 スラちゃんも何故かドヤ顔だったけど、まあ多分大丈夫でしょう。
 でも、僕的には司会はサンディが一番上手な気がするなあ。

 トトトト。

「「「ねーねー、イヨちゃんが戻ったらオカマさんのお店行ってもいーい? ティナおばーちゃんも行くって」」」

 ちびっ子三人が元気よく戻ってきたと思ったら、どうやらみんなでオカマさんのお店に行きたいそうです。
 イヨの入園祝いで、みんなで食事をするみたいですね。
 すると、ルーカスお兄様がこんなことを言ってきました。

「どうせなら、エレノアたちも一緒に行くだろう。キチンとみんなの言うことを聞くんだぞ」
「「「わーい!」」」

 ちびっ子三人が両手をあげながら喜んでいる中、ルーカスお兄様は僕にもあることを言ってきました。

「アレクも、たまにはみんなと一緒に行ってこい。午後は執務だと聞いているが、昼食までは自由だ」
「「「「そーだよ!」」」」

 ちびっ子三人に混じって何故かリズも僕もことを誘ったけど、たまにはみんなでワイワイと昼食を食べても問題ないね。
 その為にも、早く後片付けをしないとって思っちゃいました。
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